AIは、それを意識しないほどに効果を発揮している印象
HUAWEI Mate 20 Proは「Kirin 980」というSoCを搭載しています。いろいろな “世界初” を実現した、すごいチップで、その詳細についてはここでは省きますが、Androidスマホでトップクラスのパフォーマンスを期待して大丈夫です。とりわけ大きなアドバンテージとなっているのが、AIの処理を行う2コアのNPU(ニューラル・ネットワーク・プロセッシング・ユニット)を搭載していることです。これにより撮影時の被写体・シーン認識精度が向上し、フレーム内の最大10の要素を認識して、それぞれの最適化が図られるとのこと。その効果を強く意識することはなかったのですが、従来のMate 10 ProやP20 Proでは、AIによる色調整に違和感を感じて、AIをオフにすることもありましたが、それがぐ〜んと減りました。また、AIによる識別速度も速くなったように感じます。
カメラを用いる「AI HiVision」という機能も追加されています。面白かったのが、食べ物にカメラをかざすとカロリー量が表示される機能。発表会後のハンズオン会場でデモンストレーションを見たときには、“なに、これ、すごい!” とワクワクしたのですが、自分で使ってみると、まだ、さほど精度が高いとは言えません。あとで調べたところ、ファーウェイが自社で開発したものではなく、画像からカロリーを検索する「azumio」というアプリケーションを組み込んでいるようです。ですが、ほんの1〜2秒で結果が表示されるのは「Kirin 980」の恩恵と考えていいでしょう。ダイエットの意識付けにはなりそうです。また「AI HiVision」には翻訳の機能もあり、こちらも、その処理速度に驚かされました。
もはやSIMが入るコンパクトな高性能カメラ
ほぼカメラの話で終始してしまいましたが、HUAWEI Mate 20 Proは、ほかにも “すごい!” と思うことがたくさんあるモンスターなスマホです。指紋センサーはディスプレイ内に搭載していますし、3Dの顔認証も使えて、アンロックもスピーディ。4200mAhは、かなり使いまくっても1日でなくなることはないし、ワイヤレス充電だけでなく、ほかのデバイスにワイヤレス給電できるのも面白い。
でも、やはり、買いの動機となるのはカメラでしょう。「高性能カメラ付きスマホ」というよりも、「スマホ付き高性能カメラ」といった印象です。カメラだけを目的に2台目スマホとして購入するのもアリでしょう。
しかし、気になるのは価格です。ヨーロッパの価格が1049ユーロ(約13万5600円)ですからね。日本で発売された場合も、それなりの価格になるでしょう。おそらく10万円を超えるのではないかと。高いですよね。でも、それでも買いたくなる端末なんですよね。
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