グルメ
2019/1/31 20:15

【街中華の名店】「淡麗系チャーハン」と命名したい! シンプルを極めた本駒込「兆徳」

 

一品料理や餃子など、どれを食べてもハイレベル

チャーハンがうまい街中華は、ほかの料理もハイレベルであることが多い。当然「兆徳」も例にもれず、名作は多数。特に同店の場合はチャーハンがそうであるように、料理における水分量の見極めが秀逸であり、その極意を感じられる一例が「トマト玉子炒め」だ。

↑「トマト玉子炒め」700円。食感や味のアクセントを演出するために、きくらげとねぎも入っている。味付けは塩とこしょうとスープでシンプルに

 

新鮮な完熟トマトを1個丸ごと使うこの一皿。それだけに、ヘタに作るとトマトの水分がうまみとともににじみ出て、ぼんやりとした味になってしまう。ところが同店の場合は、内側にギュっと閉じ込めているのでベチャっとした感じはまったくない。しかも、味の輪郭を整えるために自家製の中華スープも使っているのに、である。

↑卵はチャーハンとは違い、Lサイズを3個使用する。まず、ふんわりと熱を入れた炒り卵を作り、その後すぐに野菜を炒めて両者を混ぜて完成させる

 

↑こちらは店主オススメのおつまみ「エビの黒胡椒炒め」1350円。質も大きさも吟味したえびに重層と塩をまぶし冷蔵庫で1日寝かせることで、格別のおいしさに仕上げられている

 

また、チャーハンと双璧をなす人気メニューが餃子。焼き、揚げ、茹での3タイプがラインナップされており、焼きと揚げはパリパリ、茹ではもちもちさせるために皮の厚さや粉の配合を変えている。あんは共通だが、ここにもこだわりが満載。

↑日によって多少変わるが、平日は1000個、土日祝は1500個を包んでいる

 

具材は豚肉、キャベツ、ねぎ、しょうが、にらで、キャベツはやわらかい春キャベツを使用。より気軽に食べられるようににんにくは使っていないが、そのぶんチャーシューのスープと干しえびを入れることでコクをプラスしている。

↑「揚げ餃子」600円。平日の夜と土日祝限定のため、注文できるのであればぜひ味わっておくべきである

 

そのなかで今回オーダーしたのは「揚げ餃子」。生地をカリっと揚げた餃子に、甘酢あんがかかった逸品だ。黒酢を使ったあんはコク深いものの、隠し味にレモンを効かせたフルーティな爽やかさもあるので重くなく、ちょうどいいバランスに仕上げられていて絶品。

↑朱 徳平(シュ トクベイ)店主。店内には、常連だった落語家の古今亭志ん朝師匠のサインなどが飾られている

 

店主の朱さんは、中国の洛陽出身。奥さんの母親が日本人だったことで来日し、1995年に「兆徳」を構えた。聞けばオープン時から日本人向けの味を追求し、研究を重ねてきたというが、異なる食文化の味覚を理解するには並々ならぬ努力があったのだろう。

↑カウンター上部の棚には、常連客がキープしているボトルなどが並ぶ

 

同店には近隣を中心としたなじみの客が多いものの、決して一見客が入りづらい雰囲気はなく、それもあって圧倒的な人気を誇っているのだ。そこにはきっと、朱さんの気さくな人柄が一役買っているのだろう。料理も空間も、宝のような街中華である。

 

撮影/我妻慶一

 

 

【SHOP DATA】

兆徳

住所:東京都文京区向丘1-10-5

アクセス:東京メトロ南北線「本駒込駅」徒歩2分

営業時間:平日11:30~14:30/17:30~23:00、土、日曜、祝日11:30~14:30/17:30~22:00

定休日:不定休

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