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2018/4/22 17:00

iPhone Xと実は違う! SIMフリースマホ 5機種の「デュアルカメラ」画質&機能比較

デュアルカメラはミドルクラス以上のSIMフリースマホでは、もはや当たり前になってきました。ここではデュアルカメラを搭載する代表的なモデルのカメラのスペックと特徴を比較。デュアルカメラならではの背景ぼかし写真も撮り比べてみました。なかにはデジカメ並みの画質を実現するものも!

 

【解説する人】

ITライター 村元正剛さん

モバイルを専門分野とするライター。スマホの活用術を教えるムックの編集も手がけています。

 

カメラの組み合わせは機種によって異なる

ファーウェイがライカと共同開発したダブルレンズカメラを搭載したスマホが注目を集めて以降、デュアルカメラを採用するSIMフリースマホが続々とリリースされています。ひと口に「デュアル」と言っても、その組み合わせは機種によって異なります。「標準+望遠」「標準+広角」といったレンズの組み合わせのほか、「モノクロ+カラー」「昼間用+夜間用」という2種類の画像センサーを併用するモデルもあるのです。

 

デュアルカメラには背景をぼかせるという利点もありますが、ボケを実現する仕組みやボケ味の調整方法にも差があります。ボケを多用する人は、その違いを見極めて、自分好みの表現ができる機種を選びましょう。

 

iPhone Xのデュアルカメラは標準+望遠の組み合わせ

iPhone Xのカメラはワンタッチで望遠に切り替え可能。背景を美しくぼかせる「ポートレート」モードには望遠側のレンズが使われます。

 

【その1】ライカレンズとAIの力でデジカメ並みの画質を実現

ファーウェイ

HUAWEI Mate 10 Pro

実売価格 8万9974円

老舗カメラメーカー・ライカと共同開発したダブルレンズを搭載し、ライカが認めた画質で撮影できることが魅力。AIによるリアルタイムの被写体認識や、自然な背景ぼかし効果も特徴です。【最大2.36GHz オクタコア】【6GB RAM/128GB ROM】【6.0インチ/2160×1080】【リアカメラ1200万画素+2000万画素】

 

実写作例

ライカのダブルレンズとカラー+モノクロのセンサーを搭載

開口部F1.6のダブルレンズを搭載し、2000万画素モノクロと1200万画素RGBのダブルセンサーを搭載。800万画素のインカメラのF2.0レンズもライカ製です。

 

 

↑「ワイドアパーチャ」を有効にすると、F値を0.95〜16で設定して撮影可能。撮影後のボケ味の調整もできます

 

【評価&デュアルカメラでできること】

いま買えるスマホのなかで最高峰のスペックを実現

AI専用のプロセッサーを内蔵した先進的チップを搭載。電池は4000mAh。耐水・防塵にも対応しています。デュアルカメラの切り替え:△ 撮影時のボケ調整:○ 撮影後のボケ調整:○

 

【その2】ポートレートも風景写真も思いのままに撮れる!

ASUS

ZenFone 4(ZE554KL

実売価格 6万1344円

メインカメラにはF1.8の明るいレンズを採用し、ピクセルサイズが1.4μmの大型センサーを搭載。120°の広角カメラにワンタッチで切り替えられることも魅力。デュアルスピーカーも搭載。【2.2GHzオクタコア】【6GB RAM/64GB ROM】【5.5インチ/1920×1080】【リアカメラ1200万画素+800万画素】

 

【実写作例】

標準レンズと広角レンズをワンタッチで切り替えられる

1200万画素の標準カメラ+800万画素の広角カメラという組み合わせで、標準カメラでは背景を多少ぼかせるポートレート撮影も可能です。前面カメラは800万画素。

↑標準側&「ポートレート」モードで撮影。全体的にやや暗めに写りました。大きくはありませんが、背景ボケはナチュラルでした

 

 

↑標準または広角をワンタッチで切り替え可能。標準側で「ポートレート」を選択すると、背景を若干ぼかせます

【評価&デュアルカメラでできること】

6GBメモリを備え実用上は十分

CPUやバッテリーで最上位に及ばず。ただ、6GBメモリを搭載するなど、ミドルハイ機としては十分です。デュアルカメラの切り替え:○ 撮影時のボケ調整:× 撮影後のボケ調整:×

