チーズタッカルビやラクレットチーズを中心に、グルメ界ではチーズがトレンドとなっています。コク深くて肉と相性がいい、フォトジェニックであるなど魅力はたくさん。人気になるのも納得ですが、ブーム以前からウリにし続けてきたのが「ガスト」。そうです、「チーズINハンバーグ」のことです。
10年で累計約1億3000万食の国民的ハンバーグ
「チーズINハンバーグ」はガストの人気No.1メニュー。ご存知の方も多いでしょう。でも、実はまだデビューから10年という段階。全国発売は2008年の12月だったのです。以来人気を獲得しながら少しずつ改良を重ね、その出数はこの4月末で1億3000万食を突破したとか。これは国民が1人1回食べている計算。軽く10年で見積もっても、1日に3万5000皿以上が食べられていることになります!
名実ともに国民的ハンバーグといえる同メニュー。10周年を迎える記念もあって、大改革を行うこととなったのです。今回は担当者インタビューやディテール解剖も交えながら全貌を明らかにしていきましょう!
リニューアルされたのは、5月24日。外観の見た目はそこまで変化ありません。注目すべきは中身のチーズです。これまでは4種のチーズを使っていましたが、倍以上の10種になりました。これはそれぞれのチーズが持つ特性を生かし、絶妙な比率でブレンドすることで味わいも、質感や伸びも格段にグレードアップしたのです。
食べてみて印象的に感じたのは、チーズの濃厚さ。単純な味の濃さだけではなく、とろけて伸びるチーズの弾力に、粘りが加わったようなニュアンスです。言い換るならそれは包容力。もともとチーズを覆っていたパティすらも包み込むような、豊かな質感に驚かされました。
このチーズのおいしさをわかりやすく体感できる、オススメの食べ方があるので紹介しましょう。それが「フォンデュ食べ」。その名の通り、チーズフォンデュのようにするのですが面白いのはその食べ方。ハンバーグの上部をくり抜き、チーズポットのようにして食材を絡めて味わうのです。ディップするものは自由自在。オーダー時にはこちらもお試しあれ!
実は肉もソースも濃厚に進化している!
チーズトレンドのなかで、今年の上半期は特にチーズハンバーグに注目してきた筆者。ハンバーグが人気の有名レストランにも数軒取材をしましたが、パティ内にチーズを入れるタイプのお店はあまりありませんでした。その理由のひとつが、仕込みや調理が難しいから。ということは、ガストとしても開発は大変だったのではないでしょうか。深層を知るべく、マーケティング担当者に話をうかがいました。
「パティにチーズを入れるのは、当初至難の業だったそうです。しかも弊社の場合は全国規模ですので、作る量もかなりのもの。解決の糸口になったのは、実は『バーミヤン』の肉まんでした。肉まんの具材を生地で包む手法をハンバーグに応用したところうまくいきまして、『チーズINハンバーグ』が誕生したのです! また、今回重点的に進化させたのはチーズなのですが、濃厚にさせたぶんパティの味も負けないよう、ビーフの比率をアップしてソースもより濃厚にしました。全体的においしくなっておりますので、ぜひこの機会にお試しください!」(小林さん)
続けて、小林さんはこうも教えてくれました。「常にお客様の声をキャッチして、トレンドも見ながら商品や店舗開発に生かして少しずつ改良しております。これにはPOS(レジ)などのビッグデータに加え、数字には出てこない現場で頂戴する意見なども含まれます。メニューでしたら、食事にもおつまみにもなるようピザをナポリ風の生地に進化させて種類を増やしました。店舗のサービスでいえば、Free Wi-Fiをグループ全体の9割近くの店舗に導入しました」
なお前記で軽く触れましたが、看板メニューのリニューアルを記念して6月13日までは「チーズINハンバーグ」が399円で提供されています。このチャンスに、お近くのガストでまずはご賞味を!