デジタル
2015/12/8 13:54

【製品レビュー】桃のようにパカッーと開くとPCになるキングジムの新製品「PORTABOOK」

11月30日から、キングジムは12月8月発売予定の新製品に関するティーザー広告(謎の広告)を行なってきました。 「キングジムがなにか出すよ!」と聞いて、ワクワクしない道具オタクはいないでしょう。もちろん筆者もその一人です。もちろん「まとも」(失礼)な製品もありますが、ワクワクさせてくれる奇想天外な製品を一定のタイミングで出してくる、それがキングジムだからです。

 

「大きいほうが打ちやすい」「小さいほうが持ちやすい」「必要な物は付いている」などの情報がありましたが、本日「PORTABOOK(ポータブック)」という名でついに発表されました!

 

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発表会の模様は最小限にここではさっそく、お借りした実機でのレビューをお送りします! 世間を騒がせたキングジムの隠し玉とは、いったいなんだったのでしょうか。
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ズバリ、「パソコン」でした。小さい! ほとんど8インチタブレットと同じくらいです。「でも…キーボード小さいんでしょう?」

 

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蓋をオープン! …え?

 

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お、おおっ…!

 

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「安心してください、あいてます!」(キーボードが)
さすがキングジムです。新製品がパソコンであるとわかった時点で「これはキーボードになにか仕掛けてくるのかも」とは思いましたが、こうきましたか。スペックとか端子とかを調べる前に、まずは打ってみたくなります。

 

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手を置いてみたところ。このサイズのパソコンではありえなかった大型キーボード。各キーの大きさ、キー同士の間隔に余裕があり、配列にも無理がなありません。

 

多くのA4ノートパソコンよりも広い面積を確保し、大人の男性が手を置いても余裕があります。小さいキーボードに感じがちな、手を縮めて打つような窮屈さはありません。

 

文字を入力してみます。ノートパソコンで広く採用されている「パンタグラフ式」で、どんな角度で押してもキーが引っかからずスムーズに押し込めます。

 

押し心地は、「カチ、カチ」ではなく、消しゴムを机にトンと下ろしたような、かすかに弾力を感じるもの。一般的なパンタグラフ式よりもわずかに深いストロークとあいまって、疲れにくいだけでなくほのかな快感すら感じさせてくれます。

 

そして重要なのは、打鍵音が極めて小さく、特に尖った音はいっさいないこと。そのため、会議中や授業中のほか、深夜バスや同居人が寝ている部屋など、静かに打鍵したい場合でも使えます。

 

キートップに目を奪われがちですが、実はもう1つ大きな特徴があります。それが、キーボードの中央にある「光学式フィンガーマウス」。マウスやタッチパッドのような「ポインティングデバイス」です。キーボードの手前には「左ボタン」「右ボタン」があるほか、その間にある「センターボタン」を使うと、ホイールマウスの働きもさせることができるのです。

 

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光学式フィンガーマウス。指を置いて滑らせると、その方向にマウスポインターが動きます。

 

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左・右ボタンと、センターボタン。センターボタンを押しながら光学式フィンガーマウス上で指を動かすと、ホイールマウスのようにその方向にスクロールさせることができます。

 

タッチパッドは打鍵中に手のひらが当たってしまい、マウスポインタがおかしな場所に飛んでいってしまいがちです。また、ホームポジションから指が離れるため、操作効率も悪くなります。その点、光学フィンガーマウスはキーボード中央にあるため、ホームポジションから手を離さずにマウスポインタを動かすことができるというわけです。

 

実はこれまでにも、キーボード中央に設置されたポインティングデバイスはありました。スティック状の「アキュポイント」「トラックポイント」や、小さなトラックボールなどです。しかしこれらは物理的な機構なので、消耗してメンテが必要になったり、指先が痛くなったりしがちでした。その点光学式フィンガーマウスは、「撫でる」だけなのでその心配はありません。

 

これは、普通のパソコンにも装備してほしいくらいだと感じました。
ひとしきりキーボードに酔いしれたところで、製品全体を見ていきましょう。概要としては、CPUに「Atom x7-8700」を採用したWindows 10パソコン、ということになります。「Atom x7-8700」といえば「Surface 3」にも採用されているCPUで、文書作成や写真閲覧・音楽再生・Webページ閲覧などには十分過ぎるほどの性能を持っています。

 

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使用中の画面。Windows 10が動作しています。

 

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Microsoftの「Word Mobile」「Excel Mobile」「PowerPoint Mobile」「OneNote」が付属しています。

 

端子は充実しています。順に見ていきましょう。

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背面の端子カバーを開けると、端子がずらり。運搬時はカバーを閉じられるので、端子を損傷する心配もありません。

 

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左から、HDMI・VGA・電源(microUSB)の各端子。

 

HDMIとVGA端子を装備しているため、大画面テレビや液晶モニターに接続することが可能です。ともに標準サイズなので、余っているケーブルをそのまま流用できる場合も多いことでしょう。

 

注目すべきは、電源端子がmicroUSBであること。公式には付属の電源アダプタとケーブルしか使用できないことになっていまするが、非常時には手持ちのmicroUSBケーブルやAC-USBアダプタで充電できるかもしれません。そうでなくても、将来的には対応のアダプタやケーブルがサードパーティーから発売されることは期待できます。ノートパソコン用の電源アダプターはかさばるものですから、スマホなどと共用できれば大きなメリットになります。

 

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左から、イヤホン(マイク)・USB2.0の各端子。

 

イヤホン端子はマイク端子も兼ねており、ビデオチャットの際にインカムを接続して使えます。標準サイズのUSB端子を装備していることで、外部HDDやUSBメモリ、プリンターといったUSB機器が使え、拡張性が高くなりました。

 

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右側面。SDカードスロットと電源ボタン。SDカードスロットも標準サイズ。電源ボタンはやや下向きについているため、間違って押してしまう心配はほとんどありません。

 

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左側面。ファンの排気口? と思いきや、スピーカー。このサイズのパソコンでは珍しく、スピーカーは両側面にあり、ステレオ仕様になっています。排気ファンはなく、動作音はとても静かです。

 

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液晶モニタの上辺には、Webカメラとマイクがあります。インターネットにつながっていれば、ビデオチャットや動画配信もできるというわけです。
以上、非常に駆け足ではありますが、PORTABOOKの概要を紹介しました。

 

PORTABOOKの魅力をひとことで表現するなら「小さいのに普通」ということではないでしょうか。携帯用のパソコンは、どこにでも持ち運べる小ささでなければ意味がありません。しかし、いくら小さくても、端子が少なくて拡張性が乏しかったり、タブレットのようにキーボードがなくて長文入力がしづらかったりすると、用途は限られてしまいます。

しかしPORTABOOKは、標準サイズのメモリーカードスロット・USB端子・HDMI端子など、普通のパソコンが持っている端子はたいてい装備されています。そして操作性は、キーボードの打ちやすさや光学式フィンガーマウスなどで、むしろ大型ノートパソコンにも勝るほとです。

 

これまでにあるようでなかった、「極小サイズなのに普通に使える」パソコン。それがPORTABOOKだといえるでしょう。

 

製品情報

製品名:「ポータブック」XMC10

本体色:クロ

実売予想価格:9万円前後

発売日:2016年2月12日

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