デジタル
2018/7/2 16:00

【西田宗千佳連載】「3つ目」に増えるスマホカメラの意味

「週刊GetNavi」Vol.68-1

 

トリプルカメラで高感度&ズームを実現

NTTドコモが取り扱うファーウェイの最新スマートフォン「P20 Pro」が早くも人気を博している。その理由は、カメラの画質にある。このP20 Pro、暗いところに圧倒的に強いのだ。ISO感度は、静止画撮影時で「102400」と一眼レフ並になっている。また、光学3倍のズームにも対応しており、こちらもスマホとしてはかなりのもの。こうした特性を生かして、ノイズの少ない写真が撮影できるようになっている。

↑ファーウェイ「P20 Pro」

 

そもそもP20 Proの写真画質が良い理由は、センサーの使い方にある。P20 Proは背面にあるメインカメラが「3つ」になっており、各カメラの特性がすべて異なっているのだ。

 

ファーウェイ製スマホのカメラ機能の最大の特徴は、色情報を撮影するカメラと、輝度情報を撮影するモノクロのカメラを分けていることにある。これは、以前から同社が採っていたアプローチで、P20 Proでは色情報用のRGBカメラとして、4000万画素で1/1.7インチのものと、800万画素のものを使っている。ちなみに800万画素のカメラは望遠用なので、ほとんどのシーンでは、センサーサイズが大きく、光をよりたくさん取り込める4000万画素のセンサーが使われている。こうして色情報と輝度情報を別のカメラで撮影し、合成することで、色々なシーンに合わせた画像を作り出すわけだ。

 

さらに、P20 Proで大きく改善されたのがズームだ。一般的にスマホのズームは、画像を拡大する「デジタルズーム」と、画角・倍率の異なるレンズとカメラを2つセットにし、それを切り替えることによる「光学ズーム」の両方が使われる。ただし、後者の「切り替え式光学ズーム」も、ズームレンズを装備した一般的なデジカメとは異なる点に留意していただきたい。従来は、スマホのカメラは多くて2つで、ファーウェイも同様だった。同社は「色情報と輝度情報」でカメラを分ける方式を採用していたので、ズーム用のカメラは使っていなかったのだ。だが、P20 Proではズーム用にもカメラが用意されており、結果的に「3つ」のカメラが背面に並ぶことになった。

 

複数カメラの搭載はスマホメーカーならでは

このように、カメラとレンズを複数並べることで、カメラの画質や機能を充実させていく方法は、スマホのカメラならではのものといえる。なぜなら、スマホメーカーは、撮影した映像はソフトウエア的に加工することで、初めて「写真」や「動画」になると考える傾向が強いからだ。そもそもスマホカメラは、小さなレンズによる不利をカバーするため、ソフトウエア処理の比率が高い。ファーウェイのカメラにしても「色情報と輝度情報」を分けている時点で、合成しないと映像はできない。この方式で自然な絵を作るには、シーンを認識したうえでのソフト処理が欠かせず、だからこそ同社はカメラの「AI処理」もウリにしているのだ。

 

このようにスマホのカメラを2つ、3つと増やしていくのは、昨今のハイエンドスマホの流行そのものである。では、他社はどのように画像を処理しているのか? 画質の傾向はどうなっているのか? そのへんは次回のVol.68-2以降で解説していく。

 

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