本・書籍
2019/1/25 21:45

「パパ活」の達人に見る、オジサマを喜ばせるテクニックとは――『パパ活の社会学』

女性が男性とデートをし、その代償としてお金を得るという「パパ活」が話題になっています。パパ活する女性が増え、男性とうまくマッチングできない女性まで出ているというのですから相当活況な様子。そんななか、確実に男性利用客のリピートを得ているパパ活上手な女性のテクとは、どんなものでしょう?

 

 

高額を得られるパパ活

少なくない数の女性がパパ活に魅力を感じ、エントリーしているのは、普通の人が丸一日働いてやっと受け取れるほどの額がわずか1時間で得られるからのようです。けれど、見知らぬ男性と2人きりで会うのですから、そこにはかなりのリスクも伴います。

 

この仕事については社会的に賛否両論ありますが、どの世界にも達人はいるもので、なかにはリスクを上手にかわしながら複数の男性と定期的に会い、月に数十万円を稼ぎ出す人も。彼女たちは週に1回、月に1回などの、定期的なデートを歓迎するようですが、それは自身の定期収入としてカウントしやすいからなのかもしれません。達人のワザに学ぶところはいくつもありました。

 

 

プレゼントをこまめに用意する

パパ活の社会学』(坂爪真吾・著/光文社・刊)には、女の私から見ても「うまいな〜」と感心するような気配り上手な女性が登場していました。パパ活をしている史帆さん。30歳で落ち着いた雰囲気だというので、パパ活をする女性の中では先輩格の年齢のようです。それだけに配慮が行き届いた、男心をときめかせるデート上手なかたでした。

 

なにしろ初対面でいきなり「これ、オファーをいただいた御礼です」とブランドのハンカチを差し出すあたり、相当です。ハンカチなら何枚もらっても邪魔にならないから嫌だと思う男性はいないでしょう。デートを繰り返すと手作りのクッキーを持参し、仲良し度が深まってきたことをアピールしてくるあたりもさすがです。

 

 

必ずお礼を言う

この史帆さんは、かなり礼儀正しい人で、お茶や食事の後には必ず頭を下げ「ごちそうさまでした。とても美味しかったです。ありがとうございました」と言葉にして伝えてくるのです。「食べるのが遅くてごめんなさい」などと、お礼やお詫びを丁寧にそして率直に言う姿には、古風な日本女性のゆかしさがありました。これは、パパさんはうれしいでしょう。

 

私も40代になり、時には年下の女の子にご馳走することもありますが、中にはお礼を言わない子や、平気でドリンクのおかわりを何杯も頼む子もいます。丁寧な人は、その場でお礼を言い、帰宅後もメールなどで再度お礼を伝えてきますが、お礼は何度言われてもうれしいものなので、いい子だなと感じます。毎回のことなので、つい手を抜いてしまいがちですが、常に感謝の気持ちを忘れない人がトクをするのでしょう。

 

 

こまめに喜ぶ

さらにポイントが高いのが、彼女はお礼を言うだけではなくせっせと喜んでいるところ。男性は女性を幸せにすることに幸福を感じるので、うれしいと思ったらどんどんそれを表現するほうが愛されるのでしょう。史帆さんの場合、次のデートの約束を男性がしたら「次も会っていただけるんですか?」と喜ぶなど、男性を上手に立てるところもテクニシャンです。

 

もちろんこれらのテクを彼女が駆使するのは「これで収入を得たいから」。なので男性がぐっとくるように努力し、日々、小ワザを重ねているのでしょう。どこか遠慮がちで控えめな振る舞いをする女性は、わがままでおねだりばかりする女性と比べたら、雲泥の差。また会いたいと思うのは、こうしたささやかな礼儀を持ち合わせている女性のほうなのでしょう。

 

男性とデートをしてお金を得る女性のワザは、シンプルながらも相手の男性への配慮があるものでした。これなら普段のデートにも応用する事ができそうです。プレゼントを用意したり、しっかりと相手にお礼を伝えたりという行動は、小さなことですが、相手のことを大切に思っているからこそのもの。照れずに想いを伝えられると、どうやらたくさんのいいことがありそうです。

 

【書籍紹介】

パパ活の社会学 援助交際、愛人契約と何が違う?

著者:坂爪真吾
発行:光文社

女性が年上の男性とデートをして、見返りに金銭的な援助を受ける「パパ活」が広がりを見せている。何が彼女ら彼らをパパ活に駆り立てるのか? パパ活に関わる女性・男性へのインタビューを敢行し、交わされる金額、年齢・職種、主戦場である交際クラブについてなど、生の情報を掲載。そこから見えたのは、複雑化・多様化した現代の価値観を最も強く映し出す鏡としてのパパ活の姿である。既存の制度や規範、世間体ー社会の衣を脱いだ先にある「生の人間関係」のリアルとは? 多様性が賛美されているにもかかわらず、価値観の異なる他者に対する不寛容と排除の圧力が強まりつつある社会は、刻々と変化していくこうした新たな人間関係の在り方を許容できるのか? 自由恋愛の最果ての地、「父なき時代」の現在を描き出す。

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