グルメ
お酒
2021/12/8 11:15

俳優・咲妃みゆが、ふるさとの銘酒「一刻者」に向き合った。「最高の飲み方×最高に合う宮崎の食」を体験して改めて思うこと

「私は一刻者なんです」と笑顔で話すのは、俳優・歌手として活躍する咲妃みゆさん。一刻者(いっこもん)とは南九州の話し言葉で頑固者、自分を曲げない人のことを指し、宮崎出身の咲妃さんならではの例えだが、彼女と一刻者にはひとつの共通点がある。宝酒造の全量芋焼酎「一刻者」のふるさと、宮崎県高鍋町出身であるということだ。

 

↑宮崎県高鍋町の黒壁蔵で造られる本格芋焼酎「一刻者」。2021年に20周年をむかえた。芋と芋麹だけの芋以外の原料を使用しない「全量芋焼酎」である

 

 

今回はそんな咲妃さんに、地元が誇る銘酒の魅力や楽しみ方などをナビゲートしてもらう。また、高鍋町で過ごした思い出を振り返りつつ、ふるさとへの想いや自身のこだわりを語ってもらった。

 

宮崎の魅力はあたたかさ

宝塚音楽学校に入学する17歳までを宮崎・高鍋町で過ごし、現在は町のふるさと応援大使も務めている咲妃さん。まずは「唯一無二のふるさとです」という、故郷への想いを語ってもらった。

 

「私にとって一番の魅力は、あたたかさです。それは気候の暖かさであり、何より現地の皆さんが温かくて。優しく、愛にあふれた方々に囲まれて過ごしました。離れて暮らしていると、いっそう心地よさに気付かされますね。とにかく私は宮崎が大好きなんだなって思います」(咲妃さん)

 

咲妃さんお気に入りの場所のひとつが海。特に高鍋駅から徒歩数分の場所にあり、「蚊口浜(かぐちはま)」と呼ばれる有名な浜辺が大好きだとか。家が近いこともあり、春は潮干狩り、夏は海水浴、秋冬は高鍋名物の天然かきを海辺のレストランで食べたりと、季節を問わず訪れていたという。

↑咲妃さんもよく訪れた蚊口浜

 

「特に夏休みは毎日のように妹と一緒に泳いだり、砂浜で遊んだり。両親から『貝殻で足を切っちゃうことがあるから気を付けてね』と言われたのに、無邪気に遊んで結局貝殻でケガをしたこともありました。あさりも持ち帰って食べるとすごくおいしいんです。かきフライやあさりのみそ汁、炊き込みご飯など、ごちそうでしたね」(咲妃さん)

 

料理はなんでも好きだという咲妃さんだが、ジャンルを挙げるなら和食が好み。そのなかには当然宮崎の郷土料理も含まれており、チキン南蛮や冷や汁などはいまでもよく食べるそう。家庭での食事のシーンを振り返ると、夕食の風景には芋焼酎を傾ける父親の姿があり、昔から馴染みがあったという。

 

「宝酒造の『黒壁蔵』(※)といえば、高鍋町民の誇りです。工場の佇まいもカッコイイと思っていました。『一刻者』など宝酒造の焼酎は全国のお店で見かけますけど、私にとっては昔から、身近な存在ですね」(咲妃さん)

 

※黒壁蔵…… 宮崎県高鍋町にある宝酒造の焼酎製造の要となる施設。詳しくはコチラ

 

↑黒壁蔵にある石蔵

 

私にしかできない心を込めたパフォーマンスを。

「一刻者」にはその名の通り、原材料や製法にも造り手の頑固な「こだわり」が凝縮されている。では、俳優やヴォーカリストとして表現する立場の咲妃さんの「こだわり」とは?

 

「第一に、私にしかできない心を込めたパフォーマンスをすること。お芝居でも歌でも、その瞬間に集中して役や曲と向き合っています」(咲妃さん)

 

プライベートでは物事を柔軟に捉えていきたいとは思いつつ、よりよいものを創り表現するプロフェッショナルとしては譲れないことばかり。その部分は自分でもはっきり自覚するほど頑固だとか。それだけに、第三者からも頑固だと言われることが多いそう。

 

「たまに占いや性格診断を受けるんです。すると、必ず『頑固な性格ですよね』と当てられるんです。そう聞くと、『私って頑固なんだな~』って(笑)。だから、やっぱり私は一刻者なんです」(咲妃さん)

 

