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2019/12/25 19:00

「タピオカ・ブーム」は終わるのか? 第3次ブームの第4形態にきた今、その大前提にある違和感

タピオカのビッグウェーブは2013年から2年おきに来ている

そろそろフォースウェーブに触れたいと思います。まずはサードウェーブまでの各波と、その年に日本上陸した代表店を挙げましょう。個人的に、大きな波は2013年から2年おきに来ていると考えています。

 

1st:2013年「春水堂」

2nd:2015年「ゴンチャ」、「彩茶房」(「ハッピーレモン」日本版)

3rd:2017年「ジ・アレイ ルージャオシャン(通称:ジアレイ)」、「CoCo都可(ココトカ)」

 

↑「ジ・アレイ ルージャオシャン」の盆栽タピオカミルクティー(左)とオーロラドリンク(右)

 

ファーストとセカンドが黎明期を支え、その後大きな起爆剤となったのは2017年上陸の2店。「ジアレイ」は、盆栽タピオカミルクティーやオーロラドリンクなど、より美しいビジュアルの世界観を作り出しました。一方で「CoCo都可」は、“タピオカドリンク専門店”をウリにしたパイオニアです。また、イートインスペースをもたないスタンド型の先駆者としての側面も「CoCo都可」の特徴です。

 

↑「CoCo都可 新宿東口店」。2019年10月1日にグランドオープンしました

 

そしていよいよ2019年のフォースウェーブ。その特徴は、タピオカドリンク販売店の業態多様化です。カフェチェーン(タリーズは2011年から期間限定でやっていましたが)に、ファストフードやファミレス、さらには回転寿司やコンビニなどでも提供されるようになりました。また、タピオカの粒を買えるスーパーにも注目が集まり、タピオカメニューは家で作れる時代に。前半で述べた「タピオカはパクりやすい」にもリンクします。

 

もちろん、2018年にも様々なブランドが上陸。たとえば、ユニークなアレンジをウリにしたり、タピオカの大きさや色で独自性を出したり。ただし、それらはサードウェーブからの流れで、あくまでもフォースウェーブは2019年と個人的には位置づけています。

 

↑自宅などで楽しむためのタピオカの販売も、いまや珍しくありません

 

こうして、もともとは台湾ティーのカスタマイズのひとつだったタピオカが独り立ちをした形となり、“タピオカ多様化期”であるいまに至るのです。とあるトレンド誌のヒット商品ランキングで2018年は「タピオカミルクティー」(22位)だったのが、2019年には「タピオカ」で2位にランクインしたという点からも明らかでしょう。

 

一方では加熱しすぎたために「タピオカブームは曲がり角」などとささやかれていますが、筆者も淘汰の時期を迎えると思います。タピオカが飽きられてしまった場合、それに代わる魅力をもつブランドであれば生き残るでしょうし、2020年以降はタピオカ以外のカスタマイズやフレーバーを展開している台湾ティーに注目です。

 

↑2019年12月19日、新宿に日本3号店がオープンした「CHA NUNG」(チャノン)。とろみのあるタロイモをブレンドした「タロ芋ミルクティー」(左)や、自家製プリンを入れた「プリッチ黒糖ラテ」(右)、黒糖ではなくハチミツで漬け込んだ白生タピオカが入った「黒ゴマチャコールラテ with 白タピオカ」(TOPの画像)などが特徴です

 

タピオカ以外。それは茶葉の品質だったり、チーズだったり、プリンだったり、ミルクだったり。そもそも台湾ティーはカスタマイズの楽しさが真骨頂。次の波であるフィフスウェーブの特徴はどうなるのか、今後もトレンドをチェックしていきたいと思います。

 

【フォトギャラリー(GetNavi webにてご覧になれます)】

 

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