デジタル
2018/2/14 18:30

【西田宗千佳連載】スマートスピーカーはもう古い!? どこにでも入り込む音声アシスタント

「週刊GetNavi」Vol.63-3

今年のCESで話題だったのが、「スマートディスプレイ」と呼ばれる製品だ。Googleは自社ブースに、レノボ/JBL/LGの製品を展示したほか、ソニーも2018年中に製品化を予定している。

 

スマートディスプレイとは「タッチ画面付きスマートスピーカー」のことだ。認識結果が画面に出て、検索した情報が音声だけでなくテキストや画像でも表示される。もちろん、動画や音楽の再生も可能だ。Googleはスマートディスプレイと呼んでいるが、こうした商品を出すのは、なにもGoogleが最初ではない。Amazonはアメリカ市場では「Echo Show」という製品を発売中で、こちらでもGoogleに先んじている。というよりも、Echo Showが切り開いた方向性に「スマートディスプレイ」という名前をつけて拡大路線に入ろう、というのがGoogleの狙いである。

↑Amazonが発売している「Amazon Echo Show」
↑Amazonが発売している「Amazon Echo Show」

 

そもそもスマートスピーカーは、スマートフォンから画面を取り去ったようなもの、という側面がある。日時や情報などを見るためにちょっとしたディスプレイがあれば、確かに便利ではあるだろう。実のところ、ディスプレイ付きスマートスピーカー(スマートディスプレイ)の正体は、「固定して使うタブレット」に近い。目覚まし時計やキッチンタイマーの代わりにタブレットを使う人はけっこういるが、そうした用途のためだけにタブレットを用意する人はあまりいない。しかし、タブレットほど複雑なアプリを動かさないまでも、ちょっとした情報が表示される「ネット専用端末」があれば、それはそれで便利ではある。従来は、そういうものを作ってもヒットする可能性は薄かったが、スマートスピーカーが「音声アシスタントを使った、音声による操作」という方向性を切り開いたことによって、「ちょっとしたネット専用端末」にもニーズが生まれた……と考えればいいだろう。

 

では、今後、スマートスピーカー的なものはすべてスマートディスプレイ的な製品に置き換わるのか……というと、おそらくそうではない。ディスプレイがいらないシーンは多いし、価格的にもずいぶん差がある。200ドル近いデバイスだとディスプレイ付きが中心になるかも知れないが、購入される大半はより安い製品になるだろう。

 

そして、もっと別の可能性がある。

 

すでにある様々なジャンルの家電に、音声アシスタントの機能が搭載されてしまう世界だ。例えばテレビ。ソニーやLGエレクトロニクスの2018年モデルには、Googleアシスタントの機能が内蔵される。テレビがスマートスピーカーと同じ役割を果たすだけでなく、テレビ内の機能を音声で動作させることもできるようになる。同じように、冷蔵庫や洗濯機、洗面台やトイレなどに音声アシスタントが搭載される可能性は高い。

 

そうなると、家の各所にスマートスピーカーを置く必要はなくなり、家電連携と音声アシスタントの機能を、家のどこにいても使うことができるようになるのだ。

 

各社はそうした世界をすでに想定しており、新しいデバイスよりも、音声アシスタント自身をアピールする戦略に切り換えつつある。GoogleがCESでアピールしたのも、あくまで音声アシスタントのコマンドワードである「Hey Google」であり、スマートディスプレイではなかったというのもその現れだ。

 

では、こうしたトレンドがどのように日本へ影響してくるだろうか? そのへんは次回のVol.63-4で解説していこう。

 

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