宮崎料理の名店で「一刻者」のおいしい飲み方とフードペアリングを学ぶ

ここからは、本場宮崎の食材をふんだんに使用し、東京にいながら本場の宮崎料理を堪能できる「宮崎料理 万作 KITTE丸の内店」の名尾樹太郎さんが、咲妃さんに飲み方やフードペアリングをレクチャー。咲妃さんにはその感想を聞かせてもらった。

 

ロックは華やかさが際立ち宮崎牛の力強い個性と調和

↑「宮崎牛肩ロースのステーキ」2980円。「宮崎料理 万作KITTE丸の内店」では「一刻者」のロックを、作りたての氷で提供。しかも氷は、とけにくい大きさに割っている

 

「宮崎牛は、“和牛のオリンピック”と称される『全国和牛能力共進会』で、内閣総理大臣賞を史上初となる3大会連続で受賞したブランド。肩ロースは、赤身の旨みと脂の甘みが好バランスな部位で、塩こしょうの味付けによりその魅力をダイレクトに味わえます。お肉の力強さを邪魔せず、おいしく調和してくれますよ。

合わせるお酒は『一刻者』のロック。大きめの氷と、それが入るグラスを用意しました。家で飲む場合は、できればお店で売っているようなとけにくくて大きい氷がオススメです。なぜなら『とけにくい=加水されにくい』なので、『一刻者』本来の魅力をより楽しめるからです。ぜひ合わせてみてください。ダイナミックな『一刻者』の味わいが、お肉の力強さとおいしく調和してくれますよ」(名尾さん)

 

「ステーキはしっかりした味と、ジューシーな脂の旨みがありますが、重くなくていくらでも食べられそうです。そこに合わせる『一刻者』のロックがまたいいですね! 芋の華やかな香りとキリッとした爽やかさが絶妙で、お肉の個性とよく合います」(咲妃さん)

 

↑「芋らしい香りが華やか。どっしりとした飲み口も魅力ですね」と咲妃さん

 

サラッと飲みやすい水割りが甘み豊かな旨煮の味を引き立てる

↑「万作本店名物 旨煮」700円。水割りは、同店では焼酎3に対して水は7。軽い飲み口がお好みの方には2対8がオススメとのこと

 

「旨煮は、いわゆる筑前煮の宮崎版ともいえる一皿。鶏肉と根菜類を九州の甘醤油で濃いめに炊き上げており、当店では焼酎でまろやかさを加えています。オススメの飲み方は、ロックよりやわらかいタッチの、水割り。当店では焼酎3に対して水は7で提供しておりますが、軽い飲み口がお好みの方には2対8でも。『一刻者』の水割りは、清涼感のなかに芋の甘みも感じられ、甘醤油を使った料理にはよく合いますよ。どうぞお召し上がりください」(名尾さん)

 

「こうして飲み比べると、印象がだいぶ変わりますね。舌触りがやさしくて、すっきりとしています。旨煮は、この甘じょぱっさが私にとっては安心するおいしさ。そうそう!ってうなずける、テンションの上がる味わいです。甘やかなコク、華やかな香りはありつつサラッと飲みやすい水割りも、よく合いますね」(咲妃さん)

↑「『一刻者』は、甘じょっぱい醤油味の料理全般によく合うと思います」と咲妃さん

 

爽快なソーダ割り×ジューシーな炭火焼きのおいしいループ

↑「宮崎の銘柄鶏 霧島鶏のもも焼き」1950円。炭酸の刺激が爽快感を演出するソーダ割りは、一杯目として人気が高い飲み方だとか

 

「鶏の炭火焼きは、当店の定番中の定番です。霧島山のすがすがしい空気と湧き水で育てられた銘柄鶏を使っていて、現地のコリッと力強い弾力ではなく、あえてジューシーさを打ち出した味わいになっています。味付けにもクセがなく、『一刻者』本来の香り高さを邪魔しないのでおいしいペアリングが楽しめますよ。お好みで柚子胡椒をお使いください。

合わせるソーダ割りは、焼酎1に対してソーダ2がオススメです。炭酸の刺激が抜けないよう、グラスの縁に沿ってゆっくり注ぎ、マドラーで軽く1回ステアして完成。氷はロックのとき同様、大きくとけにくいものがベターですね」(名尾さん)

 

