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2021/10/5 17:00

ジンの最高峰「ボンベイ・サファイア」を知れば自然と身に付く! 最高の「ジントニック」を楽しむ方法

洋酒における「ジン」の勢いが止まりません。なかでも、小規模の蒸留所でつくられる個性的な「クラフトジン」のニューフェイスが増え、作り手と消費者ともに盛り上がっています。こうしてジンが再評価されればされるほどに、孤高の存在感を増すマスターピースが「ボンベイ・サファイア」。その真価を知れば、ジンそのものの魅力をより深く知ることに。カクテルの大定番でもある「ジントニック」を究極的においしく作る方法とともに、知る人ぞ知る一流バ-テンダーに伝授していただきました。

 

ボンベイ・サファイア

世界ナンバーワン(※2020年1~12月販売量・金額において/IWSR社調べ)のプレミアムジン。1761年から続く伝統的なレシピ、世界中から厳選されたボタニカル、そして独自の「ヴェイパー・インフュージョン製法」から作り出される洗練された味と香りが魅力です。

 

「ボンベイ・サファイア」とジンの魅力を再発見する、5つの疑問

訪ねたのは、渋谷にあるバー「LIQUID FACTORY(リキッドファクトリー)」。バーテンダーの日本大会で優勝し、世界大会でも3位に輝いた、齋藤恵太さんのお店です。あらためて「ボンベイ・サファイア」の魅力や味わいの特徴などを聞きました。

↑齋藤恵太さんは、アジア最大のジンの祭典「ジンフェスティバル 東京」に初回の2018年から協力しているジンの伝道師でもあります

 

1.「ボンベイ・サファイア」は、なぜ“世界ナンバーワン”と言われるの?

「ボンベイ・サファイア」のルーツは、1761年にロンドンで誕生した「ウォリントン・ドライ・ジン」。このレシピをベースに、1960年に発売されたのが「ボンベイ・ドライ・ジン」です。しかし当時はウォッカの人気が強く、一方でジンは低迷。この暗黒期に革命をもたらしたのが、1987年にデビューした「ボンベイ・サファイア」でした。

 

アートのように美しい青色のボトル、ボタニカルや蒸留方法の開示等、常識を覆す革新性は「GINNOVATION(ジノベーション)」と称されたほど。芸術性やおいしさともに、今日のジンブームに大きく貢献した傑作と言われ、触発されたクラフトジンブランドも数知れず。齋藤さんも「ジンにはいろいろな種類がありますが、僕が一番よく使っているのは『ボンベイ・サファイア』ですね」と言います。

 

「ジンブランドが増えたのは、この5年ぐらいのことでしょう。僕が飲食業界に入ったのは約15年前ですが、その頃は片手で数える程度しか、どこのバーにも置いていなかったと思います。でもそれらのどのバーにも、当時から『ボンベイ・サファイア』は必ずありました。普遍的な美しさや味わいが、いまも世界中のバーテンダーやジンのファンに愛され続けている理由なのだと思います」(齋藤さん)

 

2.「ボンベイ・サファイア」って、そもそもインドに関係あるの?

「ボンベイ・ドライ・ジン」を発売したのは、ニューヨークで弁護士業を営んでいたアラン・スビン氏。起業家としての一面もあったアラン氏は、新しいジンに商機を見出し、妻の故郷イギリスで「ウォリントン・ドライ・ジン」のレシピに出合い、販売権を取得したのです。

 

「発売に際して意識したのが“イギリスらしさ”。そこで、イギリスが最も繁栄した時代の象徴として、ヴィクトリア女王と、インド統治時代に繁栄した都市・ボンベイ(現ムンバイ)からインスピレーションを受けてブランド名にボンベイ、ロゴにヴィクトリア女王をあしらったのです」(齋藤さん)

↑ヴィクトリア女王(左)が治めた大英帝国時代は、植民地統治が盛ん。インドなどの植民地では、マラリア予防として効果があるキナ(キニーネ)を服用したとか。このキナは非常に苦いそうで、この味を飲みやすくするために水に砂糖とライムを加え、そこからジンを加える手法が確立。やがてジントニックに発展したと言われています

 

3.「ボンベイ・サファイア」は高級感があるけど、実際どういったところがプレミアムなの?

「ボンベイ・サファイア」がプレミアムジンである理由のひとつに、素材を贅沢に使っていることが挙げられます。ベースとなるスピリッツには、土壌の養分を多く含む冬小麦を100%使用。そしてボタニカルもすべて天然の原材料を収穫し、手作業で乾燥させて風味を付けています。

 

蒸留の責任者とは別にボタニカルの責任者がいるのも、メーカーであるボンベイ・スピリッツ社の特徴。これは豊作や不作に関わらず、最高品質のボタニカルを使用するためであり、毎年品質を見極めています。また、蒸留後は加水のみでボトリングするため、ボタニカル本来の香りと味わいが際立っているのも『ボンベイ・サファイア』の魅力ですね」(齋藤さん)

↑ボタニカルを直接スピリッツに浸し煮沸すると、雑味やえぐみまで抽出してしまうもの。ボンベイ・スピリッツ社では、直接浸さず、加熱させて蒸気(ヴェイパー)となったスピリッツを銅製のバスケットに収めたボタニカルを通過させることで、香り高い部分だけを吸収(インフュージョン)。これが「ヴェイパー・インフュージョン製法」であり、並外れた風味のバランスとデリケートなフィニッシュを楽しむことができます

 

4. 実際、飲むとどんな味わい?

