私は、これまでに8回の引っ越しを経験している。初めての引っ越しは、実家から就職先の東京に出たとき。3か月間のウィークリーマンション住まいだったため、必要最低限の荷物だけを詰め込んで父の車で上京した。
その後、単身、夫婦、子ども1人+妊娠中、子ども3人と、実にさまざまなバージョンでの引っ越しを繰り返してきた。家族が増えるごとに荷物の量が増える。しかも、小さな子どもがいると、荷造りも荷解きも思うように進まない。保育園や小学校が変わると、その分手続きも激増する。子連れの引っ越しは、とにかく大変だ。
引っ越し料金はシーズンによって2倍以上変わる!
とはいえ、回数を重ねるに連れて、引っ越し業者との金額交渉はプロ並みになってきた。ご存知の方も多いと思うが、引っ越しする時期がいわゆる繁忙期だと、べらぼうに料金が高いのだ。
事実、ほぼ同じ距離での引っ越しで、12月のクリスマス時期と3月下旬のピーク時では、2倍以上引っ越し代金が違った。しかも、できるだけ金額をおさえてもらうために、引っ越し作業の時間帯、希望日程に幅をもたせて、トラックを2つにわけるか否かなど、少しでも安くお願いできるやり方と日程で諸々調整したうえでの、2倍強だ。最初に提示された見積もりで考えたら、3.5倍くらい料金に差が出ていたのだから、引っ越し繁忙期たるや恐ろしい。
引っ越し常連でも陥る「未開封のダンボール」の怪
荷造りや荷解きに関しても、ずいぶん手慣れてきた。だが、毎度困るのが、引っ越し後いつまでたっても開封されないダンボールの存在。そして、収納からあふれかえる物の数々。
次の引っ越しは未定だが、この部分を解決しておかないと、いつまでたっても片付かない家に住むことになってしまう。
そんなとき、一冊の本を見つけた。自身も11回の引っ越し経験者である、引っ越しオーガナイザー門野内絵理子(もんのうちえりこ)さんの著書『引っ越しで「私」と「暮らし」を整えよう』(ギャラクシーブックス・刊)だ。なんと、「入居2日で家の中が片付く秘訣」を教えてくれるという。
早速読み進めると、それはもう目からウロコな情報の数々。「私と3回しか引っ越し回数変わらないじゃん!」と思った自分が恥ずかしい。そもそも、引っ越しに対する概念がまるで違うのだ。
引っ越し予定者必見!すぐに片付く引っ越しを実現する手順5
早速、門野内さんが教える「段取り良く進む引っ越しの手順」を本書からご紹介しよう。
- 採寸
- 荷物を減らす
- 家具家電の配置
- 収納計画
- 梱包手順
あれ? と気づかないだろうか。引越し準備というと、ダンボールが届いたらとにかく手早く物を詰め込む、引越し後はできるだけ早くダンボールから物を出す! という荷造り・荷解き作業がメインだと思いがちだ。それが、手順を見ると5番目にきている。
つまり、スムーズな引っ越しでもっとも重要なのは、梱包前の「下準備」だということ。
まずは、新居の間取図を不動産会社から取り寄せるところからスタート。そこに、新居の玄関、各部屋の入り口や収納場所の高さと横幅、奥行きなどを測って記入していく。コンセントの位置などもマークしておくと便利だ。
さらに、手持ちの家具のサイズももれなく採寸してみよう。
サイズをはかることによって、物理的に新居に持っていけない物、収納しきれない物が明確になる。そうすると、荷物を減らせるのである。
つい「また使うかもしれないし、引っ越してから処分するか考えよう」などと思ってしまうが、そういう類の物が入ったダンボールはいつまでたっても開封しない。そして、中に何が入っているかわからなくなり、探している物が見つからない、だからまた物を買う、物が増える、片付かない部屋になる…という負の連鎖に陥っていく。我が家のように。