『就活をひとつひとつ』シリーズは、累計980万部突破のロングセラー参考書「ひとつひとつわかりやすく。」シリーズの「就活版」。自己分析、面接、インターンシップ、SPI対策まで、シリーズ全7冊を展開しています。
今回は『SPI3 構造的把握力検査をひとつひとつわかりやすく。』より、「計算の構造(損益算)」の問題と解説を紹介。この問題、あなたは解けますか?
【構造的把握力検査とは?】
リクルート・マネジメント・ソリューションズ社が全国各地のテストセンターにおいて、10年ほど前から実施しているコンピュータテスト。ものごとの背後にある共通性や関係性を、 構造的に把握する力を測定する。
この能力は、情報を俯瞰(ふかん) 的に捉えて自分なりに分類・整理したり、未知の問題を過去の経験と関係づけて理解した上で、すでに獲得している知識を応用して対応策を考えたりするのに必要な力ということができる。
問題
次のア〜エの中から、問題の構造が似ているものを2 つ選び、下の選択肢A〜Fで答えなさい。ただし、消費税は考えないものとする。
ア あるリサイクルショップでは仕入れた中古の食器棚を修理し、仕入れ値の8 割の利益を見込んで9000 円という売り値をつけた。この食器棚の仕入れ値はいくらか。
イ 定価が8800 円のスニーカーを2 割5 分引きで売ったところ、2100円の利益が上がった。このスニーカーの仕入れ値はいくらか。
ウ 家電販売店で、空気清浄機をメーカー希望小売価格より3600 円安く買うことができ、その値段はメーカー希望小売価格の8 割に相当する。メーカー希望小売価格はいくらか。
エ ある洋菓子店のシュークリーム1 個の原価は240 円で、その75%の利益を見込んで定価をつけている。1 個売ったときの利益はいくらか。
【選択肢】
A:アとイ B:アとウ C:アとエ D:イとウ E:イとエ F:ウとエ
【用語の確認】
仕入れ値(原価)・定価・利益(粗あら利益)…定価から仕入れ値をひいたものが利益で、正確にはこれを粗利益という。実際には、他の経費もかかる。
値引き・売り値…定価に(1−値引き率)をかけたものが売り値。値引きがある場合の利益計算は、定価のかわりに値引き後の売り値を用いる。
解答:B
アとイは仕入れ値を求める計算、エは利益を求める計算、また、ウは「メーカー希望小売価格」などという算数・数学の問題にはあまり登場しないものを求める計算になっています。「だからアとイが同じだ」と考えた人は、構造的把握力検査という特殊な試験について、理解ができていないといえます。
目の前にある課題を表面的にしか捉えられないと、課題の克服、問題解決に力を発揮できない人と見なされてしまいます。
ア (仕入れ値)×(1+0.8)=9000
という関係になるので、仕入れ値はわり算で求められます。
イ (利益)=(売り値)−(仕入れ値)だから( 仕入れ値)=(売り値)−(利益)
となります。売り値は、8800×(1−0.25)で計算されます。
ウ 「メーカー希望小売価格」というのは、家電量販店などで目にすることがありますが、ここではそこからの値引きがあるので、定価と同じようなものと考えればよいでしょう。与えられた条件は
(メーカー希望小売価格)×(1−0.8)=3600
というものですから、メーカー希望小売価格はわり算で求められます。
エ 原価の75% にあたる利益を求めるということなので、原価の0.75 倍を計算する単純なかけ算になります。
以上から、割合でわる計算になるアとウが同じ構造です。
【書籍紹介】
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