レモンサワーブームだといわれる昨今。居酒屋でお酒を注文するとき、以前よりレモンサワーを選ぶことが増えた人も多いはず。でも、その人気がどれほど拡大しているのかは、感覚値でしかわかりません。…と思っていたら、目安となるものがありました。2017年より開催されている「レモンサワーフェスティバル」の動員です。
第1回は秋開催で、東京の参加者は金・土曜の2日間(本来は日曜も開催予定でしたが悪天候で中止)で計5208名だったとか。では、昨年と今年はどうだったのでしょうか? 第3回目となった今回の様子とともに、トレンドの状況を探っていきたいと思います。
若い女性にウケる理由は「健康的」「レトロ文脈」「フォトジェニック」の3つ
筆者ら取材班は夜から途中参加(この日は初日でフェスは14時開始)だったのですが、会場が視界に入っただけでその混雑ぶりがわかります。金曜ということもあり、スーツ姿の老若男女が多数。
特に印象的だったのは、若い女性が多いこと。これは同イベントの広報に聞くと、レモンサワーが持つ特徴が影響しているのではないか、と教えてくれました。その特徴とは、「健康的」「レトロ文脈」「フォトジェニック」の3つ。確かに、レモンサワーは低糖質でビタミンCが豊富。そして「レトロ」に関し、レモンサワーは古典的な大衆酒場の定番ドリンクであり、若い世代にはこうしたレトロ感が逆に斬新に映っているのです。
そして「フォトジェニック」についても、昨今の進化系レモンサワーを見れば納得。本イベントでも、レモンとミニトマトをあしらった斬新なレモンサワーが見られるなど、インパクトのある商品展開が見られました。
出店していたお店のメニューをチェック!
ここからは、会場に出ていたお店とそのメニューから一例を紹介。フードもしっかりとした料理が多く、レモンサワーとの相性が考えられているものばかりでした。まずは先述のキングオブレモンサワーに輝いた「素揚げや 小岩店」から。
小岩と祖師谷大蔵に展開する同店は、レモンを凍らせて氷の代わりにすることで、味が薄まらずに飲める「凍結系レモンサワー」の元祖。レモンのフルーティな酸味が徐々に溶けることで、味が濃くなっていくところも魅力的でした。鶏の素揚げは皮のパリパリ感と肉のジューシーさが相まって絶品!
次は神奈川発のお店「CHARCOAL STAND NOGE」をチェック。こちらは個性的な飲食店が多く集まる横浜・野毛のなかでも特にディープな場所に位置する、ちょっとオシャレな大衆酒場。「初恋SAKURAレモンサワー」は、その名の通り桜のフレーバーが香る、ほんのり甘味のあるおいしさでした。
続いて、川崎・元住吉駅から徒歩3分の場所にある大衆酒場「住吉酒場」の品をチェック。試飲したのは同じくピンク色のレモンサワーでしたが、こちらは甘さ控えめで、酸味が引き立つ印象。肉々しいステーキともマッチしていました。
続いてチェックしたのは、東京における、うどん酒場トレンドの旗手である「博多うどん酒場イチカバチカ 恵比寿店」。「一八レモンサワー」はたっぷりのレモンと塩のしょっぱさが融合。鮮烈な味わいを、柔らかなうどんとやさしいつゆが包み込む、ナイスな組み合わせでした。
目からウロコが落ちる「100通りのレモンサワー」
さらにもうひとつ、注目すべき出店が。それが特別協賛の宝酒造がプロデュースする「100通りのレモンサワー」です。こちらは同社の甲類焼酎10種、レモン5種、炭酸2種の組み合わせで100通りのレモンサワーが楽しめます。
例えば、「愛媛県産の大三島レモンと宝焼酎『レモンサワー用焼酎』35°を使い、強炭酸で割ったもの」と、「静岡県産の『リスボン』という種類のレモンと樽貯蔵熟成酒を配合した宝焼酎『レジェンド』を使い、強炭酸で割ったものを比べてみましたが、味わいがまったく違う! 前者は甘みと香りが引き立つ爽やかな味わいで、後者は「レジェンド」の奥深さにストレートなレモンの酸味が利いたオトナな味わい。なるほど、素材が違うと、これだけ味わいも変わるのか…と目からウロコが落ちる思いです。この違いを体感すれば、自宅でいろいろと試してみよう! と思う方も多いのではないでしょうか。
入場者数でレモンサワー人気の上昇がよくわかる
と、そんなこんなで数々の名店が集結し、盛況ぶりが目立った「レモンサワーフェスティバル 2019」。冒頭で触れた動員の比較ですが、昨年は4月5~7日(木・金・土曜)の3日間、歌舞伎町で開催されて1万1697人。そして今年は4月の5・6日(金・土曜)の2日間で、1万93人。1日あたりで換算すると前者は3899人、後者は5046人となり、条件は違えど今年の方が約1.3倍多かったのです。こうして数字で見ると、レモンサワーの人気が増していることがよくわかりますね。「レモンサワーフェスティバル 2019」は今後、福岡(5月10・11日)、大阪(5月17・18日)、北海道(7月5・6日)にて開催されるので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか!