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2019/12/3 21:45

日本は先進国中4位の移民大国?――『データでよみとく 外国人”依存”ニッポン』

このごろ、外国人が増えたな、と感じている人は多いのではないだろうか? これは都会だけはなく全国各地でのこと。私は北関東に暮らしているが、工場の多い地域では外国人労働者の数が急増していて、バス停や駅で行き先を聞かれる機会も増えている。スーパーやショッピングモールでも中国、ベトナム、フィリピン、ブラジルなどから日本に働きに来た人々が楽しげに買い物をしている姿を見かけることもすっかり日常化しているのだ。

 

日本は先進国中4位の移民大国?

データでよみとく 外国人”依存”ニッポン』(NHK取材班・著/光文社・刊)は、全国で急する外国人住民の実態を追った一冊だ。これによると私たちが知らない間に、日本は先進国中4位の移民大国になっている? という数字があるそうだ。本当だろうか?

 

OECD(経済協力開発機構)は毎年、世界の移民をめぐる統計や、加盟する先進国の移民政策について「国際移民アウトルック」という報告書をまとめている。この報告書の中ではOECDに加盟する36カ国とロシアへの外国人の流入人口がまとめられており、2018年版によると、2016年に日本へ流入した人口は42万7600人。これが、ドイツ、アメリカ、イギリスに次ぐ4位にあたる数字となっているのだ。

(『データでよみとく 外国人”依存”ニッポン』から引用)

 

ここでいう外国人は観光客など90日以内の短期滞在者を除いたもので、在留資格を持った長期滞在者の数なのだ。

 

20年前と比べると100万人以上も日本に住む外国人が増えていて、今後ますます増加していくだろう。全国の8割の自治体で外国人の数が増えているが、トップは沖縄県でなんと67%の増加率、次いで、熊本県52%、北海道50%、鹿児島県と島根県が46%、宮城県が45%と続く。ちなみに東京の増加率は35%なので、地方での増加が目立つ結果となっている。

 

 

農業、漁業はすでに外国人に依存している

本書のデータによると、産業別で外国人の依存率が高いのは農業、漁業だ。

 

まずは農業から。従事者の高齢化と担い手の減少が止まらず、頼みは海を渡ってきた外国人の若者という農家が増えているそうだ。県別では茨城県が依存率のトップで、すでに3人に1人は外国からの技能実習生という割合になっている。茨城県は「首都圏の台所」と呼ばれる農業大国だ。

 

取材した農家の男性は「外国人がいなければ、東京から野菜が消える」とまで言うほどである。

(『データでよみとく 外国人”依存”ニッポン』から引用)

 

漁業でも日本人の従事者の高齢化が進み、外国人の若者に頼らざるを得ない状況だそうだ。

 

国勢調査のデータを元に20~30代の漁業従事者の外国人”依存度”(=外国人の割合)を分析した。その結果、広島県ではなんと2人に1人を外国人が占めていることがわかった。他にも高知県では3人に1人、宮崎県では4人に1人となっている。

(『データでよみとく 外国人”依存”ニッポン』から引用)

 

広島のカキも、高知のカツオも、外国人がいなければ私たちの食卓まで届かなくなるというわけだ。

 

 

外国籍の子どもの急増とその教育について

日本に住む外国人労働者が増えれば、家族を呼び寄せる人が増え、子どもの数もどんどん増えていくのは当然のことだ。

 

私は個人的に彼らの教育のことがとても気になる。というのも、私たち家族は20年間という長い期間、外国人としてフランスに暮らしていたからだ。幼かった娘は言葉の壁に苦しみ、子ども時代は泣いてばかりいた。それでも、現地の学校の教師や友人のフランス人たちに助けられて成長し、彼の地で成人することができた。しかし、日本人でありながら日本語力がないので、親は帰国したが娘はあちらに留まり、きっとこのあともフランス、あるいは欧州のどこかで生きていくだろう。

 

さて、話をこの本に戻すと、外国人の子どもが日本語を理解できず就学しても授業についていけないという現状が各地で起こっているそうだが、言語の壁は大人が考える以上に高いので、そのサポートは容易ではないだろう。本書には、外国人向けの無認可保育園に10歳の子どもがとどまっている例も紹介されていて驚いてしまう。それは外国人が義務教育の対象にはならないからだ。

 

文部科学省は、国際的な子どもの権利に関する規約や条約を踏まえて、外国籍の子どもたちについては就学を「希望する場合」には日本人と同様に受け入れるよう通知しているが、その最終的な判断は自治体にゆだねられ、実際には対応に温度差がある。

(『データでよみとく 外国人”依存”ニッポン』から引用)

 

現在、6歳から14歳までの外国人の子どもの8400人超えが不就学になっているそうだ。この現状を踏まえ、2019年の通常国会で「日本語教育推進法」が成立した。この法律では、その実施は「国と地方公共団体の責務」と明記されている。

 

越前市の学習支援教室で教えるボランティアの先生たちが、口をそろえて次のように話していた。

「国籍に関係なく、どんな子どもでも夢を持ち、実現していける社会であって欲しい」

(『データでよみとく 外国人”依存”ニッポン』から引用)

 

私もまったく同感だ。

 

 

日本も移民国家へ?

どうやら私たちの意識よりも先に、現実はどんどん進み、日本はすでに移民国家へと向かっているのかもしれない。最後に本書の構成を記しておこう。

 

第1章 「労働者」として考える外国人”依存”

第2章 「社会の一員」として考える外国人”依存”

第3章 「人生」「家族」として考える外国人”依存”

第4章 「移民国家」の事例から考える外国人”依存”

 

外国人材の受け入れに賛否両論がある今だからこそ、本書のさまざなまデータは知っておくべきだろう。

 

【書籍紹介】

データでよみとく 外国人”依存”ニッポン

著者:NHK取材班
発行:光文社

改正出入国管理法が2019年4月から施行され、外国人の受け入れ拡大が進む日本。だが、現実は私たちの想像をはるかに上回る。もはや企業も自治体も、そして日本社会全体も外国人なしでは成り立たないという声が各地で上がっているのだ。職場の戦力として、地域の一員として、言葉の壁やいじめ、孤独や老いに悩む一人の人間としてこの国で生きる彼ら彼女らの、等身大の姿を見つめ直さなければならない。NHKの特設サイト「外国人“依存”ニッポン」取材班がオープンデータを独自に分析し、日本社会で進む外国人への“依存”の実態を明らかにする。

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