グルメ
お酒
2020/9/26 17:00

【試飲レビュー】スコッチの王道「バランタイン」をディープに愉しむ。味を司るキーモルト4種が限定発売

それぞれの個性が明確に。やはりウイスキーはおもしろい!

ヒスロップ氏がふだんテイスティングする際は加水しながら行うということで、それに従うことに。これにより、多彩なフレーバーを敏感にキャッチすることができるのだとか。また「もちろん皆さんがご自宅などでウイスキーを楽しむ際は、お好みの飲み方で味わってください」とヒスロップ氏。

 

↑加水する飲み方は「トワイスアップ」としてもおなじみです

 

まずは「バランタイン17年」と、「バランタイン17年 トリビュートリリース」をテイスティング。改めて感じるのは、はちみつやバニラを思わせる甘味やフルーティさ、かすかにスパイシーな樽香など、様々な味と香りが複雑に交わり合いながらも高いバランスで調和していること。トリビュートリリースのほうがきらびやかな印象で、通常の17年は気高さや貫禄を感じるテイストです。

 

↑リッチでスイートな余韻。17年が王様ならトリビュートリリースは女王といったイメージでしょうか

 

次はいよいよシングルモルト。まずは「ミルトンダフ15年」から。ミルトンダフ蒸溜所は、スコッチの中でも華やかで、バランスに優れた名酒が多いと言われているスペイサイドというエリアにあります。

 

↑ミルトンダフ蒸溜所。軟水で水晶のように透明な「ブラック・バーン」という湧き水で仕込まれるのも特徴です

 

↑「ミルトンダフ15年」の味わいはパワフルで、フローラルな香りの奥にクローブやシナモンのニュアンスを思わせるスパイシーなアロマも魅力的。個人的にはストレートで飲むのが好みだと思いました

 

次は、グレンバーギー蒸溜所の15年と18年をテイスティング。同蒸溜所もスペイサイドにあり、ここで作られる原酒は、すべてのバランタインブランドの中核となるキーモルトとして使用されています。

 

↑グレンバーギー蒸溜所。創業は1810年と、今年で210周年。「バランタイン」以上に長い歴史をもつ老舗です

 

↑色は濃いめで、やはり18年のほうが深い印象です。どちらも、熟したりんごを思わせるフルーティな香りが印象的

 

「ミルトンダフ 15年」が力強い味わいだったのに対し、こちらはおとなしい感じながらも、そのぶんフルーティな甘やかさを豊かに感じます。どちらも上品で「グレンバーギー 15年」はクリーミーかつスムース、「グレンバーギー 18年」はより熟した印象で、赤や黒いベリー系のニュアンスも。

 

最後は「グレントファーズ 15年」をテイスティング。蒸溜所はこちらもスペイサイドにあり、大きな特徴は伝統的な製法を用い、すべてを手作業で行うことです。また、この原酒もバランタインのすべてのウイスキーに使われています。

 

↑「グレントファーズ蒸溜所」。敷地内に高くそびえる2つの塔がアイコンで、今回のラベルやパッケージにも見ることができます

 

↑今回のなかでは最もサイレント。それでいて、滑らかできめ細やかな口あたりは印象が強く、ナッティな香りの奥にある赤いベリーや柑橘系のアロマも芳しい。余韻は滑らかかつ繊細で、ロマンティックなニュアンスも

 

ブレンデッドウイスキーはブレンドの芸術、シングルモルトウイスキーは土地の個性と例えられますが、改めて再認識。飲み比べをしてみると、それぞれの魅力を実感できると思います。酒販店などのほか、バーでもオンメニューされるとのことで、ぜひ試してみてください。

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

  1. 1
  2. 2