本・書籍
2020/2/26 21:45

「ごらんなさい」「わー! びっくり」勘違いで名前を付けられたかわいそうな動物は?

名前というのは、何かしら意味があるものです。たとえば「虎」。これは朝鮮語で「斑の毛」を意味する「ホーラ」から転じたものと言われています。

 

まったく意味のない名前というのは、この世にほとんど存在しないのではないでしょうか。たいていは容姿だったり特徴だったり、発見した人の名前が使われていたりと、その名前には意味があるものです。

 

しかし、なかには勘違いで名づけられてしまった動物もいるようで……。

「インドリ」は「ごらんなさい」という意味

なぜか生きのこったへんな動物 おもしろ動物世界地図』(今泉忠明・著/幻冬舎・刊)は、地球上に生息するへんな動物を集めた、子ども向けの書籍です。なかなかためになるお話しが多いのですが、そのなかに勘違いで名前を付けられてしまった動物が2種類登場します。

 

まず1種類目が「インドリ」。世界最大級のキツネザルで、マダガスカル島に生息しています。身体の大きさからか、現地では祖先の生まれ変わりだとあがめられてきた、由緒正しき動物です。

 

この「インドリ」という名前。現地の言葉で「ごらんなさい」という意味です。なんでこんな名前が付いたのでしょうか? 時は1768年、マダガスカルで自然調査をしていたときまで遡ります。

 

現地のガイドが、しっぽのない白黒の大きなキツネザルを見つけて、「エンドリナ」とさけびました。ソヌラは、それを「インドリ」とメモしました。

じつは「エンドリナ」は、現地の言葉で「ごらんなさい」という意味。

(『なぜか生きのこったへんな動物 おもしろ動物世界地図』より引用)

 

ソヌラとは、博物学者のピエール・ソヌラのこと。彼が、現地のガイドが言った「ほら、見て見て!」という言葉を、動物の名前を叫んでいると勘違いしてそのまま名前にしてしまったというわけです。インドリ、ちょっとかわいそう……。

 

 

森の悪魔「アイアイ」は「わー!びっくり!」

もう1種類、同じように勘違いで名前を付けられてしまったのが「アイアイ」。歌にもなっているので、知っている方も多いでしょう。このアイアイも、マダガスカル島で発見されました。そして、発見したのはまたしてもソヌラ。この時点で勘違いの匂いがプンプンしますが…。インドリ発見から10年後、博物学者のビュフォン伯爵の依頼で再度マダガスカル島で調査をしていたときのお話しです。

 

ソヌラは森で黒いかわった動物を2頭つかまえて、村に持ち帰りました。村人たちはそれを見て「アーエーアーエー」と言い出したのです。ソヌラは「名前はアイアイ」としるし、伯爵に報告しました。

このアーエーは「わー!」というおどろきの声だとわかりました。アイアイは森の悪魔とされ、おそれられていたのです。

(『なぜか生きのこったへんな動物 おもしろ動物世界地図』より引用)

 

アイアイを見て現地の人たちがビックリして「わー!すげー!」って言っているのをそのまま名前にしたんですね…。ソヌラは動物を見つけるセンスはあっても、ネーミングセンスがないのかな。いや、現地語をあまり理解していなかっただけかもしれませんが。

 

 

勘違いは多くてもソヌラは優秀な動物学者

でも、ソヌラはマダガスカル島で2種類の新種を発見しているので、動物学者としてはかなり優秀だったのでしょう。アイアイに関してはこんな逸話もあります。

 

はやとちりのソヌラですが、動物学のセンスはばつぐんで、アイアイをかい、サルににているという記録をのこしました。アイアイがサルのなかまだとわかったのは80年以上たってからですが、当時のソヌラの記録が正しかったのです。

(『なぜか生きのこったへんな動物 おもしろ動物世界地図』より引用)

 

ソヌラはあわてんぼうの動物学者だったのでしょう。マンガに出てきそうなキャラクターだったのかもしれませんね。

 

それにしても、インドリもアイアイも自分たちがそんな風に名づけられているとは、思ってもいないでしょう。でも、ソヌラのおかげで地球の歴史上にその名が刻まれたのですから、結果オーライではないでしょうか。

 

【書籍紹介】

なぜか生きのこったへんな動物 おもしろ動物世界地図

著者:今泉忠明
発行:幻冬舎

生きのこるために「ヘン」になった動物たち! 世界の変化にあわせていきる場所を変えていったヘンな動物に出会える、動物だけの世界地図。

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