だんだんと暑くなり、炭酸の効いた爽快なお酒がおいしい季節。そんな絶好のタイミングで、メルシャンから「カジュアルスパークリング」という新提案をひっさげたワインが発売されました。
「カジュアルってなんだ?」と思いつつオンラインの発表会に参加したところ、納得の理由が明らかになりました。味の特徴やマリアージュなどにも触れながら、紹介していきたいと思います。
カジュアルスパークリングの特徴とは?
新提案のカジュアルスパークリングとは、スパークリングワインがもともともっている“食事に合わせやすくて飲みやすい”という特徴をさらにわかりやすく、そしてデイリーで気軽に楽しめる仕様に進化させた新機軸。
たとえば、「スパークリングワインが好きだけどすぐに酔ってしまう」「一本の量が多い」「一度に飲み切れないけどコルク栓はリキャップしづらい」「エチケット(ラベル)がわかりづらい」といったハードルをクリアに。アルコール度数を抑え、量を減らし、スクリューキャップにし、わかりやすいパッケージとコンセプトにするなど、間口が広くなっています。
ビールの素材「ホップ」を使ったユニークなワイン
この背景には、メルシャンが2019年に発売した「おいしい酸化防止剤無添加ワインシードル」が、若年層やふだんワインを飲まない層にもヒットしているという成功事例があります。
なかでも、今回の新商品である「メーカーズレシピ スパークリング ウィズ ホップ」は、ユニークな手法を取り入れているのがポイント。まずはこちらから紹介していきましょう。
こちらは、メルシャンの20代の開発者が中心となって取り組んだユニークなスパークリングワイン。同社のグループである、キリンビールのホップ活用技術をメルシャンのワイン醸造技術・梅酒の浸漬技術と組み合わせ、今までにない香り、味覚、後口を実現しています。より具体的な話を、開発メンバーの赤宗行三さんが教えてくれました。
「細かい製法は特許申請中なのでお伝えできませんが、ワインにホップを浸漬させて独特な香味を創出しています。そのうえで、甘味、酸味、苦味、香りのバランスに徹底的にこだわり、飲みやすさも両立させました」(赤宗さん)
味わいの特徴は多彩。グラスを近づけたときにすっと立ち上がるグリーンな香り、まろやかな口当たり、ふわりと広がる華やかなホップのフレーバー、やわらかく心地よいほのかな苦み、ブドウの爽やかさ、すっきりとした後切れ。いくつもの要素が調和して、これまでにない味わいながらも違和感なく楽しめるおいしさに仕上がっています。
この「メーカーズレシピ」はカジュアルスパークリングという大きな枠組みのなかの「クラフトスパークリング」という新設ジャンル。ウィズ ホップは第一号の#001ということで、「#002、#003もご期待ください」(赤宗さん)とのこと。
和惣菜や中華とも合いコップで楽しめる気軽さがイイ!
リニューアルされた「ビストロ スパークリング」の特徴は、発売25周年を迎えた「ビストロ」ブランドに採用されている「フードマッチ製法」で造られたスパークリングワインであること。
「フードマッチ製法」とは、ワインと食事の相性を高めるために生み出されたメルシャン独自の技術。ワインの成分には魚介類と合わさることで生臭さを引き起こす物質が含まれており、この物質を軽減させることでフードとのよりよいマッチングを実現しています。
一般的にスパークリングワインは、ワイン独特の渋みや酸味が少なく、サッパリ~こってり系まで食事に合わせやすくなっています。また、シュワッとした発泡によって軽やか、ドライなタッチですっきり爽快という特徴も。「ワインは苦手だけどスパークリングワインなら飲める」「スパークリングワインは、普通のワインに比べてグラスが進む」という人は少なくないと思いますが、その理由にも通じています。
つまり、料理に合う「ビストロ」のなかでも、より食事とマッチするのが「ビストロ スパークリング」なのです。発表会では、赤宗さんがよりよりペアリングフードを紹介してくれました。
カジュアルスパークリングはデイリーで楽しむコンセプトのため、合わせるのは欧風料理に限らず、和食や中華といった日常的なおつまみでOK。赤宗さんの例にそって用意し、ワインの味とともに相性を確かめてみました。
白はうっすら甘味があるタイプで、シャープなキレでタッチはすっきり。アフターにはスパイシーなニュアンスも。爽快なので油っこい料理によく合い、確かにポテサラなどのクリーミーなサラダにマッチします。
ロゼはフローラルなフレーバーと明るい苦み、ベリー系の甘酸っぱさが華やぐ、上品で明るい味わい。ワインのやさしい甘さや酸味が、サラダのクリ―ミーな酸味と絶妙に調和します。
ホップ独特の苦味、そしてかすかに感じるグラッシーなニュアンスがドライな爽快感を強め、油の余韻をリセットしてくれます。それでいて白ぶどうの果実味もあるので、余韻はフルーティ。新感覚なおいしさです。
甘口のスパークリングで、イタリアの銘酒「ランブルスコ」に似たニュアンスもあるこの赤。ただ「ランブルスコ」よりもボディや渋味は抑え目でライトでしょうか。軽やかな爽快さと甘酸っぱさがあるため、和食ならではの甘じょっぱいタレにはすごく合います。煮物や魚の煮つけなども好相性でしょう。
濃厚でまろやかな甘味とコク、ほんのり柑橘の酸味が効いたチーズケーキ。そこに、スパークリングの赤はベリーソースを思わせる上品な甘酸っぱさプラス。一方のメーカーズレシピは、ほろ苦い爽快感がケーキのもったりとした余韻を心地よく流します。
最後に、今回炭水化物がペアリング例になかったことで赤宗さんに聞いてみました。すると、例えばトマトソースのパスタならロゼや赤。メーカーズレシピにはチャーハンを合わせるのがオススメとのこと。
コップに注ぎ、和惣菜や中華と合わせてみて感銘を受けたのは、ワインは自由であるということ。ワイン=ご馳走に合わせるお酒というイメージはいまだ根強いかもしれませんが、そのぶん気付かれていない魅力もあるはずです。気軽に飲めるカジュアルスパークリングは、新たなワイン好きを増やすカテゴリーになるでしょう。今夏、ビールやチューハイだけでなく、カジュアルな泡ワインも乾杯の選択肢にしませんか?
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