プレミアムビールの代表格といえば、サントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」。その傑作が、3月14日にリニューアルしたのをご存知でしょうか。今回は新旧を比べたうえで進化のポイントを明らかにするとともに、その背景などを知るべくビール工場で担当者に話を伺いました。
デザインは高級感が増し、香りにも広がりが加わった!
2003年に誕生した「ザ・プレミアム・モルツ」が大幅な刷新を行ったのは、2012年に次いで2回目。前回は「ダイヤモンド麦芽」を加えることでコクを豊かにする”深化”であったといえますが、今回はいかに。ということで商品の切り替え時期を見計らって、いましかできない飲み比べを試してみました。
まずはパッケージから。配色はほぼそのままですが、社名ロゴが下部に移動。加えて、ブランドロゴは白い縁がなくなって少し大きくなるなど、レイアウトが少し変わりました。ややシンプルになった印象もありますが、高級感もアップしたと思います。
サイドにも若干の変化が。栄養成分は同じですが、中味を訴求するメッセージの位置が上部になり、文も「溢れだす華やかな香りと深いコクをお楽しみください。」へと変更になりました。前モデルの缶には「旨み」のことも書いてあったことを考えると、これはかなり違うといえるでしょう。特徴を、よりコクと香りに特化させたということかもしれません。
そしていざ乾杯! ビールの色はほぼ同じです。味については、特に余韻となる香りに広がりが加わった印象。どちらもフローラルな風味のプレモルらしさはあるものの、新作の方が全体的にリッチで華やかな香りが感じられました。
「飲み飽きない味」が進化におけるミッションだった!
飲み比べにより、よりおいしくなったことを実感。でも、このリニューアルには原料や製法に関してどのような研究や進化のプロセスがあったのでしょうか。そこで筆者は、ビール工場で行われたセミナーとガイドツアーに参加。その詳細を追ってみました。
ベースとなる原料のなかには、ダイヤモンド麦芽に欧州産のファインアロマホップといった、希少で高品質なものが使われています。これはいままでも同様ですが、深層地下天然水とともにプレモルの味わいに欠かせないものです。
また、煮沸工程において麦芽はダブルデコクション製法で旨みと深いコクを創出。ホップはアロマリッチホッピングという手間のかかる製法で、華やかな香りを生み出しています。
これらもかねてから用いられていましたが、マスターズドリームで培った醸造技術を応用することによってさらに改良。そうして完成したのが、新しい「ザ・プレミアム・モルツ」なのです。
なお、今回の商品リニューアルを機に「サントリー武蔵野ビール工場」も、「サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野ブルワリー」に名称が変更されました。施設の一部もリニューアルしたというお披露目を含めてのセミナーだったのですが、講師として登壇した醸造技師長の久保田 寛さんに話を聞きました。進化の背景や、狙いには何があるのでしょうか。
「ザ・プレミアム・モルツの出発点は、世界で最も飲まれているピルスナービールの最高峰を作りたいという想いです。そのうえでより高みを目指すべく、今回具体的な目標としたのは“何度飲んでも飲み飽きない味わい”。これを実現するために、『溢れだす華やかな香り』と『深いコク』を追求し、素材と製法にもいっそう磨きをかけました。特に飲み終わりに口のなかで膨らむ、華やかな香りを感じていただけるはずです。ガイドツアーでは試飲もできますので、ぜひ多くの方にお試しいただきたいですね!」(久保田さん)
そう、ガイドツアーは無料にもかかわらず、専門のスタッフがベストコンディションの一杯を注いでくれる試飲付き。なんともおトクではありませんか! また、4月25日には「ザ・プレミアム・モルツ〈黒〉」と「ザ・プレミアム・モルツ〈3種飲み比べパック〉」が限定発売。4月26日からは全国17都市で、「ザ・プレミアム・モルツ フェスティバル」という体験イベント(一杯200円~)が開催されます。こういった様々な機会で、ぜひ新しくなった「ザ・プレミアム・モルツ」をじっくり味わってみましょう!