群馬県は、上毛三山(赤城山、榛名山、妙義山)の伏流水や利根川の伏流水など、清冽で豊かな水に恵まれており、冬は低温で日本酒の寒造りに最適な環境。近年は、「流輝(るか)」「町田酒造」など、ユニークなネーミングで、かつ味も本物という銘柄が人気を集めているほか、シャンパンと同じ製法の「MIZUBASHO PURE」など、新たな試みの日本酒も登場しています。これらはまだ「知る人ぞ知る」というレベルですが、今後人気を集めそうな見逃せない銘柄ばかり。ぜひチェックしておきましょう!
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その1
甘い香りとなめらかな舌触りで洋食にも合う
龍神酒造[館林市]
尾瀬の雪ゆきどけ
純米大吟醸 生詰
2970円(1.8ℓ)
県南部の館林で、米本来の味を大切にしながら醸す蔵。本品は50%精白の純米大吟醸ながら、3000円を切る高コスパを誇っています。甘い果実のような香りとなめらかな舌触りで、余韻も上質。イタリアンなどの洋食とも相性が良いです。
【蔵元が語る地元との関わり】
館林の水の良さをお酒で実感してください
地元・館林のキャッチコピーは「水と緑のまち」。その豊富な水を生かした酒造りをしています。仕込み水は自社の井戸から汲み上げた口当たりのいい軟水で、お酒でもその良さを実感して頂けます。
【地元に来たらコレと合わせて!】
◉ うなぎの蒲焼き
◉ 川魚料理
その2
しぼりたての酒の“旬”が楽しめる1本
島岡酒造[太田市]
群馬泉(ぐんまいずみ)
初しぼり
3100円(1.8ℓ) ※12月末~2月末発売
利根川と渡良瀬川の清流に囲まれ、清冽な水資源に恵まれた蔵。本品は、山廃で醸した酒の生まれたての味わいをそのままビン詰めした1本です。フレッシュな風味と香り、うすにごりの旨みが楽しめます。
【蔵元が語る地元との関わり】
昔から地元で飲まれてきた酒をブラッシュアップしたい
使用米は、ほとんどが群馬県産。蔵では、今風のスタイリッシュな酒造りは目指していません。昔から地元で飲まれてきた酒をブラッシュアップし、国内外の方に楽しんで頂きたいと思っています。
【地元に来たらコレと合わせて!】
◉ モツ煮込み
その3
華やかな香りで後味は爽快!
町田酒造店[前橋市]
町田酒造55(まちだしゅぞうごじゅうご)
特別純米
2808円(1.8ℓ)
5代目の町田晶也・恵美夫妻を中心に営む蔵。データ重視のきめ細かい品質管理を行っています。「町田酒造」は、丁寧に造り込んだ限定流通の純米酒シリーズ。本品は華やかな香りとフレッシュな味わいが特徴で、後味も爽快です。
【蔵元が語る地元との関わり】
利根川の伏流水を汲み上げて酒造りに使用しています
超軟水の利根川の伏流水を、敷地内の井戸から汲み上げて使用。昨年は、地元酒店とコラボしてプライベートブランドを出すなど、地元との繋がりも大事にしています。
【地元に来たらコレと合わせて!】
◉ さしみこんにゃく(酢味噌やポン酢、にんにくドレッシングと)
◉上州豚のバラ肉のしゃぶしゃぶ
◉焼きまんじゅう
その4
シャンパンを目指した華やかな味わい
永井酒造[利根郡川場村]
MIZUBASHO(みずばしょう)
PURE(ぴゅあ)
4860円(720㎖)
シャンパンと同じ製法の発泡性清酒MIZUBASHO PUREが誕生したのは8年前。その開発で製法特許を取得しました。きめ細かい泡と味わいは冷蔵庫で冷やした後、4~8℃の氷水を入れたワインクーラーで楽しみたいところです。
【蔵元が語る地元との関わり】
地元・川場村の水を森ごと守っています
「水芭蕉」「谷川岳」のブランド名の通り、美しく綺麗な酒を目指しています。地元の水を守るため、創業時から、仕込み水が取れる沢の両脇の森を買い足しています。
【地元に来たらコレと合わせて!】
◉ おっきりこみ(煮込み麺料理)
◉ぐんますき焼き
◉かわば丼(県産地鶏やこんにゃくを使った丼ぶり)
その5
わが子のように育てたフレッシュな酒
松屋酒造[藤岡市]
流輝(るか)
純米吟醸 舟搾り無濾過(ふなしぼりむろか)
山田錦生
2862円(1800㎖)
全工程を手作業で行い、小仕込みで丁寧に醸す蔵元。流輝の名は、「わが子のように育てていきたい」と蔵元の松原広幸氏が自分の子につけたかった名を命名しました(実際に子どもにつけようとしたところ、奥さんの反対で断念)。本品はフレッシュな味わいながら香りは穏やかで、料理との相性が良いです。
【蔵元が語る地元との関わり】
農薬を使わず米を育てる地元農家を応援しています
約200石を家族で醸す小さな蔵元です。造りに使う米には、県産米を積極的に使用。なかでも、藤岡市で農薬を使わずに米を育てている福田農園様を応援しています。