世界中から厳選し、手作業で仕込まれた10種のボタニカルが「ボンベイ・サファイア」の味の決め手です。一般的なジンは口内とアフターで味と香りの値が高く、のど越しが強くなりがちな一方、「ボンベイ・サファイア」はその値が全体的に高いためバランスが取れた味わいになるのだそう。

 

香り豊かで甘みや苦みがちょうどいい、ジンのお手本といえる味。まとまりがいいので、カクテルのベースにしても馴染みがよくて使いやすいんです」(齋藤さん)

↑「ボンベイ・サファイア」で使用されるボタニカルは10種。すべての種類とその生産地を開示し、ボトル側面に描いているのも特徴です

 

5. ボトルの色が特徴的だけど、どういう意味が込められている?

「ボンベイ・サファイア」は美しいデザインも印象的。ボトルに用いられているサファイアカラーはイギリス王室との関係性が強く、またサファイアはインドを代表する宝石のひとつ。イギリスのエレガントな格式高さにインドのラグジュアリーな様式美をまとわせたのが「ボンベイ・サファイア」なのです。

↑1990年代に開催された、マティーニのデザイングラスコンテストの取り組み

 

ときにデザインコンテストを開催するなど、1987年の誕生時からアートに根差し、世界中のクリエイターから支持されてきた「ボンベイ・サファイア」。それは、ブランドのコンセプト“かきたてる好奇心”にも通じています。そして今秋、このコンセプトを踏襲して開催されているのが「ジントニック・アートグラス・コンペティション」です。

 

ハイセンスなアートグラスが手に入る!
「ジントニック・アートグラス・コンペティション」をオーディエンスとして楽しむには?

「ジントニック・アートグラス・コンペティション」は、さまざまなクリエイター向けに特製グラスのアートワークを一般公募するもの。特別審査員が、数百ものエントリー作品からTOP9に絞り、その後の一般投票による二次審査で、3作品の“グランプリ”が決定します。

↑特別審査員は、「スープストックトーキョー」や「PASS THE BATON」などを展開する実業家の遠山正道氏をはじめとする3名が務めています

 

そして今回、特別審査員による一次審査を通過した9作品がこちら。

↑一般投票による二次審査を経て、2022年1月に3作品のグランプリが決定。この3作品は、実際にグラスとして製品化されます

 

一般ユーザーによる二次審査は、2021年10月から店頭販売されるボトルに付く投票券で応募が可能(店舗によっては投票券付ネッカーがない場合もあります)。そして、最終的にグランプリに輝いた3作品に投票した人には、もれなく該当のグラスが1投票につき1点プレゼントされるという胸熱ぶり。これは見逃せない!

「ジントニック・アートグラス・コンペティション」の詳細はこちら

 

このアートグラスを手に入れたら……もちろん、アーティスティックなデザインにふさわしい、とっておきのジントニックを飲みたいですよね。齋藤さんに伝授していただきました!

 

予習しておこう! プロが教える、究極の「ジントニック」の作り方

ジンを楽しむには、大定番カクテル「ジントニック」が最適。一般的にはライムを搾りますが、齋藤さんの店「LIQUID FACTORY」では、ジンの魅力をより表現するため、あえて使わないそう。今回は、その究極的にシンプルな一杯の作り方を教えてもらいました。

 

【準備】

↑用意するのは「ボンベイ・サファイア」のほかに、トニックウォーター、メジャーカップ、マドラー、グラス。氷も準備しましょう

 

【作り方】

1

↑まずは氷を入れてグラスを冷却。温度を下げることによって炭酸が抜けるのを防ぐためです。氷からとけた水はグラスから出し、加水による味の薄まりを抑えるのもポイント

 

2

↑ジン1に対し、トニックウォーターの割合は3。例えばジンが30mlであればトニックウォーターは90ml入れ、計120mlのジントニックを作ります

 

3

↑トニックウォーターを注ぐ前にジンを氷で冷やします。ここでも加水されすぎないよう、マドラーを回す回数は最低限に

 

4

↑トニックウォーターは、炭酸があまり抜けないよう静かに。氷には当てず、側面を沿うように注ぐのがコツです

 

5

↑炭酸の対流によって自然と混ざるため、氷を少し動かせばOK。マドラーを回す目安も半周程度とのこと

 

6

↑完成。柑橘の爽快感をより楽しみたい人は、ライムを搾りましょう

 

ジントニックの甘み、苦み、酸味、爽快感をバランスよく上品にまとめてくれるのが「ボンベイ・サファイア」。そこにアーティスティックな専用グラスがあれば、家でもよりおいしさを堪能できるはず。「ジントニック・アートグラス・コンペティション」は9作品に投票すればグランプリの3つすべてを確実にゲットできてしまうという裏技も! ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

「ジントニック・アートグラス・コンペティション」の詳細はこちら

 

【店舗情報】

LIQUID FACTORY

日中はコーヒーとミルクシェイク、夜はクリエイティブなカクテルを楽しめるラボ兼バー。アジアのすべてのバーを対象とした「ASIA’S 50 BEST BARS」においてTOP100にランクイン。

住所:東京都渋谷区宇田川町42-12 SALON渋谷 1F
アクセス:JRほか「渋谷駅」ハチ公口徒歩8分
営業時間:火曜~金曜 9:00~翌1:00、土曜 11:00~翌1:00、日曜・祝日 11:00~24:00
定休日:月曜

https://www.liquidworks-jpn.com/liquid-factory

※緊急事態宣言の発令などで営業時間が変更になる可能性がありますので、ホームページを確認してください。

 

写真/湯浅立志(Y2)