売る相手がいないとビジネスは成立しない
ここまでのお話を踏まえて、すべてクリアした人は起業に向いているということになるそうですが、木下先生によればその年齢も大切だと言います。
――最も起業に向いている年齢は何歳でしょうか?
木下 比較的頭が柔軟な20代が一番よいでしょう。ただ、学校を出て勤めたことがないのに起業というのはオススメしません。世の中には「目に見えないルール」もあるうえ、学生時代の人脈だけでは狭いですから。
20代ではどこかに就職して、商売や社会のルールを学び、独立する日を決めて、それに向かって計画的に準備するというのがよいと思います。会社から給料をもらいながら社会勉強をさせてもらうことほどイイものはありません。
――逆に、起業に向いていない年齢はありますか?
木下 これは年齢で区切れないですけど、営業力と人脈があれば何歳でも大丈夫だと思います。それでも、会社に勤めていたとき、社内の経理しかやったことがない人でしたら、何歳であっても起業して成功するのは難しいでしょう。管理系の仕事しかしてこなかった方には営業力や人脈が十分にあるとは考えにくいからです。社外のルールも感じにくいと思うので、ハードルは上がると思います。
つまり、ある会社で社員として働いているときに「いい武器を持っている」と自負していてもダメだということ。起業するには、売るモノがあり、売る相手がいないといけません。悲しいですが、これが現実。だから、営業力と人脈が必要なんです。
安定を捨てて、一人でやっていくことは簡単ではありません。しかし、独立された方が「自分は起業して成功するための条件を満たしている」と自信を持てば、心の持ちようも変わり、運も上がるかもしれません。働き方が劇的に変わりつつある現代の日本。独立することで安定するという生き方も考えてみてはいかがでしょうか?