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2020/1/7 21:30

おみくじは吉凶ではなく”和歌”の解釈こそが重要だった!――『成功する人は、おみくじのウラを読んでいる!』

初詣は、我が家から近い、全国にある八坂神社のひとつに行ってきた。お参りをし、おみくじを引いたら「小吉」だった。凶ではなかったので安心したが、大吉だったらもっとよかったのになぁ……と思いつつも、このおみくじは大事に持ち帰った。

 

というのも、かつて明治神宮をお参りしたときに引いたおみくじに「今日の参拝の記念に大切に保存しましょう」とあったので、おみくじは持ち帰るものと思っているのだ。ちなみに明治神宮のおみくじには吉凶はなく、「大御心」として和歌が記されているだけだ。

 

ということで、今日は誰もが一喜一憂してしまうおみくじの正しい読み方を教えてくれる一冊を紹介しよう。『成功する人は、おみくじのウラを読んでいる!』(渋谷申博・著、三橋健・監修/かんき出版・刊)によると、読むべきは吉凶ではなく、和歌なのだという。

 

くじ(籤)は神様の意思をうかがう方法

本書によると、日本人は太古の昔から神様の意図を正しく受け取るために様々な方法を試してきたそうだ。たとえば巫女が神の言葉を聞いて人々に伝える方法もあったが、これは特殊な能力をもった巫女がいなければできない。そして試行錯誤の末に行き着いたもののひとつが「くじ」だったのだ。

 

くじなら特殊な能力は必要ありませんし、人が神が直接関わることがないので祟りにあうこともありません。それでいて信頼性は高い。ここから、くじには尊敬を表わす接続語が二重につけられ「お・み・くじ」(御御籤、あるいは御神籤)と呼ばれるようになったのです。

(『成功する人は、おみくじのウラを読んでいる!』から引用)

 

当初のくじは適任者を選ぶなどの目的で行われていたが、これでは複雑な内容を尋ねることはできない。そこで和歌が使われることになった。現代では和歌は文学のひとつとして受け止められているが、かつては神と人が意思を伝え合うものと考えられていたのだそうだ。

 

 

吉凶に一喜一憂してはいけない

大半の人がおみくじを開いて最初に見るのが、大吉、吉、小吉、凶、大凶かで、それから運勢全般や金運、恋愛運、商売運、学問運などを読む。が、書かれている和歌をじっくり詠み、その意味を考えてみる人は意外と少ないのではないだろうか? かくいう私も書かれている和歌についてじっくり考えてみることはしなかった。和歌は、「お告げ文」だというのに。

 

「おみくじ」は、自分の状況や何を願って引いたかをよく考えた上で、お告げ文を正しく読み解く必要があります。吉凶や願意(何を占いたいのか)別の運勢などは、そのための参考意見にしかすぎません。そのお告げ文を使って神様はあなたに何を伝えようとされているのか、あなた自身が読み取らなければならないのです。

(『成功する人は、おみくじのウラを読んでいる!』から引用)

 

運勢は一人一人異なるもの。この本の解説でも、たとえば「雨が降る」とおみくじにあったとする、これは遠足に行く子どもには凶だが、日照りに困っていた農家には吉となる。このように受け取る側の立場で吉凶は変わるので、そこに一喜一憂することはないそうだ。

 

また、おみくじは神社の結び処に結んできてしまう人が多いかもしれないが、神様からの授かりものなので、時折読み返すなどして大切に保管するのが基本とのこと。

 

 

和歌は何度も読み返すと、その意味が分かってくる

さて、本書には、おみくじによくある和歌があげられ、その解釈の仕方をわかりやすく解説している。4首だけだが、紹介しておこう。

 

春過ぎて夏来たるらし白妙の 衣乾したり天の香具山  持統天皇(『万葉集』)

*あなたのこれまでの努力が実を結び、豊かにに育っていく段階といえる。が、しかし、「夏来たるらし」の部分が要注意で、気づいたら夏だったというように、なりゆきにまかせて注意力が低下していることを示唆している可能性がある。このおみくじを引いた人に、順調なときこそ気を引き締めよと神様は言っているのだそう。

 

人ごとの善きも悪しきも心して 聞けばわが身の為とこそなれ  昭憲皇太后(明治天皇皇后)(『 昭憲皇太后御集』)

*成功する人は、すべてを自分を育てる反省材料とするもの。つまりこのおみくじのお告げ文は、悪いこともあなたにとっては有利に働くことに、やがては満足する結果に至るのだから、安心して今の方針のまま進んでいけということ。

 

家富みてあかぬことなき身なりとも 人のつとめに怠るなゆめ 明治天皇(『明治天皇御製集』)

*成功しても、人として行うべきことをけっして怠ってはいけない。仕事でも生活でも公正を保ち、人に親切であること、人助けの努力を惜しまないことが大切だと、このおみくじを引き当てた人に説いている。

 

よき人のよしとよく見てよしと言ひし 吉野よく見よよき人よく見つ  天武天皇(『万葉集』)

*言葉遊びのようなお告げ文だが、実は考え抜かれた歌になっている。日本には古くから言霊の信仰があり、口から発せられた言葉は現実を変える力があると信じられていた。現代でもそれは言えることで、嫌な人もいい点を誉め続けると、少しずつ良い人間に変わっていくので、実践を、と説いている。

 

 

願いが叶ったらお礼参りも忘れずに

さて、あなたが年始に引いたおみくじには、どんな和歌が書かれていただろうか? もしも読まずに神社に結んできてしまったという方は、今一度、神社を参拝してはどうだろう。お参りの際には心の中で運勢を占いに来たことを告げ、願意も明確に伝えるのがいいそうだ。そうして、いよいよ授与所でおみくじを引く。迷わず、直感でスパッと引くことも大切。そして、開いたら吉凶は気にせず、和歌を二度三度と読み返して、そのお告げをしっかりと読み解きたいものだ。

 

 

【書籍紹介】

成功する人は、おみくじのウラを読んでいる!

著者: 渋谷申博(著) 三橋 健(監)
発行:かんき出版

大吉、小吉、凶などに一喜一憂してはいけません!読むべき所は「そこ」ではありません。おみくじに隠された古来からの知恵と言霊。神様からのメッセージを上手に受け取る方法を教えます。

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