スパークリング日本酒の一大ブランド「澪」(みお)が2021年で発売10周年を迎えるということで、その戦略発表会が開催されました。新たに浅田真央さんをアンバサダーに迎えるなど今後の展開を紹介するとともに、これまでの歩みや「澪」の特徴などにも触れていきます。
次世代に向けた飲みやすい日本酒を目指して開発
まずは「澪」の概要から見ていきましょう。蔵元は宝酒造で、正式な商品名は同社のブランド「松竹梅」を冠した“松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒”です。誕生の背景には、嗜好の多様化などに伴って日本酒市場全体が落ち込んでいた状況がありました。そこで考えられたのが、次世代に向けた飲みやすい日本酒です。
こうして新たな日本酒の開発がスタートしてから約6年後、2011年にデビューしたのが「澪」。その名称には、「浅瀬の水の流れ」や「船が通ったあとにできる泡の跡」という意味がある「澪」を採用。浅さを低アルコール、泡の跡を発泡性にたとえており、清酒の新しい流れを作るという思いが込められています。さらに、イタリア語でMIOが「私の」という意味を持つことから、日本酒にあまりなじみがなかった人にも「私のお酒」として楽しんでほしいという願いもあるとのこと。そんな「澪」は、ほんのりした甘さとほのかな酸味、低アルコールとやさしい泡が相まって飲みやすく、若者や女性を中心に、日本酒の入口として人気に火が付きました。
当初は通販と全国の百貨店や飲食店限定で発売されましたが、スーパーなどの小売店でも販売してほしいという要望が多く、2013年にはコンビニを含む全ルートで販売されることに。2015年には甘さ控えめの「松竹梅白壁蔵『澪』<DRY>スパークリング清酒」が加わるなどラインナップも拡充し、2020年には累計販売本数が7000万本を突破。いまやスパークリング清酒カテゴリーの82%(出所:インテージSRI 2019CY)を占める一大ブランドとなりました。
プロスケーターの浅田真央さんがアンバサダーに就任
発表会の後半からは、アンバサダーに就任したプロスケーターの浅田真央さんが登壇しました。お酒のなかで日本酒が一番好きだと言う浅田さん。なかでも「澪」は初めて飲んだスパークリングタイプで、「お米からできていると思えないほど、フルーティな香りで驚きました」と、そのときの感想を教えてくれました。
浅田さんは「澪」と料理のペアリングにも言及。たとえば冬は鍋や正月のおせちといった和食、そのほかイタリアンやスパイシーな料理にも合い、「特にカレーのスパイスと『澪』のフルーティな味が口のなかで混ざるのが好みの組み合わせ」とのこと。また、自身の得意料理である唐揚げにも合うかもと、「澪」の多彩な魅力を教えてくれました。
やさしい甘さと爽やかな余韻が印象的
今回、筆者も改めて「澪」を飲んでみました。こうして味わってみると、まず香りからして印象的。例えるならマスカットやライチでしょうか。日本酒のことを「ライスワイン」とはよく言いますが、ワインのように果実味豊かなアロマが鼻孔をくすぐります。
口に含めば、フルーティでやさしい甘さと発泡によるキリっとした爽やかな余韻が印象的。確かに、氷上を妖精のように舞う浅田さんのイメージとリンクします。年末年始のお祝いにもぴったりだといえるでしょう。
国内だけでなく、アメリカ、香港、イギリスを筆頭に欧米とアジアなど約25か国にも輸出されている「澪」。世界中にファンがいる浅田さんとの相乗効果で、今後いっそう日本を代表するスパークリング日本酒としての存在感を高めていくでしょう。「澪」の発売からちょうど10周年となる2021年6月21日にはファンイベントの開催も予定しているとのこと。今後いっそう目が離せません。
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