格安SIMと組み合わせてリーズナブルに使える点が魅力のSIMフリー端末は、近年、基本性能もカメラも高性能化が進んでいます。ここではこの秋、注目のミドル〜ハイエンドクラス6機種をチェックしました。
【ジャッジした人】
ライター・カメラマン
河野弘道さん
実用性重視でSIMフリースマホを活用。撮影、録音、メモなど1台で取材が完結するケースも。
ITライター
酒井麻里子
IT分野の雑誌や書籍の執筆・編集を手がけています。スマホはキャリアとSIMフリー端末の2台持ち。
狭ベゼル大画面&デュアルカメラが主流に
今秋の新作スマホは、狭ベゼルを採用した6インチ前後の大画面モデルが主流となりました。充電端子はUSB Type-Cがメインとなり、今回テストしたモデルもOPPO以外はすべてUSB Type-Cが採用されています。また、カメラはデュアルカメラ搭載が標準的。比較的低価格なモデルでも画質や機能が大きく向上しています。
そんな各社の新作SIMフリー端末6機種の機能や処理能力などのスペック、そしてカメラの画角や色再現、解像感を比較しました。金額は2018年9月時点のものです
【その1】多数のAI機能により快適な使用感を実現
ASUS
ZenFone 5
5万7024円
画面占有率90%の大画面ディスプレイを搭載。周囲の騒音レベルに応じて着信音量を調整する「AI着信音」や、画面を見ている間はスリープ状態への移行を延長する「スマートスクリーン」機能にも対応します。
SPEC●OS:Android 8.0●画面サイズ:6.2型(2246×1080)●プロセッサー:Qualcomm Snapdragon 636●RAM:6GB●ROM:64GB●アウトカメラ:1200万+800万画素●インカメラ:800万画素●サイズ/質量:W75.6×H153×D7.7㎜/165g
<カメラ>
デュアルカメラで広角撮影に強み
彩度がやや高めでHDRも強めな印象。画角が広く、サブカメラを使うとさらにワイドに撮れます。そのぶん近接には弱いですが、オートフォーカスは合いやすいです。(河野)
→「カメラ性能 16/20点」
<基本性能>
AI活用でストレスなく使える
AIを活用した「スマートスクリーン」は、何かしながらスマホを使うときなどに便利。背面が指紋でやや汚れやすいのでケースがほしいです。(酒井)
→「基本性能 15/20点」
【その2】色鮮やかなディスプレイで写真や動画を楽しめる
シャープ
AQUOS sense plus
実売価格4万8460円
色の鮮やかさが特徴の「IGZOディスプレイ」を採用。標準画質の動画をHDR画質のように再生する「バーチャルHDR」も搭載します。おサイフケータイに対応し、IPX5/IPX8防水およびIP6X防塵性能を備えます。
SPEC●OS:Android 8.0●画面サイズ:5.5型(2160×1080)●プロセッサー:Qualcomm Snapdragon 630●RAM:3GB●ROM:32GB●アウトカメラ:1640万画素●インカメラ:800万画素●サイズ/質量:W71×H151×D8.9㎜/157g
<カメラ>
高彩度な明るめの写真が撮れる
露出が明るめで彩度が高く、明るめの写真が好みならアリ。ズーム時の解像感低下も目立ちにくいです。近接でのオートフォーカスは少々迷いやすい印象。(河野)
→「カメラ性能 13/20点」
<基本性能>
普段使いに便利な機能が揃う
RAMが3GBなどスペック的にはやや弱いものの、「のぞき見ブロック」をはじめ、地味ながら便利な機能が充実。コンパクトさ重視の人に向いています(酒井)。
→「基本性能 14/20点」
【その3】Leicaダブルレンズカメラで本格撮影が可能
ファーウェイ
HUAWEI P20
7万5384円
AI専用プロセッサーを内蔵する「HUAWEI kirin970」を採用。カメラはカラーおよびモノクロセンサーのLeicaダブルレンズカメラを搭載します。AIが被写体やシーンを認識して設定を自動で行う機能も用意されています。
SPEC●OS:Android 8.1●画面サイズ:約5.8型(2244×1080)●プロセッサー:HUAWEI Kirin 970●RAM:4GB●アウトカメラ:約1200万画素RGB+2000万画素モノクロ●インカメラ:約2400万画素●サイズ/質量:約W70.8×H149.1×D7.65㎜/約165g
