ビジネス
2018/12/11 18:30

安定か起業か? 「独立」して成功するための3つの条件

会社にこれだけ儲けさせているんだから、独立すればもっと儲かるかもしれない――。

 

そう考えて、起業をする人がたくさんいます。そこで、計画通りに売り上げを立てて豊かな生活を送れるようになればよいですが、現実はそんなに甘くありません。データによって異なりますが、30~40%の会社が起業してから1年以内に倒産していると言われています。

 

安定を取るか、起業を取るか? そこで、自身も会社経営者の税理士の木下勇人先生に、起業を密かに考える方へのアドバイスを伺いました。

↑税理士法人レディング 公認会計士・税理士、木下勇人さん。相続の税務や法律が専門で、資産にまつわることも精通している

 

サラリーマン時代には気付かない、起業した後の意外な支出

起業家精神に乏しいと言われる日本人ですが、それでもなお毎年数万社が設立され、同時に数万社が倒産しています。つまり、起業においては失敗に至る場合のほうが多いとも言えますが、この要因は商売の基本を知らないところにあるようです。

 

――1年以内に半分くらいが倒産。さらに5年以内になると、さらにその半分も残っておらず、10年以内となると、わずか数パーセントのみというデータがあります。この原因は何でしょうか?

 

木下勇人先生(以下: 木下) 商売は「安く買って高く売る」というのが当たり前の話なのですが、このビジネスの常識を見誤っている場合が圧倒的に多いのではないかと思います。

 

また、何かを作って売るのであっても、消費者の立場になって自社の商品を見つめて、「私ならまず買わない」というお粗末な商品を作って売ろうとする会社があまりに多い。つまり、何も考えずに、楽観的に「たぶん売れるだろう」と思って始める人が大半を占めていて、その結果、倒産しているのではないかと思います。売れないのは当たり前ですね。

 

かくいう私も創業当初は経営的に大変な目に遭いましたので、他人のことはあまり言えないのですが、私の意見は実体験と常識にもとづいています。

 

本来、私たち税理士のようなサービス業は、仕入れがないうえ、設備投資も要りません。ある意味ラクなはずなのに、みるみるお金が減っていきました。ランニングコストもお金がかかれば、ホームページを作るにもお金がかかる。当たり前ですけど、何をやってもお金がかかるわけです。

 

それ以上の売上があれば別ですけど、そうでない場合はお金がどんどん出ていくだけ。その点、会社に勤めている方の場合、パソコンやコピー機といった設備は会社にありますし、仕事上の移動には交通費も支給されます。

 

このような費用を全部、自分の会社で支払うとなると、お金は消えていきますよね。起業を志す方は確実な売り上げに対して運営費といった支出をいくらにするのかをきちんと決めないと、すぐ破綻すると思います

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