【その3】高画質カメラと広角カメラが合体

モトローラ

Moto X4

実売価格 5万8104円

ダブルレンズで撮影した画像は、撮影後に背景ボケを調整できることはもちろん、背景をモノクロにしたり、差し替えたりといったことも可能。ガラスを用いた質感の高いデザインも魅力です。【2.2GHzオクタコア】【4GB RAM/64GB ROM】【5.2インチ/1920×1080】【リアカメラ1200万画素+800万画素】

 

実写作例

撮影時も撮影後もボケを自在にコントロール

1200万画素デュアルピクセルAFカメラと800万画素広角カメラの組み合わせで、深度を有効にして、背景をぼかすことも可能。前面カメラは1600万画素。

↑「深度の有効化」で、背景ボケの度合いを最大に設定して撮影。手前の被写体の一部までぼけてしまいました

 

↑標準側で「深度の有効化」を選択すると、背景ボケの度合いを7段階から選べます。広角側では深度を有効にできません

 

評価&デュアルカメラでできること

スペック以上に満足度が高い多才モデル

カメラ以外は減点があり、ミドルハイスペックという結果に。防水にも対応するなど、使い勝手は◎。デュアルカメラの切り替え:○ 撮影時のボケ調整:○ 撮影後のボケ調整:○

【その4】アジアで大人気のカメラフォン

OPPO

R11s

実売価格 6万2510円

世界第4位のシェアを誇るOPPOの日本進出第1弾。背面のデュアルカメラは撮影シーンを選ばず、明るく撮れることが特徴。2000万画素の前面カメラは独自のAIビューティー機能を備えます。【2.0GHzオクタコア】【4GB RAM/64GB ROM】【6.01インチ/2160×1080】【リアカメラ2000万画素+1600万画素】

 

【実写作例】

暗い場所では、受光面積が広いセンサーに自動切り替え

F1.7のダブルレンズを搭載し、昼間撮影では1600万画素カメラを使用。夜間撮影には、センサーの有効面積を4倍にする2000万画素カメラを使用します。

↑「ポートレート」モードで撮影。非常に明るく鮮明な画質。背景ボケはさほど大きくないが、自然な仕上がりです

 

↑「ポートレート」モードを選択すると、背景をぼかした写真を撮影できますが、ボケの調整には非対応

 

評価&デュアルカメラでできること

普段使いのスマホに十分なスペック

セールスポイントのカメラとディスプレイはとても優秀です。CPUやメモリなどでやや点を落としました。デュアルカメラの切り替え:× 撮影時のボケ調整:× 撮影後のボケ調整:×

【その5】新生フリーテルのフラッグシップモデル

フリーテル

REI 2 Dual

実売価格 3万9744円

MAYA SYSTEMという会社が端末開発・販売事業を引き継いだフリーテルの最新フラッグシップ。1300万画素のデュアルカメラに加えて、1600万画素で広角のフロントカメラも搭載しています。【2.0GHzオクタコア】【4GB RAM/64GB ROM】【5.5インチ/1920×1080】【リアカメラ1300万画素+1300万画素】

 

【実写作例】

カラー+モノクロのWセンサーでボケの調整も自由自在

1300万画素RGBセンサー+1300万画素モノクロセンサーの組み合わせ、レンズのF値は2.2。2つのカメラで深度を測定し、任意のボケ味に調整できます。

↑ピントを合わせた部分は鮮明に映りましたが、近くにある物までぼけてしまうなど、ボケ方は不自然でした

 

↑「ボカシ」というメニューがあり、絞り値をF0.9〜F16の範囲で設定可能。撮影後にボケ具合を変更することも可能です

 

評価&デュアルカメラでできること

幅広いユーザーが満足のミドルハイスペック機

カメラ以外尖ったところがない、バランスのよいチャートに。価格を考えれば十分に健闘しています。デュアルカメラの切り替え:× 撮影時のボケ調整:○ 撮影後のボケ調整:○