師走ですね〜! お坊さんも走るほど忙しい時期ですから、普段から「忙しい」と思っている人はさらにバタバタと忙しくなっているのでしょうか?
忙しくなると「あの日、あの時、こうしておけば」なんて思うのはしょっちゅうな私。そんななか見つけたのは、ゆるキャラキングの「くまモン」や美味しい出汁の定番「茅乃舎」のプロデュースをされているクリエイティブディレクター・水野 学さんの『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』(水野 学・著/ダイヤモンド社・刊)でした。
そうなんだよ! 仕事の仕方とかノウハウは教えてもらえたけど段取りの方法は誰も教えてくれなかったじゃないか! と思っていたのですが、この書籍の冒頭で、仕事は「①目的地を決める ②目的地までの地図を描く ③目的地まで歩く」の3つに分けられると語られていました。あれ? 仕事ってこんなにシンプルでいいんだっけ? ということでじっくり水野さんに教えてもらいましょう!
すべての仕事は「ルーティン」である
仕事って言ってもそれぞれ業種によってやることも違うし、そんなシンプルにまとめられないよ! と思う方はほとんどだと思います。ましてや、ルーティン化できるならやっているわ! と思う方もいるでしょう。でも『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』には、以下のように書かれてあったのです。
大きな流れはどれも同じ。
調べる→大まかな方向性を決める→具体的なプランをまとめる→仕上げ作業をする→完成
このプロセスを途中で省いて、ろくに調べずに取りかかったり、方向性を決めたりすることなくいきなり細部を考えはじめたりしてしまい、その後の段取りがうまくいかなくなる。
そんな例は、実は多いように思います。
(『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』より引用)
言われてみれば確かにその通り。仕事って思えばとてもシンプルな流れだったんですよね。それにこのシンプルな流れをひとつでも省いてしまうと一気に崩れてしまうというのはさらに納得です。上司に「とりあえず進めちゃっていいから!」なんて言われても、その通りにはしないでしっかり調べるところから始めて行く方が逆にスムーズに進められるというのもあるかもしれませんね。
さらにこの流れ、仕事だけじゃなく、旅行や料理だって当てはまります。仕事だけでなく、普段の生活から習慣付けられるといいかもしれません。
仕事において「時間」はちゃんと意識できていますか?
仕事は時間をかければいいものができる! と思っている方もいるかもしれませんが、実はそうではないという水野さんは、「スケジュールを制するものは仕事を制す」というのが口ぐせにもなっているそうです。
「いい仕事は非効率でも仕方ない」「いい仕事は長い時間をかけるものだ」というのは思い込みです。「早くていい仕事をすればいい」のです。
効率よく、いい仕事をする。それは可能ですし、そこを目指したいものです。
(『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』より引用)
うっ、胸が痛い! すごく厳しい表現かもしれませんが、「自分はそういう思い込みしていないかい?」と気づかされたフレーズでした。他の案件で忙しいから、デザイナーにはゆっくり仕事をしてもらった方がいいから、長い時間をかけた方がいいものができるから、とついつい思ってしまいますが、そんなことよりも「早くていい仕事をする」のが大切ということですな!
今まで遅れていた案件を丸ごとごめんなさいしたい!!
いい仕事をするために、頭の中に「空白」をつくる
とは言っても、今日はあっち、明日はこっち、午後からはあれを……と頭の中でたくさんの案件を抱えている方もいらっしゃると思います。はたから見ているとパンクしちゃいそうだな、と思うのですが、うまく案件をしっかり回せている人は何が違うのでしょうか?
どうやらその違いはつねに頭の中に「空白」があるかどうかということだそうです。空白というのは、頭の中で考えていることを外部に出してしまうこと。紙に書き出してしまうだけでも全然ストレスが減るそうですが、実際どうやって空白を作ったら良いのでしょうか?
よく仕事(ボール)を抱えこんでしまって「どうしよう……」と悩んでいる人がいます。ぼくは、なるべく自分でボールはもたないようにします。それが空白をつくり、仕事を早くする秘訣です。自分でボールをもち続けるのではなく、パスしたり、ときには捨てたりもします。
(『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』より引用)
あぁ〜言われてみればボール持ってる案件ばっかりだわ(笑)。
頭の中で「うーん、どうしよう」「あー困った」と思っているならそれを人に相談したり、紙に何をやるべきか書き出したり、先方にご連絡したりするだけで全然OK! それだけでストレスはだいぶ減るみたいですよ! さぁ今から実践しちゃいましょう。
自分の働き方を見直せる一冊
ビジネス書やこういった仕事のノウハウ本には、新しい発見がたくさん詰まっているなと改めて感じました。
仕事を始めたばかりの新人さんや、異業種へ転職して職場にうまく馴染めないと困っている人、部下の教育をしたいけど通常業務でそれどころじゃないという人も、仕事の悩みって実はどんな状況の人でも同じなのかな? なんて思ってしまいました。
師走の忙しい時期だからこそ『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』を読んで、来年からの自分の働き方と向き合ってみるのはいかがでしょうか? いつもバタバタしていてどうしたらいいの? と悩んでいる時間があったら、3時間くらいで読めてしまうので、忙しい! と言い訳せずに、帰りの電車や寝る前などに是非読んでみてください!
【書籍紹介】
いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書
著者:水野 学
発行:ダイヤモンド社
多くのプロジェクトを「同時に」「早く」動かすにはどうすればいいのか? 話題のクリエイティブディレクターがその「段取り」の秘密を全公開します。くまモン、相鉄、茅乃舎を手掛けたクリエイティブディレクターの仕事術。