本・書籍
2022/12/16 21:30

流行語で終わらせないぞっ! 紅茶の歴史と作法を知ってもっと「ヌン活」を楽しもう

2022年の流行語にもノミネートされていた「ヌン活」。アフタヌーンティー活動を略した言葉で、日常で贅沢気分を味わえる、スイーツが美味しい、映えると若い女性に人気になっています。でも、ちょっと待った〜! せっかくなら紅茶についての知識や歴史を知ったうえで、楽しみませんか?

 

今回は、紅茶について全く知らなくても、読み始めたら止まらなくなってしまう一冊『仕事と人生に効く教養としての紅茶』(藤枝理子・著/PHP研究所・刊)をご紹介します。

ヌン活は女性のものだけじゃない?

「ヌン活」で検索してみると、女性のキラキラした写真がたくさん出てくるので、女性だけが楽しむものと考えている人も多いかもしれません。本場イギリスでは、ビジネスマンもヌン活しているそう。そもそもアフタヌーンティーとはどんな文化なのでしょうか?

 

アフタヌーンティーは、まさに五感で楽しむ「生活芸術」です。

単に美味しい紅茶とお菓子を味わうグルメではなく、建築様式やインテリア、陶磁器や銀器、カトラリーやリネン、絵画、庭園、音楽などをトータルで味わう「暮らしの中に息づくアート」なのです。

日本では特に女性が親しむイメージがありますが、イギリスではビジネスマンも「午後の紅茶」をスマートに嗜みます。

(『仕事と人生に効く教養としての紅茶』より引用)

 

「ヌン活」という言葉だけ見て、自分には関係ない〜とスルーしてしまうのは勿体ない! ただのブームで終わらせず、これをきっかけに本来の文化が広がっていくといいですよね。

 

千利休の「茶の湯」も、いわばヌン活ですよね! あの松下幸之助も「昭和の大茶人」としても知られていたので、「令和のヌン活達人」として後世に語り継がれる経営者がこれから出てくるかもしれません。

 

紅茶・緑茶・烏龍茶は全て同じ茶葉!

これを読んでいる人の中には「緑茶は飲むけど、紅茶は苦手〜」なんて人もいるかもしれません。しかし、みなさんが想像している「お茶」はすべて同じ葉っぱからできているんです!

 

現在、世界中で飲まれている茶は、チャの木「カメリア・シネンシス」の生葉を原料とした総称で、紅茶・緑茶・烏龍茶の3種類に大別できます。

これは製茶法による分類で、まずは「生葉を発酵させるか、させないか」そして「発酵させる場合、どの程度の発酵度なのか」という加工の違いによるものです。

(『仕事と人生に効く教養としての紅茶』より引用)

 

つまり、茶葉は一緒で、加工方法によって呼び名が変わっているだけ。

 

日本人がよく飲んでいる緑茶は「不発酵茶」といって、発酵させていないお茶。烏龍茶は「半発酵茶」で、少し発酵させたお茶。ヌン活で嗜まれている紅茶は「発酵茶」で、しっかり発酵させたお茶と分けられます。

 

そう思うとなんだか「お茶」自体がとっても身近に感じられませんか? 『仕事と人生に効く教養としての紅茶』には、お茶の歴史や知識がたくさん掲載されています。3cmほどの分厚さがあるので、最初は敷居が高く感じるかもしれませんが、入門から上級者まで楽しめる一冊になっています。私自身も読み始めたらあまりの面白さに読む手が止まりませんでした。「紅茶なんて私には縁遠いから」と思っている人にこそ読んでもらいたいです。きっと本を読みながら、紅茶が飲みたくなるはずです!

 

知っておきたい「スマートな紅茶の飲み方」

最後に『仕事と人生に効く教養としての紅茶』に掲載されている「スマートな紅茶の飲み方」を紹介します。

 

POINT1 ハイテーブルの場合は、右手でカップを持ち上げる。

POINT2 ローテーブルの場合は、ソーサーごと胸の高さまで持ち上げ、左手でソーサー、右手でカップを持つ。

POINT3 ミルクや砂糖を入れる際は、スプーンを軽く浮かせた状態で、手前から奥へとNの文字を往復しながら描くようなイメージで静かに混ぜる。

(『仕事と人生に効く教養としての紅茶』より引用)

 

イギリスでは、「紅茶を飲む姿には、品位と教養が表れる」と言われているとのこと。ぜひこれからヌン活してみようと思っている方は、『仕事と人生に効く教養としての紅茶』を読んでから楽しんでみてください。

 

『仕事と人生に効く教養としての紅茶』には、お茶の歴史や銘柄の違い、フランスやモロッコ、トルコなどのお茶文化から美味しいお茶の飲み方まで、この一冊で十分くらいの情報が掲載されています。紅茶の歴史と知識を知って、ヌン活を楽しんじゃいましょう!

 

【書籍情報】

仕事と人生に効く教養としての紅茶

著者:藤枝 理子
発行:PHP研究所

紅茶ブーム到来! 元ソニーの紅茶研究家が「ビジネス視点で役立つ」お茶の歴史や文化、種類、作法などを余すことなく伝える。

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