デジタル
2015/3/31 14:00

4K+HDRで変わるブルーレイ

「週刊GetNavi」Vol.29-1

 

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現在4K世代に向けたブルーレイディスクの規格である「Ultra HD Blu-ray」(以下UHDBD)の規格化が、最終段階を迎えている。1月にアメリカ・ラスベガスで開かれた家電展示会「International CES」のパナソニックブースでも、UHD BD対応プレーヤーの試作機(写真)が展示された。すでに規格スペックは発表済みで、残る検討が終わり次第規格が発表され、年末までにはプレーヤーなどの製品が市場に並ぶ見通しである。

 

さてそもそも、UHD BDとはなんだろう?  簡単に言えば「4K映像を4Kのまま収録したBD」。直径12cmの同じサイズのディスクを使うものの、既存のBDとの互換性はなく、UHD BDをこれまでのBDプレーヤーで再生することはできない。次世代のディスクメディアだ。

 

みなさんもご存じの通り、現在のBDは2K(1920×1080ドット)までの映像を対象としたメディアだ。解像感と色情報が豊かな映像の場合、2Kを4Kにアップコンバートしてもかなり高画質になり、それがいまの4Kテレビの価値でもあるが、やはり「ネイティブ4K映像」があるなら、それに越したことはない。だから早期の4K世代BDの登場が望まれていたが、規格化はなかなか進展しなかった。

 

理由は映画会社が乗り気ではなかったからだ。4Kテレビ普及速度に疑問があったことだけが理由ではない。4Kソースともなると、映画館で上映しても問題ないほどの解像度を持つものだ。それを個人に売ることに対する逡巡に加え、「解像度だけを上げても画質に対する満足度は上がらないのでは」という声があったためだ。

 

だが、その状況は変わった。4Kテレビの売れ行きが想定以上に良いこと、そして「HDR」というさらなる高画質化要素が導入されることになったためだ。HDR(High Dynamic Range)という単語は、カメラなどで耳にしているかもしれない。明るい部分・暗い部分の差の表現力を上げ、色再現性を高める技術だが、カメラでいうHDRとUHD BDのHDRは異なる。カメラのHDRは「元々より幅のある明るさの映像を、決まった明るさの中に変換して押し込めて再現する」ものであるのに対し、UHD BDのHDRは「明るくできるところをより明るく表示できるディスプレイを用意し、それに合わせた情報を映像に付け加える」やり方であるためだ。すなわち、HDR対応テレビが必要になるわけだが、そのぶん効果は絶大。一部の映画会社は「4KよりもHDRの方が、一般家庭には効果が高い」と絶賛するほどだ。UHD BDをHDR対応テレビで再生すると、光のダイナミックレンジがさらに強く表現され、非対応テレビだといままで通りの再現性+4K、という形になる。

 

つまり、UHD BDの能力を最大限に発揮するには、対応プレーヤーに加え、4K+HDRに対応した「今年発売される4Kテレビ」が必要になるのだ。これはなかなかな高いハードルである。

 

では、その普及はどうなるのか? ネット配信との関係は? 対応テレビのコストはどうか? そうした疑問には、Vol.29-2以降で改めてお答えする。

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