新しい年が始まった。多くの人が気になるのが「今年の運勢」ではないだろうか。初詣でおみくじを引いた人も多かろう。
私自身、「占いなんて、当たるも八卦当たらぬも八卦」などと心のどこかで思いつつも、雑誌の最後に星占いがあれば読んでしまうし、機会があるならば占い師と呼ばれる人に占ってもらいたい。そして、できればよく当たると評判の占い師がいい。
ここ数年、芸能界きっての占い師といえば、ゲッターズ飯田氏だろう。今年の正月番組でもよく見かけた。占われたタレントはみな「当たってる…!」と驚いているし、彼が毎年出している占い本は、私の知人にも愛読者がいる。
はて、どれほど当たるものなのか。ゲッターズ飯田氏の占いの集大成ともいえる本『ゲッターズ飯田の五星三心占い 決定版』(朝日新聞出版・刊)が出版されたというので、この年末年始はじっくり占いに勤しんでみた。
「五星三心占い」とはなんだ?
そもそも占いにはいろいろなジャンルがある。星占いに手相、タロット、四柱推命などなど。
はたしてゲッターズ飯田氏の占いは何かというと、「五星三心占い」というものなのだとか。
なんでも、中国に昔から伝わる陰陽五行説「木、火、土、金、水」の5つに、それぞれ「陰陽」がある、つまり合計10パターンあるというのが「五星」。
加えて、心のリズムを表す「天、海、地」の3つに、それぞれ「陰陽」があると考えて6パターン。さらに「金銀(表裏)」で合計12パターン。
これら10パターンと12パターンを掛け合わせた全120タイプに分けられたものが、ゲッターズ飯田氏の五星三心占いなのだそうだ。おなじみ星占いが12パターンだから、120パターンといえばかなり詳細な占いであることがわかる。
誰しも3つの運命を背負っている
『ゲッターズ飯田の五星三心占い 決定版』では、3つの命数をカギに占い結果を見ていく。というのも、人生は幼少期~青年期、青年期~壮年期、壮年期~老年期の3段階で変化する、つまり人は3つの運命を背負っているのだとゲッターズ飯田氏。
このことから、「一生変わらない部分」の上に、第1の命数「ベースとなる性質」(1つ目の人生)があり、その上に乗るのが第2の命数「個性」(2つ目の人生)、そして一番上には第3の命数「才能」(3つ目の人生)が乗る。これらすべてを混ぜ合わせたのが、私という人間そのものというわけだ。
なお、3つの運命の切り替わり時は人によって異なるため、何歳から何歳までが第1の命数なのか、今の自分がどの命数の時期にあたるのかは一概には言えないのだそう。
自分の本質を覗くのは少々怖い気もするが、早速、自分の命数を調べて占い結果を読んでみた。
自分の本質が五星三心占いで明らかに…!
私の根底にある性質は「銀の羅針盤」。非常に真面目だが実はサボリ魔で、他人に深入りしたくないのが本音。よく言えば控えめだが、後ろ向きでマイナス思考の持ち主とある。
いやいやいやいやちょっと待って。これまでの人生ずっと「真面目」で通ってきたし、この上ないポジティブ思考の人間だよ? 本当にこの占い、当たるの? と訝しくなった。しかしながら、先を読み進めていくうちに、あれれ、この占い本物かも…と思えてきたのである。
第1の命数によると「マイナス思考の研究家」。理屈理論好き・人見知り・心を開かない・マイナス思考・探求心がある・プライドは高い・指導者に左右される人生・根はサボリ魔。悔しいが、子どものころの自分にほぼ当てはまる。
第2の命数は「品のある器用貧乏」。情報通・根はサボリ人・多趣味多才・マイナス思考・ルールを守る・損得勘定で判断する・酒にのまれる。――就職して働いているころの自分と重なる。
そして第3の命数は「斬新な生き方をする臆病な人」。変態・屁理屈・根はサボリ人・新しいことが好き・人見知り・マイナス思考・束縛は嫌い・プライドは高い。先日40歳になった私が今どの段階にいるかはわからないが、おそらくこのステージに入っているような気がする。それくらい、言い当てられている感が半端ない。
それにつけても、根はサボリ魔でマイナス思考だとは。だが、ゲッターズ飯田氏はこう述べる。人間とは矛盾した部分を持っているものだ。「頑張り屋」なのに「サボり癖がある」し、「几帳面な性格」だけど「整理整頓が苦手」など。この矛盾に本人が気づき、理解していれば、自分自身をうまく使いこなせることができるのだ、と。
自分は、結構頑張り屋でポジティブ人間だと思っていたが、実は矛盾したようにも見える裏の性格があるらしい。この部分を直視し、うまく活かしていくことで、今後の人生をステップアップしていけるかもしれない。
苦手なあの人が許せるようになるかも?
『ゲッターズ飯田の五星三心占い 決定版』は、この一冊であらゆる人を占えるのが良い。実家に帰った際も、久々に集まった親戚一同の命数を占って盛り上がった。ひとつだけ残念だったのは、90歳の祖母の命数表がなくて占えなかったことだが…。(1934年以降の命数表しか載っていなかった!)
元来占いとは、自分の人生をより良くする手助けとなるのはもちろんだが、他人との違いに気づくツールなのだと思う。
どうしてそんな言動をするんだろう? と毛嫌いしていた相手も、五星三心占いによって生まれ持った性格を知ることにより「そうか、根本がそういう性格だから仕方ないのか」と歩み寄ることができる。我が子ながら理解に苦しむ行動だって、「なるほど、そういう性質を持っているから、自分とは違うのか」と理解でき、子どもへの接し方も変わってくるだろう。
自分と他人とは違う、たとえ家族であっても。そこに気づけるだけで、大きな収穫だ。
占いに依存する人生にはしたくないが、占いの結果を足掛かりに、より円滑な人間関係とスムーズな人生を送れるかもしれない。
【書籍紹介】
ゲッターズ飯田の「五星三心占い」決定版
著者:ゲッターズ飯田
発行: 朝日新聞出版
芸能界最強占い師として、5万5000人以上を無償で占ってきたゲッターズ飯田が、そのすべてを詰め込んだ完全版にして「決定版」が、ついに完成!