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2019/1/4 21:45

「はじめアルゴリズム」から学ぶメンターに巡り会うための3つのポイント

 

 

数学少年が数学の師匠に出会い、数学の奥深さに目覚めていくマンガ「はじめアルゴリズム」(三原和人・著/講談社・刊)が面白い。主人公が成長していくマンガにおいて「メンター(指導者)との出会い」は、欠かせない大切なエピソードである。現実生活で素晴らしい師匠に巡り会うためのポイントについて考えてみた。

 

 

意外と多いマンガのイケメン指導者

少女マンガでは、ヒロインを指導するのはなぜかイケメンコーチであることが多い。古いけれどテニスマンガ「エースをねらえ!」の宗方仁コーチやバレエマンガ「SWAN」のアレクセイ・セルゲイエフ教官もそうだ。そして女性は指導者によって才能にも愛情にも目覚めていく。それが女性にとってのロマンだからなのだと思う。

 

しかし少年マンガや青年マンガでは、指導者は大抵男性、つまり同性だ。そして顔は必ずしもイケメンではない……とも、このごろは言えなくなってきた。例えば囲碁マンガ「ヒカルの碁」の囲碁の達人・藤原佐為も、ピアノマンガ「ピアノの森」の教師・阿字野壮介もイケメンだ。彼らイケメン・メンターのおかげで、女性読者も増えたのではないだろうか。少なくとも私はそうだ。しかしこの「はじめアルゴリズム」のはじめの師となる数学者・内田豊は、頑固そうなおじいさまだ。

 

 

夢中になれる何かを見つけること

まず、はじめがどうやって指導者と出会ったかというと、内田先生が子どものころ校舎の壁に書いていた数学の難問に、はじめが答えを書き込んだこと。答えが描かれているのを見つけた内田先生がはじめを探し出し「君は私が育てる!」ということになったのだ。

 

数学は難問になると解けるまでに何日も、場合によっては何年もかかる。夢中で取り組むほどに、ふたりとも、数学が好きなのだ。難問が解けた時の快感はかなりのものらしい。私は難問を解いたことがないけれど、長い年月をかけて書き続けた小説がやっと完成したときと似ているのかもしれないな、と想像すると、わかる気もする。なのでまず、寝食忘れるほどのめりこめるものを持つのが、良き師に巡り会うための第一歩だと思う。自分と同じようなことにのめり込んでいる先達を探せば絞られていくはずなのだから。

 

 

すぐ行動できるよう、身軽になること

多くのマンガでは、才能を伸ばしていくために、主人公は故郷を飛び出し、師匠の元へと飛び込む。「はじめアルゴリズム」でも内田先生のご自宅に厄介になることになった。いざという時、すぐに動ける身軽さがあることも、師の教えを得やすくなるポイントだ。「家族が」「好きな人が」「友達が」「学校が」「バイトが」などと未練をあれこれ述べたてているうちは、物語は動き出さない。

 

本気で好きなことがあり、それに思い切り打ち込める環境が与えられると知ったら、飛びつくはずだ。そのためには周辺の環境がガラリと変わることも恐れない。理想の環境のためなら、家族、友達、恋人などから離れることも厭わないだろう。チャンスがあったらいつでも動ける覚悟を持つことで、師とも共鳴しやすくなるのだ。

 

 

目標や夢を共有できること

「はじめアルゴリズム」では、まだ誰も証明できていない数学の難問を解く、という大きな目標を、師と掲げているように見える。内田先生は、自分が果たせなかった夢を、もしかしたらこの子が叶えてくれるかもしれないと希望を抱く。

 

師と力を合わせて、高みを目指す。それこそが、スポーツであれ学問であれ芸術であれ、共通して見受けられる師弟愛なのだ。こうした師弟愛マンガで目的が達成された時、彼らは感動をはるかに超越した、宇宙と一体になるかのような深い感覚を得ているようにも見える。たとえ達成できなくても、彼らの深い絆は私たちの胸を熱くする。共に同じ夢を見ることができるその人こそ、自分の人生のメンターなのかもしれない。

 

【書籍紹介】

はじめアルゴリズム

著者:三原和人
発行:講談社

老数学者・内田豊は廃校で出会った、小5の少年・関口はじめと。はじめは、数学において天才的な才能があった。内田は彼の才能に惚れて、彼を導いていくことを勝手に決心したのだった・・・。足す足す引く引くワクワクドキドキ。ワンダーボーイ、数字と一緒に世界を大冒険。数字を見るのが少し楽しくなる成長物語。数学と天才が嫌いじゃなくなります。

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