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2018/11/8 21:30

【超速レビュー】もはやSIMが入る高性能カメラ…! ファーウェイ「HUAWEI Mate 20 Pro」で写真を撮りつくしてみた

ファーウェイが10月16日に発表した最新フラッグシップ「HUAWEI Mate 20 Pro」。まだ、日本発売は発表されていませんが、前モデルの「HUAWEI Mate 10 Pro」はSIMフリーモデルが発売されて、さらにソフトバンクからも発売されました。ファーウェイの最高峰モデルなので、日本でも発売されることはまず間違いないでしょう。

 

↑約6.4インチ(3120×1440ドット)の有機ELディスプレイを搭載

 

↑背面にライカ監修のトリプルレンズカメラを搭載

 

ロンドンで開催された発表会を取材した筆者は、その「HUAWEI Mate 20 Pro」をいち早く使わせてもらうことができました。先に言っちゃいますが、カメラがすごいです。

 

初めてライカのダブルレンズを搭載した「P9」にも、AIに対応した「Mate 10 Pro」にも、そして3眼になった「P20 Pro」にも驚かされましたが、今回のMate 20 Proは、それ以上の驚きがありました。例えるなら、初めて一眼レフカメラを買って、レンズを交換しつつ撮影を楽しんだときの気持ちに近いかも。期待以上にイイ感じの写真が撮れて、「僕、写真の腕が上がったかも」と勘違いしちゃうそうな感じです。

 

超広角がスマホカメラの楽しさをスケールアップ!

HUAWEI Mate 20 Proには、ライカ監修のトリプルレンズカメラが搭載されています。今夏に発売されたP20 Proもトリプルカメラでしたが、Mate 20 Proでは、新しいカメラシステムになっています。

 

P20 Proはモノクロ+カラー+3倍ズームという構成でしたが、Mate 20 Proは3つのセンサーはすべてカラー。メインで使われるのは4000万画素の広角カメラで、焦点距離は27mmで絞り値はF1.8。新たに2000万画素の超広角カメラが搭載され、27mmでF2.2。そして、800万画素の望遠カメラは80mmでF2.4。なんと、16mm(約0.6倍)から80mm(約3倍)まで撮れるんです。

 

↑超広角(0.6×)で撮影

 

↑広角(1×)で撮影

 

↑望遠(3×)で撮影

 

デジタル一眼を使っている人でも、超広角レンズを購入する人は少ないのではないかと思います。Mate 20 Proはデジカメでは撮りにくい広い画角の景色を、簡単に撮れるんです。しかも、写真の端に生じがちな歪みも気になりません。この超広角撮影が楽しくて、ロンドン滞在中は、ウルトラワイドな写真を撮りまくってしまいました。自身で気に入っている写真をいくつか披露させてください。

 

↑ピカデリーサーカスという繁華街で撮影。空が極端に青くならず、ナチュラルな色で撮れた

 

↑公園で撮影。逆光でもバランスのよい明るさで撮れた

 

↑レドンホール・マーケットというアーケード街にて。撮りたいものに対して距離が取れない状況で超広角はありがたい

 

↑ロンドンではありがちな街並みを撮っても、奥行き感のある写真になった

 

5倍までは高画質のままで撮れるズームもすごい!

スマホのカメラの弱点は、ズームができないこと。そう感じている人も多いのではないでしょうか? デュアルカメラを搭載する機種では、広角+望遠という組み合わせで、光学2倍で撮れる機種はあります。iPhone XSやGalaxy S9+などがそうですよね。それでも、ありがたいんですが、Mate 20 Proは、光学3倍ズームで撮れるんです。しかも、デジタルズームを組み合わせた「ハイブリッドズーム」で5倍相当までは画質が劣化しないことを謳っています。で、撮ってみました。

 

↑超広角(0.6×)で撮影

 

↑広角(1×)で撮影

 

↑望遠(3×)で撮影

 

↑ハイブリッドズーム(5×)で撮影

 

