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2021/2/9 6:30

日本初のカモノハシ専門書で正しい捕まえ方を学んでみる

哺乳類なのに卵を産む、非常に珍しい生きものカモノハシ。あまり動物に興味がない人でも、その姿や特徴は知っているのではないだろうか。

 

奇妙な哺乳類、カモノハシ

カモノハシは、哺乳綱単孔目カモノハシ科カモノハシ属に分類される哺乳類。半水棲で、水中に住む昆虫などを主食としている。卵生哺乳類にはハリモグラやミユビハリモグラがいるが、こちらは同じ単孔目でもハリモグラ科に属しているので、種類が異なる。ちなみにハリモグラは陸上で生活している。

 

カモノハシは、まず見た目が奇妙だ。くちばしを持ち、横に広い尾がある。オスは後ろ足の蹴爪に毒がある。身体は密集した体毛で覆われており、前足には水かきがある。その奇妙な姿のため、発見された当時には作り物だと思われたという逸話があるそうだが、確かにこんな生きものを見せられたら、にわかには信じられないだろう。

 

カモノハシは「第六感」で餌を獲っている

いろいろ奇妙なカモノハシだが、実は視力も聴覚も嗅覚もあまり発達していない。野性の動物は、餌を狩るために五感のうち何かしらは発達しているといったイメージがある。犬は嗅覚が優れているし、フクロウなどは聴覚が敏感だ。

 

しかしカモノハシは五感があまり発達していない。その上、水中では目も耳も鼻も閉じて泳いでいるというのだから、餌探しの役にはほとんど立っていない。そのような状態で水中に潜り餌を捕獲して生きているというのだから、いったいどうやっているのか不思議だ。

 

カモノハシの博物誌~ふしぎな哺乳類の進化と発見の物語 生物ミステリー』(浅原正和・著/技術評論社・刊)によれば、カモノハシの特徴のひとつである大きなくちばしに秘密があるようだ。

 

カモノハシのくちばしには2つの感覚器官がある。ひとつが機械刺激を感じるメカノレセプター(機械受容器)。これは機械的な刺激を感じる器官で、水中では水流や水圧を感知している。もうひとつが電気を感じるエレクトロレセプター(電気受容器)。こちらは獲物が発する微弱電流を感じる器官だ。

 

カモノハシは、くちばしにあるエレクトロレセプターがかなり敏感になっており、これにより水中の生きものを感知して餌を獲っているというのだ。だから目も耳も鼻もそれほど必要ではない。

 

わたしたちは感覚を5つに分け、「五感」とよんだりしますが、この電気感覚は、さしずめ「第六感」といえるものです。

『カモノハシの博物誌~ふしぎな哺乳類の進化と発見の物語 生物ミステリー』より引用)

 

カモノハシは第六感で餌を獲っているということだ。

 

ちなみに、カモノハシのくちばしは柔らかく、骨が通っている。どちらかというと犬などの鼻の黒い部分が大きく広がっているといった感じのようだ。実際に触ってみたいものだ。

 

カモノハシの正しい持ち方

もし、カモノハシを捕まえなければいけないことがあったとしよう。そのとき、カモノハシをどのように持てばいいのだろうか。正解は「尾」だ。

 

尾を持つと、後ろ足のけづめで人間を刺そうとしても、足が届かないとのことです。

『カモノハシの博物誌~ふしぎな哺乳類の進化と発見の物語 生物ミステリー』より引用)

 

カモノハシの尾は骨があるので、尾を持っても問題ないとのこと。ひとつ知恵が増えた。ただし、カモノハシはオーストラリアにしか生息していないので、日本にいる限りこの知識は役立ちそうにない。

 

「そういえば、カモノハシって生で見たことがないな」と思い、日本の動物園で見られるところはないか探したが、実は日本にはいない。カモノハシは長時間の移動に耐えられないようで、オーストラリアの動物園にしかいないのだ。うーん残念……。

 

カモノハシが見たければオーストラリアに行け!

本書を読んでから、カモノハシへの興味がかなり湧いてきた。いつになるかわからないが、オーストラリアに行ってカモノハシを見てみたい。動物園によってはカモノハシに触れることができるアトラクションがあるようだが、予約で半年先まで埋まっているのだとか。もしカモノハシ目当てでオーストラリアに行く場合は、かなり前もって予定を立てておいたほうがよさそうだ。

 

 

【書籍紹介】

カモノハシの博物誌~ふしぎな哺乳類の進化と発見の物語

著者:浅原正和
発行:技術評論社

カモのようなくちばしがあり、卵を産む。この不思議な哺乳類の生態から進化、人間との関係まで解説する日本初のカモノハシ専門書。

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