食の健康を考えるうえで大切とされるもののひとつがオイル。昨今はココナッツオイルやアボカドオイルなどが注目されたことで市場全体が過熱の傾向にあります。なかでも、年々拡大しているのがオリーブオイルではないでしょうか。とにかく歴史が古く定番なだけに、世界中でつくられていて種類も様々です。毎年日本では国際大会が開催されているとのことで、今年は筆者も同大会に潜入。その様子とともに、受賞作を紹介していきます!
最高レベルの公式テイスターが厳正な審査で世界一を決定!
会場となったのは、表参道のインターナショナルなグリルレストラン「TWO ROOMS グリル&バー」。表彰式というだけあり、見るからに食通そうな方々が集結していました。そして外国人の方もちらほら。さすがは国際大会です。
今年は第5回となり、イタリア、フランス、ニュージーランド、トルコ、スペイン、クロアチア、ギリシャ、アメリカからエントリー。パネルリーダーのピエトロ・パオロ・アルカ氏いわく、「今回は多くの国が気候や害虫の影響で大幅な減産となったにも関わらず、非常にレベルの高いオイルが集まり、審査は困難を極めました。様々な国際コンテストで審査員として活躍する最高レベルの公式テイスターたちが集結したおかげで、厳正な審査となりました」とのこと。
また、世界各国のオリーブオイルコンペティションで日本人唯一の審査員を務める山田美知世氏は、「日本市場に参入を希望する生産者たちの意識が高く、最高レベルのオイルが世界中から集まりました。これは日本市場が成熟した知識の高い国で、日本で優秀することが生産者にとっていかに重要であるかを示しています。このコンテストを通じて、日本の皆さまに真のエキストラ・バージン・オリーブオイルを知っていただく機会につながることが私たちの目標です」と語りました。
デリケートからストロングまで1~3位を紹介!
では、いよいよ代表的な受賞オイルを紹介していきましょう。部門がいくつかあり、味わいでは「デリケート」「ミディアム」「ストロング」に分けられていました。そして順位は「ゴールド・プライズ→1位」「シルバー・プライズ→2位」「ブロンズ・プライズ→3位」という格付けです。まずはデリケート部門から順にご覧ください。
【デリケート部門】
ゴールド(右):ソチエタ・アグリーコラ・フォンテ・ディ・フォイアーノ「リフレッスィ」
果実味が豊かで、アロマティックな余韻が続くイタリア産の一本。
シルバー(中):アズィエンダ・アグリーコラ・マリーナ・パルスキ「オリオマニア」
まさにマニアもうなるフレーバー。
ブロンズ(左):アズィエンダ・アグリーコラ・アグラリア・ヴィオラ「コッレルイタ」
みずみずしく、フレッシュでフルーティな味わいが楽しめます。
【ミディアム部門】
ゴールド(右):マッシモ・モスコーニ・エモツィオーネオリオ「メナージュ・ア・トロワ」
ハーブ、グリーンアーモンド、トマトの香りとスパイシーな後味が魅力。
シルバー(中):アズィエンダ・アグリーコラ・ドナート・コンセルヴァ「ミミ」
ピリっとした辛みを感じながらも、
ブロンズ(左):アズィエンダ・アグリーコラ・イ・セルジェンティ「オ・ディ・オリオ」
繊細で澄みきった味わいにつづく、キレのあるノド越しが特徴。
【ストロング部門】
ゴールド(右):アズィエンダ・アグリーコラ・クアットロオッキ・アメリカ「オリヴァストロ」
草原のような青々しい爽快感があり、
シルバー(中):アズィエンダ・アグリーコラ・レ・トレ・コロンネ「コラティーナ」
イタリア・プーリア州の代表的なオリーブ、
ブロンズ(左):インティーニ「モノクルティヴァル・コラティーナ」
苦みやスパイシーな辛さがあり、パン、赤身肉、
ストロング部門の1位はみずみずしい雄大なアロマが印象的!
表彰式の後はテイスティングを楽しめるということで、筆者も試しに味わってみました。共通していたのはフレッシュで鮮烈な香り! 特にストロング部門でゴールドに輝いた「オリヴァストロ」は、オリーブをもぎとってすぐにエキスにしたような、青々しくみずみずしい雄大なアロマが印象的でした。
また、ふと気づいたのは「高品質なオリーブオイルは普通に飲める」ほどおいしいということ。今回の受賞作は専門店やネットなどで買えるので、気になる人はぜひ試してみてはいかがでしょう!