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2019/2/19 21:45

キャビアの卵は、サメの卵じゃないの? サメにまつわるよもやま話

世界三大珍味といえば、フォアグラ、トリュフ、そしてキャビアです。

 

フォアグラは、ガチョウやアヒルの肥大化した肝臓、トリュフは希少なキノコ、そしてキャビアやチョウザメの卵を塩漬けにしたものです。

 

僕は長らく、キャビアは「サメの卵」だと思っていましたが、実はサメの卵ではないようなのです。チョウザメの卵なのに、なぜ……?

 

キャビアの親「チョウザメ」はサメじゃない?

実は、チョウザメはサメではないのです!

 

ほぼ命がけサメ図鑑』(沼口麻子・著/講談社・刊)の著者は、世界でおそらくただ一人の「シャークジャーナリスト」、つまりサメ評論家。大学時代からサメの魅力に取り付かれ、世界を飛び回ってサメの研究を行っています。

 

その著書に、このような記述があります。

このチョウザメ、名前に「サメ」とついていますが、サメの仲間ではなく、シーラカンスと同じく「古代魚」のひとつといわれています。チョウザメのチョウは蝶々のような形の鱗を持っていて、口が下のほうにあることと、尾びれの形が上下非対称なことがサメに似ているため、その名がつけられたようです。

(『ほぼ命がけサメ図鑑』より引用)

 

つまり、チョウザメはサメではなく、シーラカンスに近い古代魚に近い種類。なので、キャビアはサメの卵ではなく、普通の魚卵ということです。

 

ちなみに、コバンザメもサメではなく、スズキ目に属する魚。名前はサメですが、サメではありません。サメによくくっついていることから、サメの名前がつけられたのではないかという説があります。

 

 

サメは軟骨でできている「軟骨魚類」

じゃあ、サメは魚じゃないのかというと、そんなことはありません。しかし、普通の魚とサメはグループが違います。魚は「硬骨魚類」、サメやエイは「軟骨魚類」というグループに属しています。硬骨魚類は硬い骨がありますが、サメやエイは、すべての骨が軟骨となっています。

 

そのほか、エラも異なります。

「硬骨魚類」のエラには、エラを守ったり水を取り込んだりするための「エラブタ(鰓蓋)」と呼ばれるフタがついていますが。「サメ」や「エイ」のエラの孔(あな)は身体の表面にむき出しです。

(『ほぼ命がけサメ図鑑』より引用)

また、硬骨魚類はエラは左右一対ですが、軟骨魚類はエラの孔が左右5~7対ある点も違います。大きくくくれば「魚類」ですが、サメやエイはちょっと違うグループなんです。サメやエイにすれば「同じにせんといて!」と思っていることでしょう。

 

 

サメの過半数は胎生

「サメ」と一口にいっても、実は生態がさまざま。たとえば一般的に魚類は、卵を産んで子孫を残す「卵生」のものがほとんど。しかしサメは、6~7割が体内で子どもを育てて赤ちゃんを産む「胎生」、3~4割が卵を産む「卵生」。その胎生のサメでも、お腹の中での育ち方はいくつかあるようです。

 

卵から孵った子ザメが、母体内で自分の卵黄だけで成長する「卵黄依存型」と、母ザメから栄養補給を受ける「母体依存型」の2つです。

(『ほぼ命がけサメ図鑑』より引用)

 

しかも、母体依存型のなかには、子宮内で子ザメ同士が共食いをし、生き残ったものだけが体外へ出てくるというサメ(ホオジロザメやアオザメなど)もいるとのこと。生まれた瞬間から生存競走が激しいようです。

 

 

サメのイメージが一変するかも?

一般的に、映画『ジョーズ』のように、サメは人を襲う危険な魚というイメージがありますが、本書を読むとそうではなさそう。実は臆病で、人を襲うということはあまりないとのこと。

 

また、手のひらサイズのサメもいれば、6mほどにもなるサメもいます。食べておいしいサメもいれば、リンゴの香りがするサメもいます。本書を読むことで、サメのイメージが変わることでしょう。

 

ああ、水族館に行きたくなってきたなー。サメのいる水族館に行きたいなー。

 

【書籍紹介】

ほぼ命がけサメ図鑑

著者: 沼口麻子
発行:講談社

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