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2020/9/26 17:00

【試飲レビュー】スコッチの王道「バランタイン」をディープに愉しむ。味を司るキーモルト4種が限定発売

世界五大ウイスキー(スコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアン、ジャパニーズ)のなかでも代表格のスコッチ。そのなかで“王道”と称されるのが、ブレンデッドウイスキーの名門「バランタイン」です。

 

エコノミーの「バランタイン ファイネスト」からスーパープレミアムクラスの「バランタイン 30年」まで幅広く、「バランタイン ファイネスト」はコンビニでも売られているほどおなじみの一本。その同ブランドから9月1日に、限定商品が一挙4本も発売されました。その魅力を体感できるウェブセミナーに参加したので、内容をお届けします

 

↑ポートフォリオの多彩さも「バランタイン」の王道たる証です

 

「バランタイン」の歴史と栄誉

まずは改めてブランドの特徴や成り立ちを解説しましょう。「バランタイン」はスコットランドのハイランド、ローランド、スペイサイド、アイラの4つの地方の厳選されたモルト原酒とグレーン原酒を使用したブレンデッドウイスキーです。

 

↑代表的な一本が、1837年に誕生した「バランタイン 17年」。今年は権威ある「ウイスキーバイブル2020」で最高得点を獲得し、ブレンデッドスコッチオブザイヤー2020に輝きましたが、実はこちら、2年連続の連覇

 

創業は1827年。初代マスターブレンダーでもあるジョージ・バランタインが食料品店を立ち上げ、歴史が始まりました。やがて1853年にブレンデッドスコッチの製造を開始し、1895年にはイギリス王室御用達に。その後1938年にはスコットランド紋章院より紋章を認可されるなど、数々の栄誉に輝いて今日に至ります。

 

ブレンデッドウイスキーのおいしさを左右するのはブレンドの技術。40種類にもおよぶモルト原酒を組み合わせるのが「バランタイン」のすごさのひとつですが、200年近い歴史があるなかで、マスターブレンダーとして継承してきたのは5人しかいないというのも驚き。それだけ、「バランタイン」の味を守ることには重みがあるのです。

 

↑現在は、2005年に就任した5代目のサンディー・ヒスロップ氏が、マスターブレンダーとして銘酒の味を守っています

 

9月1日に限定発売された新商品は、そんな「バランタイン」の香りや味わいのキーとなっている、スペイサイドのグレンバーギー蒸溜所、ミルトンダフ蒸溜所、グレントファーズ蒸溜所のモルト原酒をシングルモルトウイスキー(単一の蒸溜所の原酒でつくられたウイスキーのこと)としてボトリングしたものです。

 

↑左から「バランタイン シングルモルト グレンバーギー18年」(1万2000円)、「同 グレンバーギー15年」「同 ミルトンダフ15年」「同 グレントファーズ15年」(すべて7000円)

 

そして、遠くスコットランドのサンプルルームとオンラインで中継し、サンディー・ヒスロップ氏がストーリーや味わいを1本1本解説しながら「バランタイン」の魅力を語る。それが今回のウェブセミナーの醍醐味というわけです。

 

↑事前に各ウイスキーのサンプルを送ってもらい、「バランタイン17年」「バランタイン17年 トリビュートリリース」を合わせた6本を飲み比べるという贅沢な内容

 

それぞれの個性が明確に。やはりウイスキーはおもしろい!

ヒスロップ氏がふだんテイスティングする際は加水しながら行うということで、それに従うことに。これにより、多彩なフレーバーを敏感にキャッチすることができるのだとか。また「もちろん皆さんがご自宅などでウイスキーを楽しむ際は、お好みの飲み方で味わってください」とヒスロップ氏。

 

↑加水する飲み方は「トワイスアップ」としてもおなじみです

 

まずは「バランタイン17年」と、「バランタイン17年 トリビュートリリース」をテイスティング。改めて感じるのは、はちみつやバニラを思わせる甘味やフルーティさ、かすかにスパイシーな樽香など、様々な味と香りが複雑に交わり合いながらも高いバランスで調和していること。トリビュートリリースのほうがきらびやかな印象で、通常の17年は気高さや貫禄を感じるテイストです。

 

↑リッチでスイートな余韻。17年が王様ならトリビュートリリースは女王といったイメージでしょうか

 

次はいよいよシングルモルト。まずは「ミルトンダフ15年」から。ミルトンダフ蒸溜所は、スコッチの中でも華やかで、バランスに優れた名酒が多いと言われているスペイサイドというエリアにあります。

 

↑ミルトンダフ蒸溜所。軟水で水晶のように透明な「ブラック・バーン」という湧き水で仕込まれるのも特徴です

 

↑「ミルトンダフ15年」の味わいはパワフルで、フローラルな香りの奥にクローブやシナモンのニュアンスを思わせるスパイシーなアロマも魅力的。個人的にはストレートで飲むのが好みだと思いました

 

次は、グレンバーギー蒸溜所の15年と18年をテイスティング。同蒸溜所もスペイサイドにあり、ここで作られる原酒は、すべてのバランタインブランドの中核となるキーモルトとして使用されています。

 

↑グレンバーギー蒸溜所。創業は1810年と、今年で210周年。「バランタイン」以上に長い歴史をもつ老舗です

 

↑色は濃いめで、やはり18年のほうが深い印象です。どちらも、熟したりんごを思わせるフルーティな香りが印象的

 

「ミルトンダフ 15年」が力強い味わいだったのに対し、こちらはおとなしい感じながらも、そのぶんフルーティな甘やかさを豊かに感じます。どちらも上品で「グレンバーギー 15年」はクリーミーかつスムース、「グレンバーギー 18年」はより熟した印象で、赤や黒いベリー系のニュアンスも。

 

最後は「グレントファーズ 15年」をテイスティング。蒸溜所はこちらもスペイサイドにあり、大きな特徴は伝統的な製法を用い、すべてを手作業で行うことです。また、この原酒もバランタインのすべてのウイスキーに使われています。

 

↑「グレントファーズ蒸溜所」。敷地内に高くそびえる2つの塔がアイコンで、今回のラベルやパッケージにも見ることができます

 

↑今回のなかでは最もサイレント。それでいて、滑らかできめ細やかな口あたりは印象が強く、ナッティな香りの奥にある赤いベリーや柑橘系のアロマも芳しい。余韻は滑らかかつ繊細で、ロマンティックなニュアンスも

 

ブレンデッドウイスキーはブレンドの芸術、シングルモルトウイスキーは土地の個性と例えられますが、改めて再認識。飲み比べをしてみると、それぞれの魅力を実感できると思います。酒販店などのほか、バーでもオンメニューされるとのことで、ぜひ試してみてください。

 

 

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