仕事をしていると避けられない“ミス”。小さいうっかりミスならまだしも、他部署や取引先を巻きこむ大きなミスをしてしまった時ほど、その対応の仕方で人となりが分かるというもの。失敗してしまった時こそ焦らずに、ミスを挽回する対処法を『話し方のマナーとコツ』(杉山美奈子・監修/伊藤美樹・絵/学研プラス・刊)から見ていきましょう。
ミスに気づいた場合
「やってしまった……」
ミスをしたことに気がついているのは現時点で自分自身一人だけ。そんな時、あなたはどうしますか?
ミスに気づいた時は初動が肝心です。
相手に指摘される前に「こういう失敗をしてしまいました。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。」と真っ先に謝罪することが重要。そして、現状どんなことが起きていてどういった状況なのかも報告するようにします。このほうが謝罪や報告を受けた相手の心証が良く、その後の対応や対策も早く考えることができるからです。
反対に、避けたいのは「気づかれるまでミスしたことを黙っている」「ミスの対処法を自分一人で考えてから上司や同僚に報告する」などミスした状況を一人で抱えて放置してしまうことです。小さなミスでも必ず謝罪・報告することを日常的に癖づけておくと良いかもしれません。
相手からミスを指摘された場合
例えば、相手が「依頼したものとデザインが全く違う」と怒った様子で電話をしてきた場合。真っ先に謝罪することはもちろん「すぐ修正します」「確認します」など対応策を示すことが大事です。自分で対応策を提案する、または上司の指示を仰ぐにしても迅速な対応が鍵。
また、相手が怒鳴る勢いでクレームをつけてきたからといって売り言葉に買い言葉で感情的になってはいけません。言い訳や自分の考え方も、相手に求められた時に初めて話すようにしましょう。
そして、クレームをつける側も言いたくて言っているわけではなく「嫌だなぁ」と思いながら伝えている人が多いのも事実です。こうした場合には「ご指摘いただき、ありがとうございました」という言葉を最後に添えるようにすると、クレームをつけた相手にも好印象です。
自分のミスではない場合
チームや組織で仕事をしていると、仲間のミスで自分がお叱りを受けたりすることも多々あります。その場合に使える言葉が「至りませんで」です。謝罪の言葉に付け加え「こちらが至りませんで。申し訳ございません」といった使い方や、クレームが止まらない相手に相槌のようにも「至りませんで」は使えます。
ミスはしないに越したことはありませんが、もししてしまった場合には迅速かつ丁寧な対応をして信用を回復させたいものです。
(文:凧家キクエ)
【参考文献】
話し方のマナーとコツ
著者:杉山美奈子(監修) 伊藤美樹(絵)
出版社:学研プラス
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