アーティスト画像や歌詞をSNSに無断公開する人が後を絶ちません。多くの人の言い分は「みんなもやっているから」。また、「怒られたら消せばいいから」というような主張をしている人もいます。けれど、場合によっては損害賠償を支払うケースもあるようなのです。
多額の賠償を支払うリスクも
『そのつぶやきは、犯罪です―知らないとマズいネットの法律知識―』(島飼重和・監修/新潮社・刊)によると、アーティストの歌詞を無断で公開すると「著作権法違反」に該当し、最高でなんと懲役10年の罰が下る可能性があるそうです。
また、有名人の目撃談や噂や目撃写真をネットにアップすると「プライバシー侵害」や「名誉毀損」が認められるケースもあり、芸能人の場合被る被害も大きくなりがちのため、損害賠償額が数百万円にも達するケースもあったのだとか。
許可されていない画像をアップすると…
本書によると、芸能人の画像については許可されているかどうかがポイントになるようです。もし写真撮影が許可されているイベントであれば、画像をSNSに出しても違法ではない可能性が高いようです。むしろ、ぜひ拡散されたいからこそ撮影許可を出している場合は、SNSに投稿したら喜ばれることもあるでしょう。
では撮影が禁止されている場合はどうかというと「肖像権侵害」や「パブリシティー権」侵害になることも。例えばライブの最中に無断で動画撮影をしてサイトに公開したら、そのライブのDVDを売り出そうとしているアーティストの側から見たら利益を受ける権利(パブリシティー権)の侵害になってしまいかねないのだとか。オフの日に密かに病院の診察に訪れた芸能人の画像を無断でアップしたら「プライバシーの侵害」に当たる可能性もあるようです。
楽しくファンを続けるために
それでは地下アイドルと一緒に撮ったチェキの場合はどうなのでしょう。SNSにアップしてもいいものなのでしょうか。これについては、どうやら主催者や事務所によって見解が異なるようです。公開OKのところもあれば、公開禁止としているところもあるので、イベント時にスタッフさんに「チェキ画像をSNSにアップしていいですか?」と確認することで安心できるのではないでしょうか。
大好きな芸能人の画像とは、常に一緒にいたいものです。大好きな気持ちが抑えきれずにSNSのアイコンまで芸能人の画像にしたり、芸能人の画像をSNSに盛んに投下する人もいますが、拡散する許可を本人や事務所から得ているでしょうか。もし得ていないのであれば、すべきではないでしょう。
応援しているタレントの作品や画像を世界中に発信したいという気持ちはわからないでもないですが、相手に迷惑をかけることなら、それは真の応援ではないかもしれません。相手の立場を思いやりながら応援していきたいものですね。
【書籍紹介】
その「つぶやき」は犯罪です―知らないとマズいネットの法律知識―
著者:島飼重和(監修)
発行:新潮社
思わずブログに綴った悪口、正直に書いた店のクチコミ、良かれと思って拡散させた噂話、気軽にしたSNSのタグ付け…これらが全て「犯罪」だとしたら! 誰もが気軽に「発信」できる時代には、誰もが知らぬうちに加害者や被害者になる。著作権侵害、名誉毀損、個人情報漏洩、虚偽広告など具体的な相談事例を元に、自分や会社を守るための知識を弁護士が徹底解説。インターネットを使う全ての現代人に必読の一冊。
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