デジタル
2017/10/18 16:30

こやつ、AIBO級にかわいいかも…!? 家族の会話を支えるソニーモバイルの対話ロボ「Xperia Hello!」

ソニーモバイルから独自のAIアシスタントを搭載したコミュニケーションロボット「Xperia Hello!」が発表されました。可愛らしい風体が目を引くこのAIアシスタントのインプレッションをお届けしたいと思います。

 

↑発売予定日は11月18日。ソニーストアの価格は149,880円(税別)
↑発売予定日は11月18日。ソニーストアの価格は149,880円(税別)

■顔認証にも対応する独自のAIアシスタントを搭載

今月はグーグルのAIスピーカー「Google Home」も発売され、AIアシスタントが大いに注目されています。Xperia Hello!もユーザーと声で会話ができるところはAIスピーカーと似ていますが、Google HomeなどのAIスピーカーが音楽や映像などクラウド型のエンターテインメント配信サービス、またはスマート家電をコントロールすることを目的にしている機器であるのに対して、Xperia Hello!はメッセージサービスや見守りカメラなどを声で操作するためのコミュニケーション端末となっています。本体が動いたり、ユーザーに対して自発的に話しかけてくるところもひと味違います。

 

AIアシスタントも、ソニーの独自AIとディープラーニングのプログラム開発のための統合ツール「Neural Network Console」を下地にしています。スタンバイ状態の時に「ハイ、エクスペリア!」と声をかけると目を覚まして、音声コマンドを受け付ける状態に切り替わります。また本体に搭載されているカメラと独自の顔認識アルゴリズムでユーザーを認識して、家族それぞれに必要な情報を振り分けて伝える機能も搭載しています。なおXperia Hello!はWi-Fiでホームネットワークを経由してインターネットに接続します。本体にはAndroid OS 7.1やCPUにSnapdragon 650、3GBのメインメモリーを搭載しています。

 

■自分で動いたり、話しかけてくるロボット

ソニーモバイルの開発者が特にこだわった点は、「人のようなふるまい」ができるロボットにすることでした。本体が340度回転して、ユーザーが声をかけるとその方向にくるっと体を振り向けてくれたり。筒型の本体の先端には球体の「頭」と、2つの目のようなLEDが搭載されていて、まばたきをするようにLEDを光らせたりと、Xperia Hello!は様々な可愛らしいしぐさを声と合わせてユーザーに伝えます。

 

↑LEDは青白く光り、まばたきのモーションも行います
↑LEDは青白く光り、まばたきのモーションも行います

■家族のコミュニケーションをつないでくれる

Xperia Hello!を使ってできることは大きく3つあります。ひとつは家族のコミュニケーションをサポートすること。Xperia Hello!から家族に音声でメッセージを送ると、テキストに変換されたメッセージが家族のスマホにLINEで送り届けられます。またはスカイプアプリによる通話やビデオ通話、独自のビデオ伝言アプリを使って、家の中と外、別々の場所にいる家族をメッセージでつなぎます。もちろん遠方に住む家族と連絡を取り合うためのコミュニケーション端末としても活躍してくれます。

 

↑動画を通じて外にいる家族と通話可能
↑動画を通じて外にいる家族と通話可能

 

屋外にいる家族から送られたLINEのメッセージは、宛先のユーザーをXperia Hello!が顔認識で家族を見分けながら自動で振り分けて伝えてくれます。ユーザーの顔は最大10人まで登録可能。ユーザーの誕生日や結婚記念日などを声で登録、またはGoogleカレンダーを経由して登録しておけば、大切な日がきたときにXperia Hello!が「メッセージを送りますか?」と訊ねてきて、家族の会話を活性化してくれます。

 

■見守りカメラ機能も搭載

Xperia Hello!は頭の部分に約1320万画素のカメラを搭載しています。スカイプやビデオ伝言アプリを使う時に動画が撮れるだけでなく、屋外から本機にインターネット経由でアクセスして家の中の様子を静止画で撮影することも可能です。

 

