【02】
区分ワンルームマンション投資
こちらはマンションの一部屋を購入して賃貸に出すタイプの投資です。東京都内の中古物件だと2000~2500万円くらいが中心価格帯となります。
頼んでもいないのに、営業マンから会社にしつこく電話がかかってきて、マンション投資の話をされて困った…という経験をした方は多いと思います。それは大体このタイプの投資に多いのが実情です。なお、最近はSNSなどの普及もあり、悪い評判がすぐに拡散する可能性があるので、投資用区分ワンルームマンションの不動産販売会社のほうでも、営業スタイルを電話営業からセミナー営業などに変更しているところが増えています。
こちらのワンルームマンション投資用融資は、一棟アパート・マンション向けの融資と比べると、そこまで引き締めが強まっていないため、おおよそ年収500万円以上で一定の信用力のある企業などにお勤めの方は、物件価格に対してフルに近い額の融資を受けられる可能性があります。
ただし、融資を多く借りて購入すると、このタイプの投資では、当面、手残り収入がほとんど出ない場合が多いです。中には、月に1万円程度の手出しが発生するケースもあります。この投資タイプの目的は、目先の副収入ではなく、あくまで15年後、20年後を見据えた将来の備えということになります。
融資の繰上げ返済の実施なども組み込んで、早めに無借金の賃貸マンションを1部屋、更に2部屋と所有する状態に持って行ければ、将来、毎月5万円、10万円といった家賃収入の手取りが残ることになります。
また、融資を借りる際に、団体信用生命保険に加入しますので、万一借入人本人が亡くなったり、高度障害になった際には、融資が保険で完済され、無借金の賃貸不動産を家族に残すことが出来るという「生命保険効果」目的でワンルームマンション投資を行う方も多く存在しています。
【03】
築古戸建投資
これは、郊外の築古戸建を安値で購入して賃貸に出すタイプの投資です。東京在住の方ですと、千葉の九十九里エリア、埼玉の大宮以北、茨城などの郊外エリア等で、数百万円単位の空き家を購入し、賃貸に出すための必要最低限のリフォームを加えて、家賃6万円前後で貸し出すというイメージです。
増え続ける日本の空き家は深刻な問題ですが、特に、地方・郊外には、空き家が数多くあり、例え安い金額でも早く手放してしまいたいという所有者がいますので、それを買い取って再生すれば、空き家問題対策の一助ともなり得ます。
当然、投資としても成り立ちます。仮に、投資額500万円で毎月の家賃が6万円であれば年間72万円。表面利回りとして14.4%となります。土地と建物の評価自体はほとんどない物件も多いため、融資はやや借りにくいですが、銀行に預金していても全くお金が増えない超低金利の時代ですので、戸建て賃貸で運用したほうがリターンは高いと言えるでしょう。
借金せずに、預貯金よりも高い利回りで資金を運用したい方。DIYが好きな方。実家が空き家になっている方などにオススメの投資タイプです。
怪しい不動産業者にダマされないためには
今回は不動産投資の代表的な3つのタイプの概要について解説しました。不動産投資は、投資信託、株式投資、FXなどの金融投資と異なり、不動産という現物が存在している投資です。それゆえ、自分の努力次第でコントロールできる部分が多くあります。例えば、リフォーム工事代を削減するためにDIYをするという手法もあれば、近隣の競合する賃貸物件との差別化を図るための設備を付加したり、ペットが飼える賃貸物件が少ないからペット可の物件にするなど、工夫の仕方はたくさんあります。
もちろん、不動産投資・賃貸経営にはリスクもあります。空室リスク、予期せぬ修繕費用が発生するリスク、自然災害により建物が損害を受けるリスク、物件価格が下落するリスク、融資を借りている場合は金利が上昇するリスクなどです。これらのリスクにはあらかじめリスクヘッジの対策を打てるものもあれば、そうでないものもありますが、想定されるリスクはおおむね出揃っているので、どういったリスクがあるかを知った上で始めることが肝要です。
強引にしつこく契約を迫ってくる不動産業者や、購入申込書にサインするまで帰してくれないとった手法を取る業者もいまだに無いとは言えません。怪しい不動産業者にダマされないために一番重要なことは、「体系的な勉強をする」ことです。不動産投資・賃貸経営の世界では、知識は武器になりますし、知識があれば不動産業者からカモにされるリスクも大きく減少します。また、セカンドオピニオンを聞ける相談者・専門家や不動産投資仲間を持つこともとても重要だと思います。