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2020/3/5 19:00

セラーに潜入!“保管のプロ”はワインをどのように保管・熟成しているのか?

大事に保管したくなるワインを手に入れるには?

こうしてワインの保管やオンラインでの管理業務を経た寺田倉庫が、2019年から新たに始めたのが「TERRADA WINE MARKET」。ワインに特化したECサイトです。

↑「TERRADA WINE MARKET」のTOP画面。サイト内では「酸味」「甘味」「ボディ」といった好みの味や、生産地などで検索ができます

 

「厳選されたインポーターと酒販店のワインが販売されており、1本3000円程のワインからコレクター垂涎のオールドヴィンテージまで、幅広い価格帯で取り揃えています。そしてこれらの商品を、クリックひとつで『TERRADA WINE STORAGE ONLINE』にそのまま預けることも可能です」(林さん)

 

購入から保管、管理までをワンストップで行えるのが強み。とくに、最適な環境で熟成させたワインを飲みごろのときに楽しめるというのが、同社ならではの魅力です。そのシステムを最大限に楽しめるのが、ボルドープリムールの特別販売とのこと。プリムールとは?

 

「プリムールとは、樽熟成途中のワインを予約購入できる、フランス・ボルドー地方特有の販売方法です。ワインは通常、生産者からインポーター、卸業者、小売店など複数の流通経路をたどりますが、プリムールは生産者から消費者までを最短ルートで届けることができるのです」(林さん)

 

熟成によって味わい深くなり、年月によって希少価値すら高まるのがワインというお酒。それもあって、プリムールは投資目的で売買されることも多いカテゴリーです。とはいえそもそも流通経路が短いため、最高のコンディションを保持した状態のワインを入手できる販売方法として知られています。

↑ボルドープリムールの特集ページ。とくに2018年の収穫量は少ないものの、極めて高品質なぶどうが実り、グレート・ヴィンテージとされるそう

 

「特にボルドーは長期熟成向けのワインが多く、5年10年とセラーで寝かせることで、熟成の醍醐味を楽しめるのが魅力です。今回、フランスの老舗ワイン商であるルグラン社と、日本におけるワインインポーターのパイオニアである徳岡社の協力によって希少なボルドープリムールの企画が実現しました。実際のワインが届くのは2~3年後ですが、時の経過を含めて楽しんでいただけたらと思います」(林さん)

 

セラーがない場合は冷蔵庫の野菜室へ

最後は、よりベーシックな質問を投げてみました。冒頭でもふれましたが、ワインをおいしく熟成させることにとって大切なのが、温度、湿度、照度。自宅ではワインセラーを活用することが最適解ですが、所有していない場合はどう保管するのがベターなのでしょうか? 安田さんが教えてくれました。

 

「劣化を防ぐために常温は避けるべきです。また、光にも弱いので明るい場所も避けましょう。とくに直射日光は絶対NGです。もしご自宅のセラー以外で保管する場合は、冷蔵庫のなかでも温度が低すぎない野菜室がいいでしょうね。また、コルク栓タイプの場合は乾燥しないよう、ボトルを寝かせて保管することを推奨します。ただ、スクリューキャップの場合は立てていても問題ありません」(安田さん)

 

↑よりおいしく飲むためには、グラスも重要。リーデルなどのブランドでは、ワインの品種や味わいに合わせたグラスが多彩にラインナップされています

 

温度が低すぎると、熟成が進まないというデメリットがあると安田さん。そのため野菜室なのだとか。ただ冷蔵庫は食材の出し入れがあるため、そのたびに微妙な温度変化が起きてしまうという懸念点も。また、開け閉めによる振動もあるため、やはりなるべくワインセラーを用意したほうがいいとのことです。

 

同社の宅配収納サービス「minikura」から展開が広がった、「TERRADA WINE STORAGE ONLINE」や「TERRADA WINE MARKET」。今後の進化にも意欲的で、たとえばレビュー機能を設けたりラッピングサービスを追加したりと、アップデートを模索しているとか。まずは記念ワイン1本の管理から、始めてみてもいいかもしれません。

 

【Information】

 

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