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2018/11/14 21:45

フィリピン山中に秘匿? バチカンが運用? 「天皇の金塊」は実在する!?――『日本の黒幕』

海外ドラマが大好きな筆者が今ハマっているのは『ホームランド』。7シーズン目に突入したスパイドラマだ。主人公のキャリー・マティソンはCIAのオペレーション・オフィサー。自ら進んで危険な橋を渡り、汚い手を使って敵を落とし入れる。作戦遂行のために協力者を見捨てることもある。神経質でキレやすく、なにより狡猾な女スパイだ。

 

 

『ホームランド』、見てます?

主役のキャリーはもちろんだが、彼女を取り巻くキャラクターも魅力的。上司のソール・ベレンソンはオフィスでも現場でもどっしり構えて冷静沈着に仕事をこなしていくベテラン諜報員だが、家庭は崩壊している。そのソールのライバルであるダール・アダールはCIA上層部の人間で、さまざまな局面で暗躍した挙句に逮捕されてしまう。

 

シーズン7のメインキャストの一人、エリザベス・キーン大統領もなかなかのクセ者だ。暗殺されかけた後、自分の政権を支える人々に次々と嫌疑をかけ、逮捕しまくる。過激派の政治活動家で、ネット配信番組を舞台に政権批判を繰り広げるブレット・オキーフもシーズン6に引き続き抜群の存在感を放つ。

 

『ホームランド』に引きこまれる理由。それは、ニュースで見聞きするリアルな世界情勢に虚実を巧みにちりばめたストーリーにある。ネットをにぎわせる陰謀論者の主張=コンスピラシー・セオリーもあながち嘘じゃないかも、なんて思ってしまうのだ。

 

 

史実をとりまく光と闇

筆者には、陰謀論に関するそれなりの知識がある。そして、史実という明らかな部分と、歴史の謎というほの暗い部分に横たわる境界線があいまいなことも知っている。だからこそ、明と暗を行き来する『ホームランド』のストーリーラインは実に魅力的なのだ。

 

こうした手法は文章という手段でも表現できるようだ。あいまいな境界線を行き来しながらひとつの事象をとりまく光と闇をつぶさに見つめ、それを構成するピースをつまびらかにしていく。ここで紹介するのは、そんな本だ。

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