ワイン好きをワクワクさせる、秋の一大イベントといえば? そう、ボージョレ・ヌーヴォ解禁です。今年は11月15日。一部では「歴史的な優良ヴィンテージ」ともいわれる今年の出来はどうなのでしょうか? 各社から様々なボージョレが発売されるなか、本稿では名門「アンリ・フェッシ」の発表会の様子をお伝えします!
そもそもボージョレ・ヌーヴォって何だっけ?
毎年テレビのニュースなどでも大々的に報じられているので、その名前を聞いたことがある方は多いでしょう。ボージョレ・ヌーヴォとは、フランスのボージョレ地区で、その年に収穫したブドウで醸造された赤ワインの新酒のこと。
とれたてのガメイというブドウ品種でつくったワインはとてもフレッシュ。もともとは地元の人が飲むデイリーワインだったのですが、その年のブドウの出来を測る指標として、世界中で飲まれるようになりました。11月の第3木曜日が、その年の収穫分の解禁日になります。
ボージョレ屈指の名門「アンリ・フェッシ」
今回紹介する「アンリ・フェッシ」の創業は1888年。ブドウを産出するクリュ(区画)のなかでも最上位格付けである「クリュ・デュ・ボージョレ」のスペシャリストで、自社の畑の半分以上が、樹齢50年以上の古木なのだそう。手摘みによる収穫と伝統的な醸造法にこだわった高品質なワインは、世界の名だたるコンテストで金賞を獲得するなど、非常に高い評価を得ています。
そんな「アンリ・フェッシ」に、今年のブドウの出来はどう映ったのでしょうか? 醸造責任者のローラン・シュヴァリエさんは、こう語ります
「特に7~8月に雨が降らず、温度も高かったので、量的にたくさんとれました。しかも、品質も素晴らしい出来。量、質ともにバランスのいい年になりました。全体的に、味わいは柔らかさに富み、また、ベリー類のなかでもイチゴやフランボワーズといったフレッシュ系より、カシスやミュール(桑の実)、プルーンといった黒い果実のニュアンスが強いです」(シュヴァリエさん)
やはりウワサ通り、今年は当たり年ってことですね! 期待が高まります!
「アンリ・フェッシ」オススメのボージョレはこれだ!
ボージョレ地区にある「アンリ・フェッシ」の赤ワインの新酒は、すべてボージョレ・ヌーヴォ。なのですが、ひと口にボージョレといっても、同社ではプレミアムなものからデイリーワインまで、幅広いラインナップをそろえています。
まずは今年のスタンダードから見てみましょう。
新鮮なラズベリーやストロベリーのように豊かな果実味とアロマで、口あたりはやさしく。ボージョレの王道ともいうべき味わいです。
次はちょっぴり値の張る、プレミアムなアイテムもチェックしてみましょう。特に、昨年もヒットした数量限定のギフトボックス付きエディションは注目です!
シュヴァリエさんによれば「ひとつではなく、カシス、桃、プルーンなどのさまざまな果実全体の凝縮感を楽しめる1本に仕上がっている」とのこと。味わってみると、ボージョレらしいブライトなタッチでありながらも、ふくよかな果実味を感じる上品で奥深いテイストです。
プレミアムからもうひとつ注目の品を。創業者の娘さんの名が付いた、今年が初展開となるニューカマーです。
テイストについてシュヴァリエさんは「フランボワーズなど赤いベリー果実の奥に、カシスやプルーンといった黒いベリーの味もある」と語ります。味わってみると、甘やかさとしなやかさがありながら、洗練された余韻で上品なフレーバーが鼻から抜けていく、ワンランク上のボージョレといった印象。
プレミアムなワインは価格もそれなりにしますが、ボックス付きで贈り物にも最適。特に“マリオン”は女性にウケそうなパッケージングですね。逆に“オマージュ”の漆黒の箱は、男性向けによさそう。どちらも本数が限られているので、気になる方はお早めに!
ボージョレ・ヌーヴォはフレッシュな新酒なので、解禁直後のいまが一番おいしいとき。みなさんも思いおもいの1本で、今年の“旬”を感じてみてください!