遠くに小さく見えた赤い扉が、ここまでズームアップしても鮮明に。個人的に、記者会見などで、舞台に近い席が撮れなかったとき、あるいは舞台に近すぎて全体が撮れない、といった状況でも役立つのではないかと期待しています。

 

↑ズーム機能は、鳥や動物を撮りたいときにも重宝

 

↑デジタルズームは最大10倍。これはアップしすぎて画質が若干粗くなった例。だが、スマホの画面で見るには十分

 

↑大勢の人が集まる観光スポットで、いい撮影ポジションが確保できなったときにも

 

↑クローズアップ撮影にも強くなり、料理も撮りやすくなった

 

AIは、それを意識しないほどに効果を発揮している印象

HUAWEI Mate 20 Proは「Kirin 980」というSoCを搭載しています。いろいろな “世界初” を実現した、すごいチップで、その詳細についてはここでは省きますが、Androidスマホでトップクラスのパフォーマンスを期待して大丈夫です。とりわけ大きなアドバンテージとなっているのが、AIの処理を行う2コアのNPU(ニューラル・ネットワーク・プロセッシング・ユニット)を搭載していることです。これにより撮影時の被写体・シーン認識精度が向上し、フレーム内の最大10の要素を認識して、それぞれの最適化が図られるとのこと。その効果を強く意識することはなかったのですが、従来のMate 10 ProやP20 Proでは、AIによる色調整に違和感を感じて、AIをオフにすることもありましたが、それがぐ〜んと減りました。また、AIによる識別速度も速くなったように感じます。

 

↑同じ場所でカメラの向きを変えるだけで、AIによる識別が切り替わる。従来は記憶色が強く出がちだったが、ナチュラルな色調になったように感じる

 

↑教会の中でカメラを起動すると、AIによって画角が提案された

 

↑「歴史的建造物」といった新しいシーン認識も追加されている

 

カメラを用いる「AI HiVision」という機能も追加されています。面白かったのが、食べ物にカメラをかざすとカロリー量が表示される機能。発表会後のハンズオン会場でデモンストレーションを見たときには、“なに、これ、すごい!” とワクワクしたのですが、自分で使ってみると、まだ、さほど精度が高いとは言えません。あとで調べたところ、ファーウェイが自社で開発したものではなく、画像からカロリーを検索する「azumio」というアプリケーションを組み込んでいるようです。ですが、ほんの1〜2秒で結果が表示されるのは「Kirin 980」の恩恵と考えていいでしょう。ダイエットの意識付けにはなりそうです。また「AI HiVision」には翻訳の機能もあり、こちらも、その処理速度に驚かされました。

 

↑食べ物の重量からカロリーが計算される仕組み

 

↑翻訳機能は実用レベルという印象

 

もはやSIMが入るコンパクトな高性能カメラ

ほぼカメラの話で終始してしまいましたが、HUAWEI Mate 20 Proは、ほかにも “すごい!” と思うことがたくさんあるモンスターなスマホです。指紋センサーはディスプレイ内に搭載していますし、3Dの顔認証も使えて、アンロックもスピーディ。4200mAhは、かなり使いまくっても1日でなくなることはないし、ワイヤレス充電だけでなく、ほかのデバイスにワイヤレス給電できるのも面白い。

 

↑注目の「インディスプレイ指紋認証」は、指が触れやすい位置で使いやすい。ただし、顔認証のほうが速くロック解除できる

 

でも、やはり、買いの動機となるのはカメラでしょう。「高性能カメラ付きスマホ」というよりも、「スマホ付き高性能カメラ」といった印象です。カメラだけを目的に2台目スマホとして購入するのもアリでしょう。

 

しかし、気になるのは価格です。ヨーロッパの価格が1049ユーロ(約13万5600円)ですからね。日本で発売された場合も、それなりの価格になるでしょう。おそらく10万円を超えるのではないかと。高いですよね。でも、それでも買いたくなる端末なんですよね。

 

【作例一覧】