ソニーは、撮影から映像コンテンツ制作全般までクリエイターをサポートするクラウド制作プラットフォーム「Creators’ Cloud」(クリエイターズ クラウド) を個人向けにも提供を開始した。
本サービスは、ソニーが法人向けに提供してきた「Creators’ Cloud」をベースに、個人向けサービスとして展開するもの。
- カメラで撮影した動画・静止画を簡単にクラウドサービスにアップロードするスマートフォン向けアプリ「Creators’ App」(クリエイターズ アップ)
- カメラメタデータとクラウドAIを活用した動画編集クラウドサービス「Master Cut (Beta)」(マスターカット ベータ)
- 複数のクリエイターが共同で作業ができるクラウドメディアストレージ「Ci Media Cloud」(シーメディア クラウド)
- クリエイター同士が繋がり、作品を発信するコミュニティ機能「Discover」(ディスカバー)
で構成される。
スマートフォン向けアプリ「Creators’ App」
ソニーのカメラで撮影した静止画・動画を、クラウドストレージへ簡単にアップロードするためのスマートフォン向けアプリが「Creators’ App」。iOS用とAndroid用が無償で提供される。このアプリに対応するカメラであれば、カメラのリモート操作も可能で、撮影した画像・映像データをクラウドストレージにアップロードできる。
対応機種は、「α7 IV」と「ZV-1F」。「α7R V」「FX3」「FX30」にも順次対応予定。また、今後発売される多くの機種で利用できるようになる。
なお、ソニーの対象デジタルカメラを所有するユーザーには、通常5GBの無償クラウドストレージが提供されているが、このサービス開始に合わせて25GBに拡大される。
動画編集クラウドサービス「Master Cut (Bata)」
ノンリニア編集ソフトで最終制作を行う前に、カメラのメタデータ (撮影時の基本情報) とクラウドAIを活用し、高速・高精度な撮影データの下地づくりを行うクラウドサービス。まず、ベータ版として無償提供し、ユーザーのフィードバックを取り入れ、進化する予定。
「Master Cut (Bata)」では、撮影時のメタデータを基に画像解析を行い、動画の品質を向上させる。メタデータを活用してカメラの揺れを検出し、短時間で高精度な手ブレ補正処理を行うことが可能。クラウドAIの画像解析が類似するシーンごとに自動でグルーピングを行い、動画を選びやすくなる。
音声については、音源をクラウドAIで高精度に分離し、マイクの風切り音や環境音のノイズなどを個別に取り除くことができる。複数のクリップ間での音声レベルの調整もAIにより一括で行われるなど、AIを活用して、高品質の動画制作が可能となっている。
「Master Cut (Bata)」の対応機種は、「α1」「α7R V」「α7S III」「α7 IV」「α7C」「FX3」「FX30」「ZV-E10」「ZV-1」「ZV-1F」「RX100 VII」「RX0 II」(2023年2月時点)。
クラウドメディアストレージ「Ci Media Cloud」
映像ファイルを共有し、映像制作の共同作業を可能にするクラウドメディアストレージサービス。法人向けに提供され、映画やドラマ制作で活用されている同サービスを個人向けにも提供する。
ソニーアカウントでの登録・ログインすることで利用でき、個人ユーザーのMy Sony IDを使用してのログインも可能になった。
また、「Ci Media Cloud」はスマートフォンやApple TV用のアプリも用意。Adobe Premiere Proのパネル機能にも対応している。
コミュニティ機能「Discover」
撮影・制作した作品を世界中のクリエイターへ向けて発信したり、ほかのクリエイターの作品を閲覧したりできる機能を持つ「Discover」。このサービス上で自分のポートフォリオページを持てば、ほかのクリエイターとの交流に繋がる。この「Discover」は、スマートフォン向けアプリの「Creators’ App」、またはウェブブラウザの「Creators’ Cloud」からアクセスできる。
https://creatorscloud.sony.net/