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【イルミネーション&ライトアップ撮影の実践⑨】ブリッジは水面の反射で光を増幅!

冬は街にイルミネーションやライトアップされた被写体があふれ、カメラを向けたくなる季節。ここでは、それらをキレイに撮るためのカメラ設定や撮影機材などの基本知識から、ツリーやタワー、建物など、被写体ごとの対応法までを紹介。

基本編ではイルミネーションやライトアップの撮り方の基本を紹介したが、ここからは被写体ごとの細かな撮り方や注意点を解説。今回は「ブリッジのライトアップ」。

 

 

【基本編】

1. 特別な機材は必要なし!使用機材はコレだ!
2. カメラ設定は試し撮りで適宜確認!
3. イメージ通りに仕上げるカメラ設定は?
4. 真っ暗?トワイライト?撮影のベストな時間帯
5. 華やかに仕上がる構図は空間の切り取り方で決まる!

【実践編】

1.「ツリー&オブジェ」の前編 ツリー&オブジェは前ボケでふんわり仕上げ
2.「ツリー&オブジェ」の後編 光り輝く華やかさは多重露出機能を使って演出!
3.「光のイベント」の前編 光のカーテンで画面を埋め尽くそう!
4.「光のイベント」の後編 広角レンズで躍動感のある構図を狙おう!
5.「タワーのライトアップ」の前編 遠景のタワーは望遠レンズで大きく引き寄せよう!
6.「タワーのライトアップ」の後編 近景のタワーは広角レンズで全体像を取り入れよう!
7.「建物のライトアップ」の前編 一年中撮れる建物は脇役で個性を出す!
8.「建物のライトアップ」の後編 ノスタルジックな建物と高層ビルのマッチングはどう撮る?

 

水面の反射を取り入れて華やかに仕上げよう

各地にある有名な橋もライトアップ狙いに向く被写体だ。橋は横に長い被写体なので、横位置で撮ると画面の収まりがいい。またほかの被写体と同様に、橋以外の脇役と絡めることで独自性が出る。その際に効果的なのが水面反射だ。橋は海や川など、水の上に架かっているので、水面の反射を取り入れることで画面内の光が増幅し、より華やかに仕上がる。

 

撮影テクニック1

水面を入れるとライトアップが反射して光が増幅する
橋だけを撮るのもいいが、水面の様子にも注目してみよう。そこにはたいてい、上のライトアップされた橋が反射しているもの。それを構図に取り入れると光が倍になり、より華やかな写真になる。また、風がなければきれいな水鏡が生まれ、上下シンメトリーの写真も狙える。

 

深く考えずに橋だけを狙えば、たいていこのような感じだろう。あまり印象に残らない写真だ。これで良しとせず、もう一歩先を目指そう。
 

幸いにも風がなく、水面がきれいに橋を映し込んでいたので、それを一緒に画面に収めた。実際には橋のアーチは半円形だが、上下を合わせて丸い円のように表現できた。

17ミリ相当 絞り優先オート(F11 20秒) -1補正 ISO160 WB:白色蛍光灯

 

撮影テクニック2

横長の被写体なので横位置で切り取るとバランスがいい
橋は横に長いので、横位置が基本の構図だ。しかし、縦位置で撮る場合もある。縦画面に空いた上下の空間のどちらかに、橋以外の脇役を入れるようなケースである。背景の夜景や行き交う船の光跡など、周囲を見渡して最適な脇役が見つかれば、縦位置でも狙ってみよう。

 

橋の基本的な構図はこのような横位置。通常なら海面が暗くなることが多いが、ライトアップの光が映り込んで明るくきれいだ。
 

縦位置なら……

橋をメインに、背景のビルと往来のある船を一緒に取り入れられると考え、縦位置で狙った。無駄な空間はなく、主題の橋も目立つ。

撮影テクニック3

海面は波打つので、長秒露光で海面をフラットに捉える
波がある水面は、露光時間によってさまざまな表情で撮れる。長秒露光なら絹のような滑らかな感じに、手持ち撮影などで短いシャッター速度なら、波の形状がそのまま写りやすい。ライトアップの光が増幅しやすいのは、長秒露光で捉えたフラットな水面だ。水鏡とは違った美しさがある。

 

10秒


1/20秒

両方とも波のある場所。10秒露光ではフラットな水面に写り、ライトアップの光が広い範囲で反射した。肉眼では見られない写真ならではの表現だ。1/20秒では波の凹凸が出て、反射した光も弱い。