自然のなかで丁寧につくられている
畑見学のあとは、いよいよ大隅酒造へ。工場内部に入り製造現場を見学してきました。
まずは麹(こうじ)づくりの現場から。麹は発酵に欠かせない素材のひとつで、ここでは国産米を1日6トン使用。洗って蒸したあとに麹菌を混ぜ、40時間かけて米麹をつくっています。
麹にも黒、白、黄などの種類があり、「大隅〈OSUMI〉」に使われているのは黒麹。芋らしい風味をしっかり残す特徴があります。また、雑菌の繁殖を抑制するクエン酸を多く生成する麹で、気温や湿度の高い南九州や沖縄においては、安全な酒づくりに欠かせない存在となっています。
次に向かったのは、芋の加工現場。洗浄した芋をチェックし、品質基準に合うかどうかを選別。大きいものはこぶし大にカットして、蒸す工程へ運ばれて行きます。
次は発酵の工程を見学。そこは巨大な仕込みタンクの上部に床を設えた部屋で、フロアにはタンクの作業を行う穴がいくつもありました。最初の部屋は、前記の米麹と水と酵母で発酵させた、一次もろみが眠るタンク。次の部屋は一次もろみと芋と水による二次もろみのタンクです。