「鶏の炭火焼きも大好きなソウルフードです。確かにやわらかめで、肉汁のうまみも豊かでおいしい! そしてソーダ割りも最高ですね。芋焼酎の甘い香りにソーダのキレが加わって、クリアな爽快感。炭火焼きの柚子胡椒の柑橘感ともマッチし、おいしいループが止まりません! あと、私は地元の高鍋餃子も好物なのですが、あのジューシーな味にもソーダ割りが合うと思います」(咲妃さん)

 

↑「飲みやすいソーダ割りは焼酎入門にもオススメの割り方ですね。『一刻者』のフルーティな風味も、いっそう引き立ちます」(咲妃さん)

 

お湯割りのフルーティな香味が豚炭火焼きの甘みとマッチ

↑「ぶどう豚の肩ロース炙り焼き」1580円。焼酎のお湯割りは、お湯を先に入れて割るのがポイント。こうすると、よく混ざるのだとか。割合は焼酎が濃いめで7対3、もしくは6対4がオススメ

 

「ワイン醸造で有名な、宮崎県綾町のぶどうの搾りかすを飼料にして育てた豚の肩ロースを炭火でグリルしています。さっぱりとしたかんずり酢味噌とともにお召し上がりください。

これからの季節に特にオススメなのがお湯割りです。割合は焼酎が濃いめで7対3、もしくは6対4、温度は70度前後がオススメ。水割りより濃いめに作りますが、まろやかで強すぎる感じはないと思います」(名尾さん)

 

「豚肉は外が香ばしくて中はジューシー。素材の味わいが濃く、脂の甘みもダイレクトに感じられます。この、あふれるような肉汁を包み込むように調和するのが『一刻者』のお湯割りです。『一刻者』のフルーティな香味が引き立って、味はホッとするような心地よさ。温かい料理にもすごく合いますね」(咲妃さん)

 

↑「ポカポカしてきます。『一刻者』は冷たくても温かくても、どの温度帯でもおいしいのがまた魅力ですよね」と咲妃さん

 

「一刻者」とともにおいしい時間を

飲み方別に4つの「一刻者」と、そのフードペアリングを堪能した咲妃さん。ボトルとグラスをまじまじと見つめながら、つぶやいた一言が印象的だった。

 

「父を思い出します。こんど帰省したら、一緒に飲みたいなぁ」

 

様々なステージで活躍し、走り続ける咲妃さん。充実感には満たされつつも多忙であり、またコロナ禍にも阻まれてしばらく帰省はできていないと言う。そのさなか、今回堪能した同郷の「一刻者」が、ふるさとに思いを馳せさせ、一時の安らぎを与えたのかもしれない。

 

“日本のひなた”と称される宮崎。晴れて帰省する日には、お父様と「一刻者」を酌み交わしながらあたたかなひとときを過ごすのだろう。咲妃さんのほがらかな表情から、ぬくもりあふれる光景が目に浮かんだ。

 

 

 

【PROFILE】

咲妃みゆ(さきひ・みゆ)

1991年宮崎県生まれ。2010年宝塚歌劇団に入団し、月組に配属。2014年雪組トップ娘役に就任。2017年の「幕末太陽傳」おそめ役を最後に、7月に宝塚歌劇団を退団。その後は俳優として様々な作品に出演するほか歌手としても活躍。アルバムは「First Bloom」「MuuSee」の2枚を発売している。現在放映中の映画「アイの歌声を聴かせて」ではプリンセス・ムーン役を担当し、劇中歌「フィール ザ ムーンライト ~愛の歌声を聴かせて〜」のヴォーカルも担当。2022年は2月〜7月に上演される舞台「千と千尋の神隠し」に、リン役で出演予定。

 

【フォトギャラリーでは記事内で使用されてない画像もご覧頂けます】

 

【SHOP DATA】

宮崎料理 万作KITTE丸の内店

木を基調とした温かみのある空間に、個室、カウンター席、テーブル席と多彩なシートを完備。ランチも営業していて、ディナーにはコースも用意している。東京駅直結でアクセスがよく、会食にも最適だ。咲妃さんの故郷・宮崎のご馳走が多彩に揃い、今回紹介したあらゆる飲み方で、「一刻者」とのフードペアリングを楽しめる。

住所:東京都千代田区丸の内2-7-2 KITTE 5F
アクセス:JRほか「東京駅」より地下にて直結。徒歩1分
営業時間:11:00~15:00(L.O.14:15)、17:00~23:00(L.O.21:45) ※日祝、22時まで(L.O.20:45分)
定休日:KITTEに準ずる

公式HPはコチラ

 

写真/村田 卓(go relax E more)