LINEにXperia Hello!のユーザーアカウントを登録すると、「家の様子を教えてもらう」「家の様子を撮影する」という二つのコマンドが使えるようになります。前者はXperia Hello!が家族と会話した時間を記憶して、「おかあさんを3分前にみかけました」といったメッセージをLINEで返してくれる機能です。後者はXperia Hello!が340度回転して、8枚の静止画を次々に撮影。1枚ずつLINEのメッセージに貼り付けて送ってくれます。撮影を始める前に「撮ってもいいですか?」と訊ねてくるので、もし家の中にいて、写真を撮られたくない場合は本体の頭を軽くタップするとコマンドがキャンセルされます。

 

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■ユーザーに合う情報を声とディスプレイ表示で教えてくれる

もうひとつは、ユーザーに必要な情報を教えてくれるインフォテインメント端末としての機能です。Xperia Hello!は音声で色々な情報を読み上げることもできますが、同時に本体の前面に搭載されている液晶タッチディスプレイに文字や画像をカラーで表示することができます。

 

↑顔情報から個人を識別して、その人へのニュースや天気予報などをお届けします
↑顔情報から個人を識別して、その人へのニュースや天気予報などをお届けします

 

Xperia Hello!がユーザーの顔を認識すると、その人に必要なニュースや交通情報、天気予報にメッセージやリマインダーの登録情報を知らせてきます。気になったことを質問すると、Wikipediaから検索して音声に静止画を加えて答えを返してきます。

 

■ソニーのセンサー&通信の最先端技術を搭載

Xperia Hello!には全部で4基の人感センサーが内蔵されています。360度周囲、3m以内に人が近づくと反応して、顔を認識するとその人宛ての伝言や予定などの情報を伝えてきます。マイクは本体のベースに7基、角度を変えて全周囲をカバーするようにレイアウト。ある程度ざわついたイベント会場で実施されたデモンストレーションでも、呼びかけに対してきびきびと正確に答えを返してくれる実力を目の当たりにできました。

 

↑ソニーモバイルは顔認識距離は約1メートルとしています
↑ソニーモバイルは顔認識距離は約1メートルとしています

 

Bluetooth機能を搭載していますが、本機は送信側がメインになるので、例えばワイヤレススピーカーをつないで使う楽しみ方などが考えられます。オフィシャルな楽しみ方とは別ですが、Android対応のアプリが本体の32GBストレージに追加できるので、SpotifyやGoogle Play Musicで音楽をストリーミングしながら、いい音のスピーカーで聴くといった楽しみ方ができそう。なお、実はGoogleアシスタントも搭載されていて、スタンバイ状態から「OK Google」と呼びかけるとスマホ版のGoogleアシスタントが起動します。

 

電源にACアダプターを接続して、テーブルや棚の上など安定した場所に置いて使うことが推奨されている製品ですが、家の中など短い距離を移動させるときに便利なように約2,300mAhのバッテリーも内蔵されています。

 

■今後ほかのスマート家電機器と連携する予定は?

発売当初、Xperia Hello!は基本的にスタンドアローンで使うことになりそうですが、ソニーモバイルでは様々なハード機器やサービスとの連携も視野に入れながら、本機の活用スタイルを幅広く提案したいとしています。Google Homeスピーカーのように声で色々なスマート家電機器が操作できるようになるといいですね。ターゲットとして狙うユーザー層はファミリーが中心になるようですが、クラウド経由でできることが増えたり、コミュニケーション能力がアップデートなどによって高まってくれば、一人暮らしの大人の方の琴線にも響くアイテムになりそうです。最後にデモンストレーションで動くXperia Hello!の愛くるしい動きをご覧ください。

 

 

【お詫びと訂正】

本記事内にて、本機のGoogleアシスタントの仕様について誤りがありました。

記事初出時、「本機をスタンバイ状態から『OK Google』と呼びかけて起動することはできない」と記載しておりましたが、正しくは、「スタンバイ状態から『OK Google』と呼びかけることでスマホ版のGoogleアシスタントが起動」いたします。

読者の皆様および関係者の皆様にご迷惑をおかけ致しましたことを、深くお詫び申し上げます。