人と暮らしをワインで結ぶライフスタイルメディア「WINE OPENER」から、ワインが楽しくなる基礎知識をお届けします。
深いルビー色の赤ワインがグラスに注がれる様子はとても美しく、うっとりしてしまうほど。この魅力的な赤ワインについて、みなさんはどのくらいご存知でしょうか? この記事では、赤ワインについての基礎知識をご紹介します。
この記事でわかること
赤ワインの特長
赤ワインとは、黒ブドウを発酵させて造るワインのこと。独特の鮮やかな赤い色味が特長です。
製造過程でブドウの果汁をしぼるとき、果実だけでなく果皮や種なども丸ごと使用しています。黒ブドウの果皮には赤い色素が含まれているため、仕上がったワインは赤い色味に仕上がるのです。
赤ワインは、渋味が感じられるのも特長。この渋味のもとは、種に含まれているポリフェノールの一種、タンニンです。赤ワインの渋味の度合いは、含まれているタンニンの量に左右されます。 そして熟成させてもおいしくいただけるのが、赤ワインのよさでもあります。長期熟成に向いているものが多いため、製造されてすぐの味わいだけでなく、経年変化による味わいの違いを楽しむことが可能です。
赤ワインの種類は3つある!
赤ワインを選ぶ時、「ボディ」という言葉を聞いたことはありませんか? 「ボディ」とは、ワインの味わいや飲み口の度合いのこと。赤ワインは「フルボディ」「ミディアムボディ」「ライトボディ」の3種類に分けられます。 それぞれどのような特長があるのか、解説していきましょう。
フルボディ
フルボディは、コクがあって濃厚な味わいが特長の赤ワイン。タンニンが豊富に含まれていて渋味があり、果実味が強く感じられます。色が濃く重厚で、「どっしり」とした重厚感のあるワインです。コクのある、濃い味付けの料理とよく合います。
アルコール度数も13%を超えているものが多く、ワイン初心者の方や飲み慣れていない方には、少し飲みにくく感じられるかもしれません。しかし長期熟成に向いているので、変化を楽しみたい方にはおすすめです。
ミディアムボディ
ミディアムボディとは、フルボディとライトボディのちょうど中間にあたるワイン。酸味や渋味、果実味のバランスが程良く香りも強すぎないため、多くの方に好まれます。脂やコクが程良い料理と合わせやすい味わいです。
ライトボディ
ライトボディはフルボディと反対で、軽やかな味わいの赤ワイン。タンニンが穏やかで、果実味も強すぎずフルーティーさを感じられます。アルコール度数も10%程度のものが多く、ワイン初心者の方でも飲みやすいでしょう。 色合いも淡く、「ライト」という表現がまさにぴったり。料理も脂が少なめで、あっさりとしたものと合わせるのがおすすめです。サングリアを作ったり、氷を入れてみたりと、アレンジして楽しむこともできます。
赤ワイン選びに知っておきたい! 赤ワインの豆知識
好みの赤ワインを選ぶなら、知っておきたいのが品種や産地ごとの特長です。赤ワインにはたくさんの種類があって、品種や産地によって味わいが異なります。 ここでは、最初に知っておくとぐっと赤ワインが楽しみやすくなる、代表的な品種や産地を紹介します。
赤ワインの品種
赤ワインの原料となる黒ブドウは、主要品種だけでも12種類あります。その中でも特に有名な品種が、「カベルネ・ソーヴィニヨン種」「メルロー種」「ピノ・ノワール種」の3品種。 赤ワインを知るために、まずはこの3つのブドウ品種の特長を押さえておきましょう。
カベルネ・ソーヴィニヨン種
フランス・ボルドー地方原産で、現在は世界各地で広く栽培されているブドウ品種。「黒ブドウの王様」とも呼ばれており、渋味と酸味がしっかりとした赤ワインらしい重厚な味わいに仕上がります。ブルーベリーやカシスのような香りで、深い色合いをしています。 赤ワインとしてはもっともポピュラーで、気軽に楽しめるリーズナブルなワインから、数万円もする高級ワインまで様々です。
メルロー種
こちらもフランス・ボルドー地方原産のブドウ品種で、ふくよかで滑らかな口当たりが特長です。きめ細やかなタンニンで渋味や酸味も穏やかなので、飲みやすいワインです。ブラックチェリーやプラムのような、豊潤な香りが楽しめます。
