手早く安く食べられることから、都心を中心にニーズが高い立ち食いそば。GetNavi webでは、これまで選りすぐりの立ち食いそば屋を紹介してきましたが、今回は立ち食いそばの原点である、鉄道駅構内のお店を厳選しました。最近は味の改良やメニューの工夫により、魅力的なお店が続々と登場中。ここでは、そんな駅そばの名店をまとめて紹介していきます。
大規模「立ち食いそば」チェーンの本命店5選ーー各店の真髄を味わうべし
1、しぶそば 蒲田店/東急電鉄蒲田駅改札内
「しぶそば」は東急電鉄系の駅そば店として沿線利用者にはおなじみ。なかでも蒲田店は「ここはうまい」と絶賛するしぶそばファンが多い。
そばのコシやかき揚げのサクサク感はハイレベル!
人気の「ぴり辛ねぎそば」を冷やしで食べて驚いた。冷水でキュッと締められたそばは生麺ゆで置きだが、想像以上にコシがある。豆板醤や砂糖、もりつゆなどをブレンドした特製だれが絡めてあり、シャキシャキしたネギの辛みと豆板醤のピリ辛さ、つゆの甘みがあいまって、夢中で完食してしまうほどうまい。刻みチャーシューのうまみも絶妙なアクセントだ。
温そばではやはり「かき揚げそば」が人気。つゆはあっさり甘めながら、かつお節とさば節で取っただしのうまみが利いている。天ぷらは揚げ置きをの時間を極力短くしているため、サクサクの状態で食べられるのもうれしい。
同店は常連客も多く、店内では忙しいなかでも、客の気さくな挨拶にスタッフがにこやかに応えている姿が見られる。そばのおいしさだけでなく、その気持ちのよい接客も、この店が多くの人々に愛されている理由だろう。
2、箱根そば本陣/小田急新宿駅地下コンコース
小田急とJRの改札をつなぐ地下コンコースという絶好の位置に店を構える「箱根そば本陣」は、小田急系チェーン「箱根そば」の旗艦店。
ほぼゆでたてのそばが注文して10秒で食べられる
1日に約2600人が利用するほどの人気店のため、同店では客を待たせないようにスタッフを常時10人配置。1オーダーを10秒以内で提供する。
そばを提供する早さも特徴だが、同店の魅力はやはり味。そばは細麺でコシとのどごしが良好だ。生麺をゆでると同時に注文が入るので、常にほぼゆでたて。つゆはかつおと宗田の天然節からだしを取り、やや甘いかえしと合わせている。
同店では定番の「かき揚げそば」のほか、滋味あふれる「山かけそば」も人気。また、トッピングが豊富でリーズナブルな「朝そば」もオススメだ。
3、弥生軒/JR常磐線我孫子駅ホーム内
「弥生軒」はJR常磐線我孫子駅ホームで約50年間近く営業を続ける駅そば店。太くて柔らかめのゆで麺、黒くて濃厚な甘辛のつゆは、まさに関東の立ち食いそば伝統の味といえる。
伝統の味と超巨大唐揚げが融合したB級グルメが人気!
そんな「弥生軒」の名物は何といっても「唐揚そば」。巨大な唐揚げがそばを覆うように2個のって540円と激安だ。約20年ほど前から始めたメニューだが、「弥生軒の唐揚げは大きい」と評判になるにつれ、徐々に巨大化が加速したという。
鶏肉にしょうが醤油の下味がついた唐揚げの、さらにそばつゆが浸みた部分をかじってそばをすすると、恐ろしいほどの幸福感、満足感に包まれる。
わざわざ遠方から食べにくる人も多いという同店の「唐揚そば」は、見た目、味ともに最強のB級グルメだ!
4、あずみ 大崎店/JR山手線大崎駅改札内
平成14年、JR大崎駅構内のショッピングモール内に開業した「あずみ」は、清潔な店内に落ち着いた和の雰囲気が漂う店。全席椅子席で、女性客も多い。
だしが香る上品なそばを電車の眺めとともに味わう
独自のだしパックで取っただしに「追加だし」を加えてうまみを増したつゆは、かつおの香りが鮮やかだ。かえしはしょうゆが立ちつつも、あと味がさっぱり。生麺ゆでたてのそばは、コシのある細打ちで食べ応えがある。
人気の「かき揚げそば」は、かき揚げの衣に甘みがあって、辛めのつゆとの相性がいい。彩りに添えられた三つ葉も味のアクセントになっている。
ちなみに同店は、窓から電車の発着が見下ろせる鉄道ファンの穴場スポット。長居は禁物だが、ときには電車を眺めながらそばを味わうのも面白い。
5、狭山そば 所沢店/西武鉄道所沢駅ホーム内
「挟山そば」は昭和51年から所沢駅ホームで営業している歴史ある駅そば店だ。
地元住民や鉄道ファンなど幅広い層に愛される名店
駅構内の改築に伴い、平成23年に閉店したが、再開を望むファンの声を受け、翌々年6月に再出店。その際は地元の人はもちろん、鉄道ファンや駅そばファンも喝采を送った。
そばはやや太めで平打ちのゆで麺。柔らかくモチッとした食感は昔ながらの立ち食いの麺だ。つゆはかつおだしをベースに、やや甘めながらかえしが利いた味わい。名物の「肉そば」のほか、夏は「冷やし天ぷらそば」が人気だ。
夜は「シメの一杯」を求める客で店内は賑わう。場所柄、西武ライオンズファンが立ち寄り、店内で大いに盛り上がることも多いという。幅広い市民が集う同店は、駅そば以上の価値を持つ場所なのだ。
6、新田毎/JR総武線秋葉原駅ホーム内
「新田毎」は、JR秋葉原駅の総武線下りホームにある店。1968年の創業以来、長い間秋葉原の通勤客の腹を満たしてきた老舗だ。
ゆでたて麺とうまいつゆに1日1000人の客が舌鼓
1日の来店客数は平均1000人! 朝7~9時やお昼は満席状態が続き、夜9時以降も帰宅途中の客で賑わう。ほかの時間帯も、客が絶えることはない。
そばは生麺を5人前ずつ、混雑時は20人前まとめてゆでる。注文が次々入るのでほぼゆでたて。つゆは、だしの濃厚なコクにしょうゆのうまみ、ほどよい甘みが加わった力強い味わいだ。
揚げ物の種類も多く、定番の天ぷらそばをはじめ、春菊そば、とり天そばが人気。また、月水金は天丼セット、火木土日はステーキカレーが超サービス価格で提供される。ステーキカレーは、1日に300食出る人気ぶりだ。
7、高幡そば 明大前店/京王線明大前駅改札内
「高幡そば」は京王線の“駅そば”として親しまれてきた店。同系列の「万葉そば」などに多くの店が業態変更し、現在「高幡そば」は明大前店と高幡不動店のみとなっている。
ゆで麺とつゆのうまさがさりげなく光る王道の駅そば
この明大前店は、10人ほどで満席の狭い店構えだが、平日は1日400~500人が訪れる。スピード勝負の駅そばらしく、そばはさっと温められるゆで麺。細身のそばののどごしも悪くない。かつおだしとかえしを合わせたうまみの強いつゆが柔らかいそばによく絡み、実にゆで麺らしいうまさだ。
天ぷらはかき揚げやごぼう天、コロッケなど5種類。店内で揚げるわけではないが、オーブンで天ぷらを温めてサクサク感が復活した状態で提供される。
同店は、朝の出勤途中や昼の移動の合間、一杯飲んだ帰りなど、京王線利用者に欠かせない存在となっている。
※価格やメニューは変更されている場合があります