データをどう活用する?
このテクノロジーはまだ開発段階です。「現状では、デバイスを使って育児を他人事から自分事にするということに主眼を置いている」と今回の育児共有化計画のディレクターを務める豊田博樹さんは言いますが、次の段階に進めば、課題はデータの活用でしょう。データからパターンを割り出し、赤ちゃんの行動を予測。さらに、パパとママに「何をすべきか」というアドバイスも示唆する。豊田さんは次の段階でこのようなことも視野に入ってくるだろうと述べていました。赤ちゃんの行動の予測は機械を使わなくともできますが、このような機能は夫婦の育児生活をサポートしてくれるかもしれません。
現在、育児日記はテクノロジーによって変わりつつあります。田中祐介、土屋宗一、阿曽歩著「近代日本の日記帳 : 故福田秀一氏蒐集の日記資料コレクションより」によると、育児日記は1930年代には日本にありました。「育児日記は、母子健康手帳が1930年第後半から40年代前半にかけて制度化されたときに徐々に使われるようになりましたが、その後、皇后美智子さまが『ナルちゃん憲法』を作りご自身で子育てをされたときに急速に広がったと聞いたことがあります」と助産師の浅井貴子さんは言います。ナルちゃん憲法が全国のママたちに大きな影響を与えたのが1960年代。それからもうすぐ60年が経とうとしています。育児日記は新たな時代に入ったのかもしれません。