<カメラ>
近接時の高速で正確なオートフォーカスが魅力
鮮やかで色が濃く解像感も高めで、見栄えがします。また、ズーム時のシャープネスも高い。近接に強く、オートフォーカスが高速かつ正確でした(河野)。
→「カメラ性能 18/20点」
<基本性能>
処理能力は高いが注意点も
処理能力が高くとても快適に操作できます。イヤホンジャックがないので、充電しながら有線イヤホンで音楽を聴きたい人などは注意しましょう(酒井)。
→「基本性能 17/20点」
【その4】ゲーム好きにうれしい「ゲーム加速モード」搭載
OPPO
R15 Pro
7万5470円
6GBのRAMと128GBのストレージを搭載し、おサイフケータイにも対応。IPX7相当の防水・防塵性能を備えます。カメラは、ポートレートやパノラマモードを利用できるほか、タイムラプスなど動画撮影機能も豊富。
SPEC●OS:ColorOS 5.1(※2)●画面サイズ:6.28型(2280×1080)●プロセッサー:Qualcomm Snapdragon 660●RAM:6GB●ROM:128GB●アウトカメラ:1600万+2000万画素●インカメラ:2000万画素●サイズ/質量:W75.2×H156.5×D8.0㎜/180g
※2:Android 8.1ベースのカスタムOS
<カメラ>
近接撮影時のオートフォーカス性能も及第点
見た目に近い色再現が好印象で解像感も高め。ズーム使用では、それなりに解像感が低下します。近接にも比較的強く、オートフォーカスも合いやすいです(河野)
→「カメラ性能 15/20点」
<基本性能>
ゲーマー向けの機能が揃う
ゲーム中の通知オフなど、ゲームに特化した機能が充実。画面オフ状態からジェスチャーで懐中電灯やカメラを起動できる機能も便利。(酒井)
→「基本性能 18/20点」
【その6】「握って」操作するエッジセンスで手軽に片手操作
HTC
HTC U12+
10万2600円
サイドに感圧式ボタンを備え、「握る」「持つ」「ダブルタップ」などの操作によってアプリの起動や各種操作を片手で行える「エッジセンス2」に対応。おサイフケータイやIP68相当の防水・防塵もサポートします。
SPEC●OS:Android 8.0●画面サイズ:6.0型(2280×1440)●プロセッサー:Qualcomm Snapdragon 845●RAM:6GB●ROM:128GB●アウトカメラ:1200万+1600万画素●インカメラ:800万画素×2●サイズ/質量:W73.9×H156.6×D9.7㎜/188g
<カメラ>
ズーム撮影用サブカメラを搭載
オート撮影では露出がわずかに暗めですが、色再現は自然。ズームは2倍時にカメラが切り替わり、解像面での劣化はとても少ないです(河野)
→「カメラ性能 17/20点」
<基本性能>
エッジセンスで操作効率が向上
エッジセンスはアプリごとに様々な機能を割り当て可能で、慣れると効率的に操作できます。高パフォーマンスなプロセッサーもイイ。(酒井)
→「基本性能 20/20点」
【その6】大画面&デュアルカメラ搭載の高コスパ端末
モトローラ
moto g6 Plus
4万1907円
5.93型ディスプレイを搭載。「端末を振る」、「手首をひねる」などの動きで様々な操作を行える「Motoエクスペリエンス」を採用。カメラは特定の色以外をモノクロにする「スポットカラー」など独自機能も備えます。
SPEC●OS:Android 8.0●画面サイズ:5.93型(2160×1080)●プロセッサー:Qualcomm Snapdragon 630●RAM:4GB●ROM:64GB●アウトカメラ:1200万+500万画素●インカメラ:1600万画素●サイズ/質量:約W75.5×H159.9×D8.1㎜(最薄部)/約165g
<カメラ>
明るく見た目どおりの色で撮影
見た目に忠実なあっさりとした色再現で、露出はやや明るめ。ズーム時は解像感が多少低下します。近接時のオートフォーカスは比較的合いやすいです(河野)
→「カメラ性能 14/20点」
<基本性能>
価格とスペックのバランスが◎
端末が動きを検知している間はロック解除状態を維持する機能が便利。ハイエンドではありませんが、手ごろな価格でコスパに優れる点も◎。(酒井)
→「基本性能 16/20点」
文/酒井麻里子 撮影/河野弘道