グルメ
2016/12/28 17:00

巨大マヨネーズボトルが鎮座!マヨテラスで知るキユーピーの意外に知らない事実

ヨシムラヒロムの一階通信 第十六階 キユーピー株式会社 仙川キユーポート

 

連載『一階通信』ではエントランス部分から見える企業の顔を取り上げる。一階にエントランスがない企業も多々あるが、それはご愛嬌。受付や入口があるフロアを総じて『1階』と呼び、エントランスから企業を紐解く。今回はマヨネーズでおなじみ、キユーピー株式会社の施設「仙川キユーポート」を一階通信させてもらった。

 

外観には見覚えある格子柄が

ある日、ツイッターをやっているとフォロアーの方から「ここを一階通信して欲しい」とリプライがきた。リンク先を見てみると、木製の巨大なマヨネーズボトルのモニュメントの写真が。これは確かに面白い!ということで、今回はリクエストに応え、巨大マヨネーズが鎮座する仙川キユーポートへ。

 

京王線「仙川駅」から徒歩五分の場所に、目的地の仙川キユーポートはある。かなり大きいので遠くから目視可能だ。少し近づくと建物の外観がキユーピーのアイコンの格子柄で形成されていることに気づき、思わず「おぉ!」と声に出してしまった。菱形の連鎖が柱となって建物を自立させており、一目見ただけで相当こだわって建てられたものだとわかった。

 

外観に感激しつつ、いよいよ建物の中に潜入。最初に広報の川村さんから仙川キユーポートにまつわる話をうかがった。

 

「元々、この場所にはマヨネーズの工場があったんです。その跡地に作ったのがこの仙川キユーポートで、2013年に開設しました。研究開発部門をはじめグループ18事業所やマヨネーズについて学べるマヨテラス、キユーピーショップによって構成されています」とのこと。

 

立体イラストで知る衝撃の事実!! 日本の○○の10%を扱う事業とは・・・?

続いて、エントランスを拝見。大きなソファーが3つ並んでおり、「リラックスできる空間だなぁ」というのが第一印象だ。リビングルームをイメージしてつくったと聞き、納得した。キユーポートは上からみると六角形になっており、その特殊な構造上、下に降りるまでに時間がかかることもあるので、その待ち時間にお客さんがリラックスできる空間づくりを心がけたのだそう。

20161228_y-koba (1)_R3

目玉は、6つのショーケースに入った立体のイラスト。これはキユーピーの事業内容を図案化したものだというで、ケースを見ながら事業を解説していただいた。と、ここで衝撃の事実が! 僕はキユーピー売り上げの多くはマヨネーズが占めていると思っていたのだが、それは大間違い。なんと、マヨネーズ含めた調味料の売上は全体の3割程度なんだとか。

20161228_y-koba (5)_R3

川村さんによると「キユーピーはマヨネーズの製造販売からスタートしましたが、現在では主原料である卵から派生して、タマゴ加工品やカット野菜、惣菜の販売なども主力事業になってるんですよ。日本の卵の年間製造量250万トンのうち25万トンをキユーピーが使用しているんです」とのこと。知らなかった……。

 

さらに「卵の黄身はマヨネーズ、卵白はメレンゲなどの菓子に、殻はカルシウム食品、膜は化粧品になります」という話も。卵を扱う技術において、キユーピーの右に出る企業はいないのではないだろうか?

 

巨大モニュメントは内側もすごい!そこはマヨネーズの大博覧会

次に、マヨテラスを見せていただく。地元住民の「工場がなくなり、工場見学もなくなってしまうのは寂しい」というリクエストから誕生したとのことで、歴史やおいしさの秘密、世界展開など、ここを見学するだけでマヨネーズの古今東西が学べる施設になっている。

 

キユーピーは創業者・中島董一郎氏が農商務省の海外実業実習生時代に、アメリカでマヨネーズと運命的な出会いを果たしたのが始まり。「やっと会えたね」と言ったとか言わないとか。そして、その味を伝えるべく1925年に日本で製造・販売を開始。一人の男から国民的な調味料が生まれたという事実に驚かされるばかりだ。

 

そして、いよいよ今回の取材のきっかけともなった巨大なマヨネーズボトルを拝見。正式名称は「マヨネーズドーム」といい、通常のマヨネーズ(450g)の約50万倍の大きさだ。キャップの裏に描かれるキユーピーもそれに合わせて巨大化している。

20161228_y-koba (2)_R3

子どもが「うわぁ楽しい」と大喜びするのはもちろん、大人も「これ作るの高そうだなぁ」と思わず邪推してしまうほどの出来栄えだ。

 

ドームのなかには世界各国で販売されるマヨネーズが置かれ、さながらマヨネーズの大博覧会。日本では発売されていない味もあった。特に印象的だったのは中国で販売されている「スイートマヨネーズ」。読んで字のごとく、砂糖入りのマヨネーズである。もともと生野菜を食べる習慣がなかった中国では、なかなかマヨネーズは売れなかった。そこで、現地でフルーツをマヨネーズであえたフルーツサラダが食べられていることに着目し、フルーツに合う甘いマヨネーズを開発したところ大ヒット商品になったそうだ。現在も、通常のマヨネーズよりも、甘いタイプが人気商品だという。

 

仙川キユーポートの事業所とマヨテラスを一階通信。1回で2度楽しめる美味しい取材だった(原稿料はもちろん据置き)。ちなみに、マヨネーズは数週間寝かしたほうが味が馴染んで美味しいそうですよ。知ってました?

 

【仙川キユーポートの一階通信見どころまとめ】

1. 事業内容が学べる立体イラスト

20161228_y-koba (5)_R3

 

2.マヨネーズドーム

20161228_y-koba (7)_R3

 

3. 巨大化キユーピー

20161228_y-koba (6)_R3