ピノ・ノワール種
フランス・ブルゴーニュ地方原産のブドウ品種で、渋味の少ない果実味豊かな赤ワインに仕上がります。エレガントな味わいと繊細な飲み口から、「赤ワインの女王」と呼ばれることがあるほどです。いちごやチェリー、ラズベリーのような香りがします。
赤ワインの産地
赤ワインの産地は大きく「旧世界(オールドワールド)ワイン」と「新世界(ニューワールド)ワイン」の2つに分けられます。それぞれの特長を紹介しましょう。
旧世界(オールドワールド)ワイン
もともとワインは、古代からヨーロッパで生産されていました。「旧世界(オールドワールド)ワイン」とは、当時からの生産地であるフランスやイタリア、スペインなど、ヨーロッパ原産のワインのことを指します。
旧世界ワインの代名詞ともされているのがフランスワインで、ボルドーやブルゴーニュなどの産地が有名です。その他、産地によって品種や味わいが異なります。
旧世界のワインについて詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
新世界(ニューワールド)ワイン
「新世界(ニューワールド)ワイン」は、コロンブスがアメリカ大陸を発見した大航海時代以降からワイン造りを始めた国のことです。アメリカやチリ、アルゼンチン、オーストラリア、南アフリカなどがここに分類されます。近年人気のある日本ワインも、新世界ワインの1つです。
まだ歴史は浅いものの、その土地の特長を活かして栽培されたブドウから造られたワインは、高く評価されているものが多いです。比較的リーズナブルなワインが多く、しっかりとした味わいで、アルコール度数も高めに造られています。
新世界のワインについて詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
「新世界ワインとは?ワイン初心者向けに新世界ワインを徹底解説」
赤ワインのおいしい飲み方
せっかく赤ワインを飲むなら、おいしい飲み方もぜひ知っておきましょう。ポイントは「スワリング」「グラス」「温度」の3つ。それぞれ詳しく解説していきます。
スワリングして香りや味わいの変化を楽しむ
スワリングとは、ワイングラスをくるくると回す動作のこと。グラスを回すことでワインが空気に触れ、香りが引き出されたり味がまろやかに変化したりするため、よりおいしく飲むことができます。
ただ、スワリングをした方がおいしいからといって、たくさん回せばいいというわけではありません。2~3回程度で十分で、あまり多く回すとかえってワイン本来の風味が飛んでしまい、おいしさが失われてしまいます。
スワリングについて詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
赤ワイン用のグラスで飲む
赤ワインを楽しむなら、グラスにもぜひこだわってみましょう。ワインはグラスによって味が変わり、飲みやすくなったりワインの風味がより感じられたりするようになります。
ブドウの品種によって適したグラスの形が異なるので、飲みたいワインに合わせて選んでみてくださいね。
ワイングラスについて詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
「ワイングラスの種類を知っておこう!選び方のポイントも紹介」
温度を調節して適温で飲む
赤ワインは重さ(ボディ)によって適した温度が異なります。それぞれに合わせた温度で飲むと、よりおいしく感じられますよ。
フルボディは16~18℃が適温です。冷やしすぎると渋味が強くなって飲みにくくなってしまいます。
ライトボディは10~12℃に冷やすと引き締まった味わいになります。ミディアムボディはその中間、13~16℃くらいを目安にすると良いでしょう。
まとめ
数多くの種類がある赤ワイン。まずは今回ご紹介した5本を味わってみて、好みに合うブドウ品種やボディの種類を探してみてはいかがでしょうか。