グルメ
2018/4/2 16:30

何故こんなに種類が多い!? キッコーマンの「豆乳」に隠された秘密

バナナ、メロン、アーモンド、抹茶、マンゴー、有田みかん、ラッシー……これ、全部豆乳のフレーバーです。

 

近年、スーパーを賑わせているキッコーマンの豆乳ですが、2018年3月現在で全41種類もあり、様々なフレーバーを豆乳で再現。しかし、何故こんなに多くのフレーバーがあるのか、バニラアイス、チョコミント、みたらし団子といった常識を打ち破るようなフレーバーはどうして開発したのかなど、多くの謎があります。これは販売元のキッコーマンに聞いてみるしかない! というわけで今回はキッコーマン飲料のチルド営業本部の荻生康成さんにお話を聞きました。

 

キッコーマン飲料・チルド営業本部の荻生康成さん。日本豆乳協会が認定した豆乳マイスターのプロランクの資格もお持ちの方です!

 

 

1980年代に一気に広まり、一気に衰退した豆乳市場

――もともと豆乳はいつから販売しているんですか?

 

荻生康成さん(以下:荻生) 全国で豆乳の販売をスタートしたのが1979年のことでした。それまで「豆乳」というものは、豆腐店とゆかりのある方は耳にすることがあっても一般には知られておらず、まして「豆乳を飲む」という習慣は日本人にはまだなかった時代です。豆乳は腐りやすく、当初は全国に流通させるにしても賞味期限の問題で、なかなか難しかったんです。

 

やがて紙パック入りの豆乳が登場して、1980年代半ばごろから一気に市場が拡大。それでもまだ豆乳事業はまだ若く、沢山の企業が開発に参入しても品質がなかなか安定しませんでした。要は「豆乳=まずい」みたいなイメージをもたれるようになり、拡大した市場が一気に縮小してしまったんです。

 

しかし、それ以降も「どうしたら、もっと美味しく飲んでいただけるだろうか」といった意味での開発を続けていました。そんななか、2000年代に入るころに「大豆の栄養が健康に良い」という風潮が世に浸透。再び豆乳のマーケットが拡大し、もう一度ご評価いただく機会が増えていきました。これが大まかな弊社の豆乳開発の流れですね。

 

↑数多くある豆乳フレーバーも、当初は、調製豆乳やコーヒー、フルーツミックスなどのシンプルなものだけだったようです

 

 

豆乳のフレーバー実現までに30年以上の月日が……

――1980年代に耳にされた「豆乳=まずい」という時代から、2000年代では製法上の進化はあったんですか?

 

荻生 もちろんあります。大豆は栄養分は豊富ですが、特有の臭み、味、えぐみなどがどうしてもあるんですよね。こういったネガティブな要素をいかにして除去し、良いところを引き出す製法の研究を重ねてきており、2000年代には当時よりずっとおいしい豆乳を作ることができるようなりました。

 

また、特に苦労の末に生まれた「おいしい無調整豆乳」という商品によって、「大豆の青臭さを消すことも、香ばしさをつけることもできる」といった技術にまで派生し、味や香りのコントロールがようやくできるようになりました。現在、数多くある弊社の豆乳のフレーバーも、これまでの技術によって、誕生させることができたものです。

 

――つまり、1970年代後半から数えると、あの数々のフレーバーに至るまで30年以上の時間がかかったというわけですね。

 

荻生 長きにわたって開発をし続けていますが、おかげさまで現在では豆乳のシェアの50%以上をキープし続けています。

 

↑定番の調製豆乳から、無調整豆乳、そして派生していったフレーバーの一部を前にアツく語ってくださった荻生さん

 

 

お菓子代わりの豆乳を目指し、増えたフレーバー

――豆乳のフレーバーが増えていったのは2000年代というわけですね。

 

荻生 はい、コーヒー、紅茶、バナナといった定番のフレーバーはもう少し前からありますが、メロン、アーモンド、甘酒、白桃、ココアといった商品は2007~2008年くらいから増えていきました。

 

――しかし、細かいフレーバー設定ですよね。みたらし団子、バニラアイスなど(笑)。

 

荻生 季節限定ですと、焼きいも、おしるこ、さくらなどもあります(笑)。味そのものを豆乳で再現することは最優先ですが、日本人が好きで、すぐ味を想起しやすいものを、そのままフレーバーにしようという思いがあります。曖昧なボヤッとしたフレーバーではなく、より具体的でわかりやすいものを……というのがまずあります。

 

――それでバニラではなく、バニラアイスなんですね。

 

荻生 そうですね。「バニラ」と言っても、「えっと、味はどんなものだっけ?」となりますが、「バニラアイス」だと想像がつくという。あと、お客さまに豆乳を飲む時間帯をうかがうと、食事と食事の間、いわゆる間食のように飲まれることが多いと知りました。そういう時間ですと、どうしてもスナック菓子を食べたくなったり、甘いものが欲しくなったりするわけですが、「食べたいけど、摂ると身体に良くないだろうな」と思って控えることが多いのではないかと思うんです。

 

しかし、間食の際に手を出しても身体に良いものなら、きっと支持されるだろうと考え、お菓子にとって代わるような豆乳を目指し、焼きいも、おしるこ、みたらし団子、バニラアイスといったフレーバーを開発したという理由もあります。

 

↑ズラリ並んだキッコーマンの豆乳フレーバー。しかし、この写真はすべてではなく、さらにあるそうです……
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